モンステラとは
モンステラとは、つやのある大きな葉に、穴や切れ目が入っているのが特徴の、多年草植物です。南国調の雰囲気を演出する見た目と、耐寒性・耐暑性・乾燥に強い育てやすさから、観葉植物としてとても高い人気があり、お部屋のインテリアにもおすすめです。葉に空いた穴から光が差し込む様子を、ハワイでは「希望の光」と呼び、ハワイアン雑貨やアロハシャツに描かれ、ボタニカル柄のモチーフにもなっています。
モンステラの基本情報
分類 | サトイモ科 モンステラ属 |
学名 | Monstera |
形態 | つる植物 着生植物 |
原産地 | 熱帯アメリカ |
草丈 | 10~200cm |
花色 | 白色 |
モンステラは、園芸店やホームセンター、100円均一ショップでも販売しており、手軽に手に入れることができます。大きく成長すると、つくしの先やとうもろこしのような見た目の白い花を咲かせ、緑色の果実をつけます。果実は、パイナップルとバナナを合わせたような味でとてもおいしいと言われていますが、日本で観葉植物として鉢植えで育てる場合は、花を咲かせることはほとんどありません。
気根とは?モンステラの特徴をご紹介
つる植物の特徴の一つである「気根」がモンステラには存在します。モンステラの気根は、地上部にある茎の途中から、土に向かって垂れ下がるように根が生えてきます。その根が土についたら、そこに根付いて土の養分を吸収するようになり、茎が倒れないよう支柱の役割をします。
モンステラの花言葉
モンステラの花言葉は、「うれしい便り」「壮大な計画」「深い関係」の3つの意味があります。また、英語の花言葉は、「dedication(献身)」です。ハワイで希望の光と呼ばれていることや、喜ばしい未来を連想させる花言葉から、新築祝いや開店祝いなどのプレゼントにおすすめです。
モンステラの切り戻し時期
モンステラは非常に育てやすい植物ですが、生命力が強く生長が早いため、育ちすぎるのが難点です。そのため、切り戻しや植え替えなどのお手入れが必要になります。「失敗したら枯れてしまうのでは…」と心配されるかもしれませんが、切り戻しに失敗しても、生命力が強いため回復も早いです。切り戻しに適した時期や、どんな時に切り戻しをするべきなのかについて、詳しくご紹介します。
切り戻しに最適の時期とは?
モンステラは、5~9月に生長期を迎えます。生長期は、新芽や新しい葉・根が生えやすい時期であり、切り戻しに適した時期です。その中でも、特に最適と言われているのが6~7月初旬です。モンステラは耐寒性・乾燥に強い植物ですが、原産地が熱帯アメリカであることから、暖かく湿気のある場所を好みます。6~7月初旬は生長期で湿気も多い時期のため、この時期に切り戻しを行うと、早く新芽が育ちます。
どんな時に切り戻しをするべきなのか
①大きさや形を整えたい時
モンステラは生長が早く、すぐに大きく育ちすぎてしまいます。また、日が差し込んでくる方向に向かって伸びるため、形が片方に偏って伸びたり、一部に密集して育ったりすることがあります。このような場合には、伸びすぎたり増えすぎたりした部分を剪定して整えることが必要です。また、日当たりが悪く、茎が徒長して細くなってしまった場合は、細くなったところを思い切って剪定しましょう。
②葉・茎に元気がない時
モンステラは生命力の強い植物ですが、育て場所によって、乾燥がひどい場合や、強い直射日光に当たり続けた場合、葉が枯れてしまうことがあります。また、耐寒性に強いと言われていますが、寒さが厳しくなると葉が凍ることもあるようです。そのまま放っておくと、株全体が痛んで腐ってしまう原因になりますので、茎・葉の傷みは早めに切り取りましょう。
③挿し木で増やしたい時
