モンステラとは?
モンステラは室内で育てる数ある観葉植物の中でも、存在感抜群のとても人気のある植物です。大きな葉に切れ目が入っているのが特徴で、クワズイモやポトスなどと同じサトイモ科です。育て方も簡単ですし、仕立て方次第でいろいろ楽しめるので初心者の方におすすめです。1鉢あるだけで室内がぐっとおしゃれになります。
名前の由来
モンステラはもともと南米原産の植物です。現地では大きな樹木に巻きついて、その樹木の養分を吸収して大きく育っています。養分を吸収された樹木は枯れていくこともあることから、植物のモンスターとよばれていたといわれています。そのモンスターが語源でモンステラになったと言われています。
品種
ヒメモンステラ
小さいから、スペースを取らないのがいいですね。
モンステラには小型のヒメモンステラという品種があります。分類学上ではモンステラとは別のものになります。モンステラの若い株ではなく、立派な成木です。区別としては、小さい葉にもきちんと切れ目があるということです。モンステラの若い株には初めのうちは切れ目は入りません。成長していくうちに切れ目が入るので、重要な見極めポイントです。モンステラより耐寒性が弱いので冬場は室内の暖かな場所に移動しましょう。
マドカズラ
モンステラにはマドカズラという小型の品種があります。モンステラの葉には独特の切れ目が入っているのが特徴ですが、マドカズラは葉に大きな穴がたくさん空いているのが特徴です。モンステラの葉より少し柔らかい質感がします。丸に近いモンステラの葉に比べて、マドカズラの葉は楕円形です。育て方はモンステラと同様に室内の明るい場所に置きましょう。
ヴァリエガータ
斑が入るだけで、雰囲気が変わりますね。
モンステラの斑入りの品種です。一般的なモンステラと形、大きさはほとんど変わりません。育て方はモンステラと変わらないのですが、斑入りの品種は耐陰性に弱いので、室内のなるべく日当たりのいい場所におきます。園芸店でもあまり見かけないので、わりと珍しい品種のひとつです。
花と実
モンステラは大きな切れ目が入った葉が特徴の観葉植物ですが、花も咲きますし実もつきます。もともと南米原産の植物のため、天候が異なる日本では管理を徹底しない限り、ふつうに室内で花を咲かせ実を付かせるのは難しいでしょう。たまに園芸店で実付きの株が販売させているのを見かけますが、身を付けた株は弱っていることがあるので、早めに身を収穫して、肥料や活性剤を与え、元気な株に戻すことをおすすめします。
モンステラの育て方
人気のモンステラを育てるにはどうしたらいいのか。どうすれば元気なままでいられるのか、葉が伸びすぎた場合どうしたらいいか、置き場所や水やりの仕方、肥料の与え方などを調べてみました。モンステラの育て方は簡単です。初心者の方でも十分安心して育てられます。室内で育てる方法をまとめてみました。
置き場所
室内の明るい場所
モンステラにとって大切な置き場所ですが、まず室内の直射日光が当たるところは避けてください。葉焼けの原因になります。また、日が当たらない場所も避けます。葉柄だけひょろひょろ伸びすぎてしまう徒長という状態になります。葉が広がり過ぎて大きく開いて倒れてきます。室内のレースカーテン越しのやわらかな日が当たる場所が最適です。
窓の近くに置く
モンステラをはじめ、観葉植物にはほどよい明るさと風通しがいい場所が最適です。風通しが悪いと病害虫に侵されることがあるため、近くに窓がない場合は、1週間に1度でいいので窓の近くに移動させ風にあたらせてあげます。冷房や扇風機の風は自然の風と違って湿度が低いため、あたりすぎると水分が飛んでしまい葉が枯れることもあります。
水やりのタイミング
乾いたらたっぷり与える
モンステラの根はとても太いので、根の中に水分や養分を蓄えることができます。ですので、水やりは、土の表面がカラカラに乾いたとき、葉が大きく広がって垂れたようになってきたら、たっぷり与えます。頻繁に与えると、鉢の中がいつも湿った状態になるので、根腐れをおこす原因になります。
葉水をする
葉水なら毎日あげられそう。
用土への水やりは、乾いたらたっぷりあげるので、鉢の大きさによっては1週間から1ヶ月に1度と差がありますが、葉水は毎日あげても大丈夫です。霧吹きで全体的に湿気を与えます。そのときに水道水のカルキで白く汚れることがあるので、ティッシュなどで拭いてあげてください。葉水は病害虫の予防になるので頻繁に与えましょう。
肥料の与え方
モンステラは、丈夫な植物なので置き場所、水やりなど育て方をきちんとしていれば枯れることはあまりありません。ただ、寒さに少し弱いので冬を越すために、春の成長期に化成肥料を適量施します。また、水やり時に液肥や活性剤などを適量与えると、葉の艶や張りがよくなるので葉の広がりを防ぐ役割もあります。
植替えの仕方
植替えの時期
