モンステラとはどんな植物?
モンステラは、厚みのあるつるっとした葉が特徴的な観葉植物です。育てやすく丈夫なので、自宅でもお店でも飾られていることの多い人気の植物ですが、切れ込みが入っているもの、穴があいているものなどたくさんの種類があります。
基本情報
学名 | Monstera deliciosa |
英名 | Monstera |
和名 | 鳳莱蕉(ホウライショウ) |
属名 | モンステラ属 |
科名 | サトイモ科 |
形態 | 多年草 |
原産地 | 熱帯アメリカ |
熱帯アメリカに約30種が分布するつる性の常緑多年草で、観葉植物として流通しているのはその中でも数種類です。モンステラという名称はラテン語で「異常」「怪物」を意味する言葉が語源となっており、その独特な葉の形状に由来しています。
種類
観葉植物としては、ホウライショウとヒメモンステラが最もよく栽培されています。
ホウライショウ
ホウライショウは濃い緑色のつるっとした葉と太い茎を持つ、大ぶりなモンステラです。羽状の切込みが入っていたり、葉脈の間に穴があいたりしているものがあります。葉は最大で1m近くにもなり、どんどん背が大きくなる種類です。
ヒメモンステラ
上記のホウライショウを小柄にしたような葉をもつのがヒメモンステラで、鉢物として売られているものの多くはこのヒメモンステラと言われています。
特徴
モンステラの原生地はアメリカの熱帯地域で、サトイモ科のつる性の着生植物です。原生地のジャングルでは、そのつたや気根を周りの樹木やヤシ類などに絡ませて、這い上がるように成長します。熱帯原産ということで、日がしっかり当たらないと成長しないイメージがありますが、意外にも耐陰性が強く、日当たりが悪い場所でもしっかり育ちます。
花言葉
その育てやすさとユニークな姿から、人気が高いモンステラですが、素敵な花言葉があるのをご存じでしょうか。モンステラが持つ花言葉は、「うれしい便り」「壮大な計画」「深い関係」の3つです。このような縁起のよい花言葉がつけられるようになった由来は、成長するにつれて葉に穴があいたり切れ目が入ることで、そこから太陽の光が射し込む姿が連想されるからです。その姿はモンステラの原産地の1つ、ハワイでは「希望の光を導く」と言い伝えられており、幸運のモチーフとされています。
幸運の木といわれているモンステラ
上記のような縁起のよい花言葉をもつモンステラですが、幸運の木として知られていることから、贈り物としても人気です。また風水的にも、モンステラのように丸い葉をもつ植物には気を穏やかにする作用があるとされており、リビングに置くと家族の雰囲気や人間関係を和やかにすることが期待されます。
モンステラの剪定時期
初心者にも育てやすく人気のあるモンステラですが、生長がはやいので育ちすぎてしまったり、根で鉢が窮屈になったりして剪定や植え替えが必要になってくる時期があります。きちんとお手入れしてあげることで、元気な姿を長く見せてくれるので、適切に剪定してあげましょう。
モンステラの剪定方法
モンステラの剪定について、手順と切り方、枝切りの注意点、株の増やし方などを合わせてご紹介します。主な増やし方は、切り戻し、挿し木、水差しの3点です。
おすすめの剪定手順①切り戻し
「切り戻し」とは、最もポピュラーな増やし方で伸びすぎてしまったモンステラの見た目を整えるために、茎の部分をカットして高さやバランスを整えてあげる作業です。切り方を失敗したら枯らしてしまうかもしれないと心配な気持ちもあるかもしれませんが、モンステラは生命力が強く、切る場所を誤ってカットしてしまった場合でも問題なく育ってくれますのでご安心ください。
剪定ばさみがおすすめ
ご自宅に剪定ばさみをお持ちでしょうか。普段使う、枝切り用でない文房具のはさみは避けた方がよいです。切れないはさみでつぶすような切り方をすると、切り口の茎の断面がつぶれてうまく育たないことがあります。また茎をカットした際に断片や汁がはさみにつくことで、切れ味が悪くなることがありますので、清潔さと切れ味を保つという点でも、枝切り用にお気に入りの剪定ばさみをご自宅に常備することをおすすめします。
どこを切ればいいの?
