メロンの栽培マニュアル!病気にならずにおいしく育てる方法を徹底解説

メロンの栽培マニュアル!病気にならずにおいしく育てる方法を徹底解説

メロンには高級なイメージがあって栽培も難しそうですが、育て方のポイントをおさえれば、家庭菜園やベランダでも栽培できます。育てやすい小玉品種もあります。メロンの育て方を、植え方、整枝の方法、収穫の見分け方までチェックしていきましょう。

記事の目次

  1. 1.メロンとメロン栽培の概要
  2. 2.メロンの育て方<種まき・苗選び>
  3. 3.メロンの育て方<準備・植え方>
  4. 4.メロンの育て方<整枝・誘引>
  5. 5.メロンの育て方<受粉・摘果>
  6. 6.メロンの育て方<水やり・肥料>
  7. 7.メロンの育て方<玉直し・収穫>
  8. 8.メロンの育て方<病害虫・トラブル>
  9. 9.メロンの種類
  10. 10.まとめ

メロンとメロン栽培の概要

出典:写真AC

メロンはインド原産といわれ、紀元前2000年ごろから中近東や北アフリカで栽培されてきました。ヨーロッパに渡り、ルネッサンスのころに甘くておいしい品種に改良が進みます。西に広がってメロンと呼ばれるようになり、東方に伝わった種類は瓜と名づけられました。日本にもマクワウリがありますね。

メロンの基本情報

名前 メロン、マクワウリ
学名 Cucumis melo
科/属名 ウリ科キュウリ属
原産地 インド辺り
収穫時期 7月~9月
分類 一年草、野菜

メロンの分類と栄養素

メロンはウリ科のつる性一年草です。園芸では野菜に分類されますが、市場や栄養学などでは果物として扱われる「果実的野菜」です。メロンにはビタミンCやカロテンのほかに、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウム、鉄などの多くのミネラルが含まれています。

メロンの特徴

Photo byjackmac34

実のなり方

メロンは雌雄同株で、同じ株に雄花と雌花(品種によっては両性花)があります。実のなり方は、側枝の第1節あたりについた雌花が受粉して肥大し、50日前後で実ります。

網目ができる理由

メロンのネット(網目)は、果肉と皮の成長スピードのズレによって生じた「かさぶた」のようなものです。果肉のなり方が早く表皮が追いつけないため、裂け目を塞ごうとする分泌物が固まって模様になります。

メロン栽培の難易度

出典:写真AC

メロン栽培は難易度がやや高めで、おいしいメロンを作るには生育段階ごとに適切な世話が必要です。作業自体はとくに難しいものではなく、つるの整枝、受粉、摘果などです。病気にも気をつけなければなりません。ノーネット系や小玉メロンは比較的育てやすいです。

メロンの栽培カレンダー

出典:筆者作成

メロンの露地栽培は、暖かくなってから始めます。植える時期が近づくとホームセンターや園芸店で苗が売り出されるため、苗から育てるのがいいでしょう。植え付けから3カ月ほどで収穫です。

メロン栽培に適した環境と土壌

メロン栽培に適した気温は、20℃~30℃です。日当たりがよく、水はけと通気性のよい土壌を好み、多湿にやや弱いです。連作障害を起こしやすいため、ウリ科の植物を4年間植えていない土が適しています。家庭菜園やプランターでも育てられ、日当たりがよくて雨を避けられるベランダはよい環境です。

ボタニ子

ボタニ子

ウリ科にはどんな野菜があるのかな?