モンステラは、挿し木の要領で増やすことができます。株が大きくなってきて、別の鉢に増やしたいときは、切り戻しを兼ねて挿し木で増やしましょう。このとき、切り戻しをする茎は、気根のついたところを残すように切り取ることが重要です。
モンステラの切り戻し方法
切り戻しに適した時期はありますが、かなり生命力の強い植物のため、少し形を整えたり傷んだ箇所を切り取ったりする程度であれば、基本的にはいつ切り戻しをしてもかまいません。しかし、失敗させないためには、なるべく冬は避け、少量ずつ剪定することがポイントです。モンステラの切り戻し方法について、準備と切り戻しのやり方についてご説明します。
切り戻しをするために必要なこと
モンステラを切り戻しする際に使用するハサミとして、剪定ばさみか切れ味のよいハサミを準備してください。モンステラは有毒性で、切れ味の悪いハサミで切り口をつぶすように剪定すると、切り口の断面から有毒の液体が出てきやすくなります。また、有毒の液体が付着した場合、すぐに洗い流せるよう、鉢を水場に事前に移動させておいてください。
モンステラの有毒性
モンステラをハサミで切ると、切り口の断面から液体が出てきますが、これは「シュウ酸ナトリウム」です。皮膚につくと、炎症を起こしたりかぶれたりしますので、肌に液体が付着したらすぐに洗い流し、剪定に使用したハサミは必ず水でよく洗ってください。小さな子供やペットがいるご家庭では、食べると危険なので、手が届かない場所におくなど、注意が必要です。
切り戻しのやり方
まずは切り戻しをする茎や葉にハサミを入れる位置を決めます。一方に偏ると、鉢が倒れる危険があるので、バランスを見て位置を決めてください。次に、切れ味のよいハサミで、思い切って切り戻しをします。ハサミに切り口から出た液体が付いた場合は、触らずに水で洗い流してください。
モンステラの切り戻し位置
太い茎をよく見ると、コブのような節目のある場所があります。これは「成長点」と呼ばれ、ここから新芽や新しい茎が出てきます。今現在のモンステラの株を、もっと大きく育てたいのか、小さく形を整えたいのかなどによって、成長点を残すかどうかが変わり、切り戻し位置が異なります。
大きく成長させたい場合の切り戻し位置
「伸びすぎた部分を剪定して小さく形を整えたいけど、これから今の株より、もっと大きく成長させたい」といった場合、新芽が出てくる成長点を残すような位置から切り戻しをします。茎と葉をつないでいる葉柄の、茎に近い根元から切り戻しをするとよいでしょう。生長期に合わせて切り戻しをすると、より早く大きく成長させることができます。
サイズを小さくしたい場合の切り戻し位置
「モンステラが伸びすぎてしまったから、今よりも高さを短く、もっと小さい形に剪定したい」といった場合、成長点ごと切り取る位置から切り戻しをします。葉柄ではなく太い茎の部分を、成長点を切り取るように切り戻しをするとよいでしょう。この時、節や葉の付け根、気根が生えている近くは避けてください。
気根が邪魔になった場合の切り戻し位置
気根は、空気中の水分や土からの栄養を吸収するために重要な部分ですが、土につかない期間が長いと、そのまま枯れてしまいます。伸びていた気根が枯れてしまったり、気根が増えすぎて見栄えが悪くなってきたりといった場合は、切り戻しをしてしまいましょう。すべての気根を切り取ってしまっても問題ありませんが、支柱や養分の働きをするため、残しておいたほうが元気に育ちます。
まとめ
インテリアや贈り物として人気の観葉植物であるモンステラについて、特徴と切り戻しの方法についてご紹介しました。生命力が強く育てやすい植物ですが、成長が早いため、伸びすぎてしまうことがあります。切り戻しは、伸びすぎた見栄えをよくするだけでなく、元気に大きく育てるためにも必要です。やり方は簡単で、失敗しても回復してくれますので、長く育て続けるためにも、切り戻しを行ってください。
出典:BOTANICA