モンステラは生長する際、日が入る方向やスペースに空きがあった方向に伸びやすいので、偏った伸び方をしていることがあります。そのため、切り方や切る場所しだいではバランスを崩して倒れてしまったり、その拍子で根が露出してしまう可能性があります。ポイントは、成長点を見つけつつ、全体のバランスを保てる枝を見極めることです。
「こぶ」を見つけよう
モンステラをよく観察すると、茎にこぶのような節目を見つけられます。これを成長点と呼び、次に新しい茎が生えてくる場所となっています。成長点に合わせて剪定すると、そこからどんどん新たな茎が生えてきてしまうので、今後どれくらい大きく育てていきたいのかも考えながら切る場所を検討することが必要です。はさみを入れる前に、剪定する場所をマーカーなどで印をつけつつよくバランスを見ましょう。
おすすめの剪定手順②挿し木
上記で、切り戻しについてご紹介しました。株のバランスはよくなったけれど、元気な茎を切り落とした場合、そのままそれを捨ててしまうのはもったいない。そんな場面もあります。もし鉢が余っているのであれば、「挿し木」という増やし方があります。
挿し木とは
挿し木は切り戻しでカットしたモンステラの茎を、別の株として新しい鉢に根付かせる方法です。挿し木が可できるのは、生命力が強いモンステラならではの楽しみ方です。切り口がきれいで、節のついた元気の良い茎を選び、新しく土を張った鉢に挿して固定してあげてください。
注意点
固定が難しい場合には、支柱を添えることで倒れることを防ぐことができます。土の中で根を張り、新しい葉が生えてくるまでは土が乾燥しないようにこまめに水やりをしてください。
おすすめの剪定手順③水差し
土に挿して増やす以外にも、気根を残した枝を水に差すことでモンステラを増やすことができる、「水差し」という方法があります。
「水差し」とは
この方法では、鉢や土がなくてもコップやグラスに水を差し、カットしたモンステラの枝をいれておくだけで根を出してくれるので比較的簡単に育てることができます。注意すべき点は、グラスに張った水を綺麗に保ち、腐らせないように気を付けることです。うまくいくと1か月ほどで気根の部分から根が伸びてきますので、ある程度の長さになったら土に植え替えましょう。
モンステラを育てるのに適した環境は?
生命力が強く、初心者でも育てやすいモンステラですが、健やかに育てるためにはどのような点に注意すればいいのでしょうか。
育てる場所
元々うっそうとしたジャングルで自生している植物であることから、意外にも耐陰性は高く、日当たりが悪い場所でも育てることができます。ただ、可能な限り日光に当ててあげることで、しっかりとした立派な株に育ちます。ただし直射日光による葉焼けには注意が必要です。また寒さに強い植物ではないので、冬に屋外に出しっぱなしにするのは避けましょう。
水やりの頻度
高温多湿な環境で生き抜くことができる品種であるため、水をあげすぎると根腐れを起こしてしまうことがあります。年間を通して、鉢土の表面が乾いたら水をあげることを意識してあげれば、頻繁な水やりは必要ありません。たまに霧吹きなどで葉を濡らしてあげることで、ユニークで魅力的な葉がより生き生きとした姿を見せてくれます。
気根が伸びてしまったら
モンステラが成長するにつれて、幹の途中の部分から茶色の根のようなものが顔を出しているのを見つけることがあります。最初は白っぽい色をしていますが、それが伸びるにつれて、どんどんと茶色い姿になっていきます。これは気根といって、モンステラの身体を支えたり、空気中の水分や栄養を吸収するために伸びてくるものです。
気根のアレンジ方法
成長期にはさまざまな場所から伸びてくるので、伸びてきた気根をモンステラの株自身に巻き付けたり、先端を土に埋めたりしてあげるなどして、工夫しましょう。伸び過ぎた気根は切り落としてしまっても問題ありませんが、あえて下に垂らすスタイルにしてもおしゃれです。気根自体は意外と柔らかく、柔軟に扱うことができるのでぜひお好みのスタイルを見つけてみてください。
出典:写真AC