たくさんありますよ~。スイカ、かぼちゃ、キュウリ、ゴーヤ、ズッキーニ、冬瓜などがウリ科です。

メロンの育て方<種まき・苗選び>

種まき

メロンの発芽適温は25℃~30℃です。暖かくなってから種まきし、夜間は20℃程度に保てるようにビニールでおおって、ミニトンネル状態にするなどして管理しましょう。

  1. 育苗ポットに、小玉赤玉土か種まき用培養土を入れる
  2. 土を水に湿らせてから、1ポットに種を3粒ずつまく
  3. 土をうすくかけて水やりし、発芽まで乾かさないように管理する
  4. 本葉が出たら、発育のよさそうな1本に間引く

苗の選び方

メロンの栽培が初めてなら、種からよりも元気に成長しやすい、苗から育てるのがいいでしょう。植える種類を決め、本葉4枚ほどで節の間が狭く、茎が太くてしっかりした苗を選んでください。病気にかかりにくい接ぎ木苗がおすすめです。

メロンの育て方<準備・植え方>

プランター栽培①鉢の準備

Photo byPaco

メロンは根を浅く広く張るので、10号鉢程度の大きさが適しています。複数の苗を植えるなら、1鉢に1株ずつ植えるのがいいでしょう。横長プランターを使う場合は2株植えられますが、土中で酸素を奪いあわないように1株だけ植えるほうがベターです。ここではプランター栽培と露地栽培、それぞれの準備や植え方について見ていきましょう。

プランター栽培②植え方

土は赤玉土と腐葉土、バーミキュライトを6:3:1の割合で混ぜあわせ、緩効性肥料を加えておきます。または、市販の野菜用培養土を使うと手間がかからず便利です。

植える手順

  1. 鉢底ネットを敷き、鉢底石を詰めたプランターに土を入れる
  2. 植え穴をあけて、水をたっぷりそそぐ
  3. 根鉢を崩さないで、苗が土の表面より1cmくらい高くなるように浅く植える
  4. 仮支柱を立てて結わえ、たっぷり水やりする
夜の気温が15℃を下回るときは、ビニールや不織布でおおいましょう。

プランター栽培③支柱

植え付け時または整枝のころに、支柱を数本立てて園芸ネットを張りましょう。プランターの形や置く場所によっては、トレリスを使うか、オベリスクであんどん仕立てにするのもいいですね。

プランター栽培④置く場所

プランターは日当たりと風通しのよい場所に置いてください。梅雨の時期は、雨除けできる場所に移動しましょう。ベランダ栽培も日が当たる位置に置いてください。

露地栽培①土づくり

露地(戸外)栽培には、育て方に2つの方法があります。つるを地面にはわせる地這栽培と、支柱につるを絡ませる立体(空中)栽培です。地這栽培には広い畝が必要なので、家庭菜園では立体栽培がおすすめです。

畝を作る

日当たりと排水のよい場所を選び、植え付け2週間前に、苦土石灰を散布してよく耕します。1㎡あたり150g程度が目安です。虫の幼虫などがいたら取り除きましょう。植える1週間前に、腐葉土と堆肥、緩効性肥料を施し、畝を立てます。排水をよくするために20cm程度の高畝にしましょう。

  • 地這栽培:苗1株植える場合、畝幅90cm、長さ2mが目安
  • 立体栽培:複数株植えるなら、株間を60cmあけられる長さ

マルチングをする

畝づくりのときにマルチングをします。地温を上げるだけでなく、特に地這栽培の場合は雨の泥はねから守り、病気の予防にもなります。黒地にシルバーのラインの入ったマルチシートなら、ウリハムシやアブラムシが寄ってくるのを防げるでしょう。

露地栽培②植え方

浅めに植える

  1. マルチに穴をあけ、植え穴を掘る
  2. 植え穴に水を注ぎ、水が引いてから苗を植える
  3. 植え方は、根鉢が地表より1cm高くなる程度の浅植えにする
  4. 周りの土を寄せ、仮支柱を立てて、たっぷり水やりする
夜の気温が15℃以下になりそうなときは、ホットキャップを被せてください。または、曲がる支柱でトンネルの骨を作り、ビニールをかけて保温しましょう。こちらは梅雨時には上部にだけ、ビニールを張れば雨避けになります。

支柱を立てる

空中栽培には、整枝の頃に本支柱を立ててください。スクリーン式に立てるか、残す子づるの本数にあわせて立てるか、どちらの方法でもかまいません。園芸用ネットを張ると誘引しやすくなります。

ボタニ子

ボタニ子

次のページでは、整枝や摘果の方法をご紹介!

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メロンの育て方<整枝・誘引>

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