木酢液と虫除け剤を混ぜる
木酢液は浸透力が高いため、虫除け剤などの薬品と混合して使うと、より虫除け剤を浸透させ防虫効果を高めます。希釈率は木酢液が400~1,000倍になるように混ぜましょう。虫除け剤の指定頻度を守り、それぞれの濃度が濃くなり過ぎないように注意してください。木酢液と虫除け剤を混ぜる場合は、虫除け剤の量を通常より減らしてもよいです。
木酢液の選び方
木酢液の品質を確かめて選ぶ
市販されている木酢液の中には、きちんとろ過されずに不純物を残したまま製造されているものや、粗悪な製法で作られているものもあります。環境や植物に安心して使える木酢液を選びましょう。木酢液の品質は見た目や香りなどで判断できます。以下のポイントを参考にしてください。
①黄褐色または赤褐色である
質のよい木酢液は澄んでいて透明感のある褐色です。紅茶やワイン、ビールのようにきれいな色合いをしています。ただし、初めから薄めてあるものや木の種類などによっても色合いは違うので、見た目だけで判断しないようにしましょう。木酢液の色に濁りのあるものや浮遊物があるものは避けます。
②pH値が3前後である
木酢液の原液はpH値1.5~3.7が一般的です。pH値が高い場合、何かが添加されている可能性があります。また、原料となる木材にアルカリ性の塗料が使われていたり、廃材が使われている場合もpH値が高くなるので注意が必要です。ただし初めから薄めてある木酢液の場合は、pH5.5やpH6.0になることもあります。
③燻製のような香りである
質のよい木酢液は、木をいぶしたような燻製の香りがします。しかし、つーんとする香りや酢のような強い刺激臭がするものは、pH値を調整するために化学合成酢酸を混ぜている可能性があるため気を付けましょう。質のよい木酢液のポイントは、余計なものが入っていない純正であることが大切です。
④原料が明瞭である
原料の樹木がしっかりと明記された木酢液を選びましょう。ナラ類、ブナ類、カシ類は質のよい木酢液をつくるために優れた原料です。しかし、樹木が明記されていない場合、クスの木やアセビの木など人や動物に有害な樹木が使われていることや、樹木とは呼べないような有害な廃材が使われていることがあります。
園芸用の木酢液を選ぶ
木酢液の殺菌性をいかして、水虫の治療やアトピーの治療などにも使える木酢液が販売されています。しかし、皮膚に使う木酢液と園芸用の木酢液では酸性度などが異なるため、虫除け対策のためには必ず園芸用の木酢液を使いましょう。また、園芸用の木酢液を皮膚に使うことも避けます。
ボタニ子
次ページからは木酢液を使用するときの注意点を紹介します。
出典:写真AC