ダコニールの使い方
症状の改善や病気の予防に効果があるダコニールですが、消毒・殺菌効果が高い農薬なので、誤った使い方をすれば薬害の原因にもなります。また正しい使い方を知ることで、少ない量の薬剤で最大の効果を発揮することもできます。そこでダコニールの効果的な使い方のポイントを解説します。
使用上の注意をよく読む
殺菌剤として使われるダコニールは農薬なので、使い方には細心の注意が必要です。商品のラベルには「効果や薬害に対する注意」「安全な使い方に対する注意」について詳しく書かれていますし、ラベルには注意喚起マークがついているので、注意喚起マークを参考にどのような点に注意すべきか使用前に必ず確認してください。
使用方法を確認する
ダコニールの使用方法には「散布」「土壌灌注」「吹き付け処理」などさまざまありますが、これらの使い分けは対象となる野菜や植物の種類によって判断します。多くの場合は散布する方法がとられますが、稲やネギなどには土壌灌注という方法が一般的です。
土壌灌注とは?
土壌灌注とは、成長した野菜や植物に薬剤を散布するのではなく、生育ポットで苗を育てている段階で散布する方法のことをいいます。苗が育つ段階で殺菌剤を与えることで、植え付けした後も薬剤の効果が持続するのが土壌灌注の特長です。ただし土壌灌注に適した野菜・植物は限られるので、使用方法を確認しましょう。
使用液量を守る
ダコニールのタイプには水和剤や粉剤などの種類がありますが、どのタイプでも野菜や植物の種類によって使用液量が決められています。厄介な病気にも効果が高い点が農薬を使うメリットですが、大量に使えば効果が上がるわけではありませんし、液量を守らないことが原因で薬害や土壌汚染が起こることもあります。
殺菌剤は使い切りが基本
殺菌剤であるダコニールは、「1回の使用で使い切ること」が使い方の基本です。余っても保管は可能ですが、農薬なので種類によっては保管方法・保管場所の指定もありますし、ペットボトルで保管したものを誤飲した事故も報告されています。そのためダコニールは余らせることのないように注意しましょう。
展着剤の混用がおすすめ
散布するタイプが多いダコニールは使いやすい殺菌剤として人気ですが、「農薬が付着しづらい」という散布タイプ特有のデメリットもあります。そもそも野菜や植物の葉は水をはじく作用が働くため、殺菌剤が付着しにくい性質があります。そんな時は展着剤を混用すると、殺菌剤が葉の表面に付着しやすくなります。
展着剤入りの商品もある
種類が豊富にあるダコニールなので、商品の中にはあらかじめ液剤の中に展着剤が混用されているものもあります。展着剤の混用は農薬の種類によって調製の手順が違うので、初心者にはハードルが高いのですが、展着剤が混用している商品であれば調製する必要がないため初心者にもおすすめです。
ダコニールを使う注意点
野菜や植物の病気治療や予防に効果があるダコニールですが、安全かつ効果的に使用するためには、作業前の準備や作業の手順・作業のタイミングなどにも注意しなければいけません。そこでダコニールを使用する際の4つの注意点をわかりやすく解説します。
長袖・長ズボンの防護服着用
ダコニールに含まれる成分には、皮膚に直接触れると刺激を伴うかゆみなどを引き起こす成分が含まれています。そのため散布作業を行う際には、皮膚に薬剤がつかないよう長袖・長ズボンの防護服を使用します。なおフード付きジャケットを着用すると、頭皮への付着防止になるのでおすすめです。
農薬用マスクを使う
殺菌・消毒作用が強いダコニールは、作業中に経口摂取すると人体に悪影響を及ぼす危険があるため、散布作業の際にはマスク着用が基本です。また着用するマスクも病気予防のための一般的なマスクではなく、微粒子の農薬もシャットアウトできる農薬用マスクを着用しましょう。
葉の両面にムラなく散布
ダコニールは消毒効果の高い農薬ですが、ダコニールの特長を最大限に生かすためには液剤をムラなく散布することが重要です。もちろん病気が発生しやすい葉の表面を重点的に散布しますが、葉の裏側や密集した部分にも病気は発生しやすいので、作業する際には葉の表だけでなく裏側もしっかりと塗布しましょう。
気温25℃以上での作業は避ける
葉に薬剤をしっかりと付着させるためには晴れた日に作業を行うのがよいのですが、気温が25℃以上になる日中は作業を避けた方が薬害が起こりにくいです。さらに気温が高いだけでなく湿度も高い状態で作業すると、薬剤が根や土壌に流れてしまい葉焼けや黒ずみの原因になります。