癒合剤の注意点
癒合剤をより安全に効率よく使うために、注意しておきたいポイントが2点あります。作業を始める前に必ず確認しましょう。
注意点①癒合剤を使うタイミング
癒合剤を使うのは、秋から冬の休眠期が最適です。ただし病気で枯れた部分は、発見したらなるべく早く対処します。癒合剤を必要とする剪定そのものが、樹木のとってストレスのかかる行為です。病害虫で弱った樹木には、肥料を与えて栄養を補い治癒力を高めましょう。
注意点②天気予報をチェックする
癒合剤には植物の切り口を保護する働きがありますが、雨で流れてしまうと効果が発揮できません。作業する日とその翌日が晴れていれば、癒合剤がよく乾燥します。他の薬剤でも同じことがいえますが、しっかりと定着させることがポイントです。
癒合剤の代用品になるものとは?
癒合剤に馴染みがない方にもメリットが伝わったところで、身近なもので代用できるものがあるのか確認しましょう。ダイソーなど100円ショップでも買えるものが使える!とネットにはさまざまな意見もありますが、まず植物に効果があるかどうかから検証していきます。
木工用ボンド・壁の充てん材
木工用ボンドは乾くと透明になって目立たない、という利点がありますが、主成分の酢酸ビニルは雨に濡れると流れてしまい、癒合剤として使用できません。壁の穴や天井の隙間を埋めるコークとも呼ばれる充てん材は、アクリル樹脂系の成分です。代用品として使うことは可能ですが、植物の成長を優先させるなら、広い面積や接ぎ木にはおすすめしません。
水性ペンキ・アクリル絵の具
水性ペンキの主成分は水で、アクリル樹脂やシリコン・ウレタン樹脂などが含まれています。アクリル絵の具も乾くと耐水性があり、色も調色できてよさそうな気がしますが、どちらもおすすめできません。保護膜としての役割を長期間持続できないからです。
墨汁
墨汁を使うという方法もネットでよく見かけますが、これも向いていません。墨の成分はススとニカワですが、墨汁には他の成分も含まれていて、植物の成長に有効かどうかは不明です。黒く着色する以外、特に意味はありません。
まとめ
花木の剪定や傷口の保護に欠かせない「癒合剤(ゆごうざい)」について、おすすめ商品と癒合剤の塗り方・注意点を紹介しました。ネット上で話題になっている、癒合剤の代用品についても検証しています。植物の治癒力を高める癒合剤を上手に使って、ガーデニングをもっと楽しみましょう。
出典:写真AC