モンステラの植替えは、成長期といわれる春から秋にかけておこないます。葉が広がってだらしなく見えてきたら株分けも一緒に行います。植物にとって大事な根をいじられることはストレスになるので、元気なときに植替えするのがおすすめです。気温の低い雨の日や、真夏の気温が高過ぎる日は避けるようにします。
植替えのコツ
モンステラを植替えるときは、今の鉢よりふた回りほど大きい鉢に植替えましょう。モンステラの根は太くて長いので深めの鉢が必要です。土もたっぷり入れてあげてください。土は古くなるので2ねんから3年に1度は鉢を大きくして、土も新しいものに変えるために植替えをしましょう。
植替えの注意点
モンステラを植替えるときは、根の扱いに気を付けてください。太い根は特に大事な根です。折れないように注意します。根は下へ縦に伸びていきますが、小さい鉢だと行き詰まりになるので横に伸びはじめて鉢の中に詰まってきます。鉢替えするときの鉢は縦方向に長いもの、ふた回りほど大きいものにしましょう。
増やし方
モンステラを増やすときは株分けをするのが一般的です。植替えのタイミングで鉢から出した株を分けます。根は太いですが、その分折れやすいのでなるべく傷付けないように土を落としながら分けていきます。絡まっている根は折らないようにゆっくりほどいていきます。
剪定の仕方
モンステラの育て方として、植替えのときに古くなって不要になった葉を剪定して樹形を整えることも大事な作業です。株元にある古くて小さな葉は、切れ目が出ることもなく、黄色くなって枯れていくので早めに剪定します。伸びすぎて広がってしまった葉なので、根元から切ってしまいましょう。
病害虫
モンステラは育て方が簡単といわれる理由のひとつに病気に強いことと、害虫にも強いことがあげられます。ただ、カイガラムシには注意が必要です。白い綿のようなものが付いていたら濡れたティッシュなどで拭き取ってください。葉の裏にカイガラムシが見つかったらすぐに除去します。早めに対処すれば薬をまく必要はありません。
モンステラへの支柱の立て方① 理由
モンステラを育てていく上で、支柱や添え木は欠かせないものになります。室内で育てていても成長が早いので、大きく伸びすぎてしまった葉が広がり、葉柄ごと倒れて折れることがあります。その大きな葉を支えるためにも添え木や支柱が必要になってきます。支え方ひとつで樹形が変わってくるので注意が必要です。
支柱とは
添え木をする
支柱とは柱が倒れないように支える添え木のことです。植物でいう柱とは主に幹のことをいいます。花が大きいもの、葉が大きくて広がりやすく、バランスを崩しやすい植物には、成長を促したり、かっこよく見せるために支柱、添え木を立てます。野菜や果物のように実が付くものにも、重さに耐えられるように支柱または添え木を立てます。植物にとってとても大事なツールです。支え方を間違えると支柱や添え木の意味がなくなるので気を付けましょう。
支柱を立てる理由
倒れるのを防ぐ
葉が大きく、しっかりした幹を持たないモンステラのような植物は、成長具合によってバランスを崩して倒れてしまうことがあるので、支柱を立てます。倒れると折れたり、伸びすぎた葉がだらしなく垂れて見えるので樹形が悪くなります。文字通り支柱は支えるものなので、上手く立てないと意味がありません。モンステラを格好良く見せるためにも支え方を工夫して支柱を立てましょう。
広がるのを防ぐ
葉が広がって場所を取るので、きちんとまとめられるのは嬉しいですね。
モンステラのような幹がない植物は、葉が大きくなり、伸びすぎて広がり過ぎると、バランスが悪くなり、株元から倒れて折れてしまうことがあります。葉を広がらせてボリュームを出すのも仕立て方のひとつなので、そういう場合には、葉が倒れないような支え方をします。
樹形を整える
モンステラのような観葉植物には寿命はありません。末永く育てていくにはいろいろなコツがあります。植物の成長に任せて伸びるがままにするのもひとつの育て方ですが、室内で育てる場合、スペースの問題もあり、いずれは限界がきてしまいます。横に広がって場所をとっていたものを、支柱を立てるだけで縦に立たせることもできるのです。
モンステラへの支柱の立て方② 位置
次に支柱を立てるときに必要な位置を決めます。葉が倒れないような支柱や添え木の立て方、支え方によっては支柱の意味がなくなります。伸びすぎた葉の仕立て方までイメージしてから支柱を立てましょう。位置の決め方のポイントや注意点などをまとめてみましたので参考にしてみてください。
支柱の位置を決める
支え方を決める
モンステラの支柱を立てるには、大きく開いた葉を、現在の状態から少し持ち上げて縦方向に立たせた状態で支柱を添えます。支え方としては支柱を葉柄に添わせるか、または葉の付け根に支柱を立てて、土に垂直になるようにさします。大きな葉は今は立っていても、いずれ倒れることがあるので、予測をして支柱を立てる葉を選びます。
支柱を立てるときの注意点
立て方に気を付ける
モンステラの支柱を立てるときは、支柱の位置に気を付けます。支柱を土に挿すので、根を傷付けないようにゆっくり挿していきます。根に当たる感覚はあるので、当たったら位置をずらしながら深く挿します。支柱と葉柄を留めるときに、モンステラの葉が無理な状態にならないように立てます。支柱の位置は成長具合によって何度も変えることができます。そのときにベストな位置で支柱を立てましょう。
モンステラへの支柱の立て方③ 時期
支柱を立てる時期
葉が広がってきたとき
モンステラに支柱を立てるには、葉柄を曲げたり、根をいじったりとストレスをかけることがあるので、必ずモンステラが元気なときに行ってください。植替えや、肥料を与える春から秋の成長期がおすすめです。植替えと同様、ストレスを与えることがあるので暖かい日を選びます。
徒長にも対応
モンステラを日の当たらないところで育ててしまったことにより、葉柄が伸びすぎてしまう徒長という状態になってしまった葉も、支柱の支え方によっては対処できます。徒長した葉柄は元に戻ることはないですが、仕立て方次第では徒長に見えないようになります。
気根を生かす
モンステラは、観葉植物の中でも気根が目立つ植物です。空気中の水分を吸収することができる気根を、わざと目立たせて縦方向に高さを出し、天然木の添え木も含めてかっこよく仕立てることができます。気根が伸びてきたら、土に戻すこともできるのですが、あえて外に出して仕立てても素敵なモンステラができあがります。
気根をわざと目立たせるとカッコよくなりそうですね。
モンステラへの支柱の立て方④ 種類
支柱の種類
仕立て方によって選ぶ
モンステラの支柱には、園芸店などで販売されている園芸支柱のほか、ヘゴ材や天然木、竹材などの支柱があります。園芸支柱は高さ、太さなどいろいろ種類があるので、その時の成長具合に合わせて変えることができます。ヘゴ材はポトスなども巻き付けて使うこともあります。
天然木を使用する
添え木をする
天然木の添え木はおしゃれですね。
モンステラの支柱に天然木を使用することもあります。緑色の園芸支柱はいかにも支柱という存在感から、個性を出すために天然木の添え木を利用すると、ぐっとおしゃれな仕立てになります。天然木の添え木は園芸店やホームセンターで購入できます。伸びすぎて広がった葉を縦方向に立たせてあげると雰囲気も変わるでしょう。
モンステラの仕立て方
いろいろな仕立て方を知る
モンステラは大きな切れ目が入った葉と、太い根が特徴的な観葉植物です。この特徴を生かした仕立ても販売されています。また、自分で好きな樹形に仕立てることも可能です。太く伸びた根と、気根を主役にして、天然木に縦方向に絡めると野生的な仕立てになりますし、葉をメインにするとさわやかな仕立てになります。お好みの仕立て方で楽しめます。
支柱を立てる
仕立て方をイメージする
支柱を購入して、位置も決めて、仕立て方のイメージができたら実際に立ててみましょう。支柱や添え木をモンステラの株の根元、もしくは支柱を立てる位置の表土に深くまで挿しこみ、抜けないことを確かめます。葉の根元や葉柄と支柱は、麻ひもなどで留めます。きっちり留めず、少し余裕を持たせて留めるようにします。
モンステラへの支柱の立て方⑤ 仕立て方
成長に合わせる
支え方を変える
モンステラに支柱を立てたからといって終わりではありません。成長度合によって、支柱を増やしたり、より長いものに変えたりと支え方を変える必要があります。毎年行う必要はないですが、植替えを必要とする2年から3年に1回のタイミングで支柱を立て直ししてあげると、きれいな樹形を保つことができます。
仕立て方を変える
いろいろ仕立て方があるので楽しく育てられそうです。
育て方が同じもの
ある程度成長してきたら、仕立て方を変えるのもひとつの方法です。鉢や鉢カバーを変えるだけでも雰囲気が変わりますが、モンステラの株元に同じ育て方をするサトイモ科の観葉植物を寄せ植えしても素敵になります。上に縦に伸びるモンステラに対して、下に縦に垂れるポトスなどを植えてもおもしろいでしょう。
縦から横にする
モンステラの仕立て方として、今までの支え方を思い切って変えてみるのもひとつの方法です。例えば、縦方向に高さを出す支え方をしていたものを、支柱を外して伸びすぎた葉を、あえて広がらせて倒して下方向に垂らしていく仕立て方に変えることもできます。この場合、今まで立てていたものを寝かせることになるので、急な倒し方をせず、短めの支柱を添えながら自然な角度ですこし倒してください。
最後に
モンステラは、支柱や添え木の立て方、支え方次第でよりすてきな樹形になります。育て方も簡単で難しくはありません。園芸店で販売されているものは、また若い株なので、葉が広がっています。高さを出すために縦方向に支柱に添わせ、ゆっくり自分好みの樹形に仕立てて、お気に入りの一株にしてみませんか。
とても人気のある観葉植物ですね。