メロンの育て方<整枝・誘引>
メロンの整枝
メロンの整枝(仕立て方)は、親づるを早めに摘心し、子づるを数本伸ばします。孫づるに咲いた雌花に着果させて、最適の実のなり方にする方法です。
主枝のことを親づると呼んでいます。親づると葉っぱの間の脇芽が伸びたものが、子づるです!
孫づるは、子づるの脇芽が伸びたつるだね!
親づるの摘心方法と時期
整枝の方法は、親づるの葉が6~7枚ついた時期に、5枚ほどの位置で摘心します(図①)。それぞれの脇芽を伸ばして、勢いのいい2本のつるを残し、それ以外の子づるは摘み取りましょう。残す子づるの数は目安です。
- ベランダのプランター栽培:スペースに限りがあれば子づる1本
- 地這栽培:畝が広ければ子づる3本
- 小玉メロン:残す子づるは2~4本
子づるの脇芽かき
子づるの葉の9枚目くらいまでの脇芽は摘み取ります(図Bの点線内)。10~20枚目くらいまでは脇芽を摘まず、それ以降は繁り過ぎたら摘心しましょう。
孫づるの摘心
子づるの葉っぱ10~15枚目から伸びた孫づるに雌花が咲いたら、すべて受粉します(図B)。受粉後は、花の先に葉っぱ1~2枚残して、孫づるの先を摘心しましょう(図②)。
それぞれの葉っぱの数は目安です。品種や苗の成長具合によって調節してくださいね。
誘引の方法
子づるが重ならないように誘引しましょう。立体栽培では、子づるはそれぞれ別の支柱に誘引します。地這栽培では、子づる2本ならVの字に、3本なら3列にするか、1つを逆方向に伸ばしてYの形にするなど、畝の広さにあわせて広げてください。
メロンの育て方<受粉・摘果>
育て方<受粉>
雄花と雌花の見分け方
雄花と雌花の見分け方は、子房のあるなしです。雌花は花びらの下が小さく膨らんでいます。受粉するとメロンの果実になる部分です。雄花のほうが数が多くて子づるにつきやすく、雌花は孫づるにつく傾向があります。
受粉の時期と方法
受粉は晴れた日の朝、できれば午前9時ごろまでに行いましょう。花粉が出ている雄しべを摘み取り、花びらを破いて雄しべだけにして、雌花の雌しべにそっと撫でつけます。受粉日を油彩ペンでラベルに書き、花の近くの支柱にくくりつけておくと、収穫の時期と見分け方の目安になります。
育て方<摘果>
摘果の時期
受粉から1週間~10日目のピンポン玉くらいの大きさのときに、収穫する果実を選び、それ以外を摘果します。残す実の数は、ネットメロンは1つるに1~2個、ノーネットや小玉メロンは、1つるに2~4個が目安です。
摘果の方法
株元に近い実と遠すぎる実は、おいしい実になりにくいので摘み取ります。10節以降の真ん中あたり(整枝の項目の図Aを参照)の実を残しましょう。球形よりも楕円形のほうが、最終的に形のよい果実になります。
メロンの育て方<水やり・肥料>
水やり
水やりは、基本的には土の表面が乾いたらしますが、生育過程で少し水やりの量を調節したほうがおいしく、網目のきれいなメロンが収穫できます。
水やりの時期 | 水やりの量 |
---|---|
植え付け時 | たっぷり水やり |
定着時 | 根を張らせるために少し控え目の水やり |
着果のころ | 多めに水やり |
実が大きくなったころ | 普通の水やり |
収穫が近づいたころ | 徐々に水やりの量を少なめにする (糖度を上げるため) |
肥料と追肥
適した肥料
肥料は、窒素・リン酸・カリの割合が同等か、リン酸がやや多めに配合されている肥料が適しています。窒素分が多いと葉が茂り過ぎて風通しが悪くなり、病気が発生しやすくなります。メロンやスイカなどウリ科野菜用の配合肥料が市販されているので、それを使うのもいいでしょう。
追肥の時期
肥料の与えすぎには気をつけましょう。露地栽培は、基本的に追肥しなくても十分ですが、生育状態を見て必要なら追肥します。葉の色がうすいのは肥料不足の可能性があり、そのときは追肥しましょう。鉢植えでは、果実がピンポン玉くらいの大きさになった頃に追肥してください。
メロンの育て方<玉直し・収穫>
玉直しの方法
メロンの大きさが、受粉後2週間ほど経ってリンゴ大になった時期に、玉直し(玉吊り)をします。玉直しは、メロンをムラのないよい形にするための作業です。立体栽培では、ナイロン紐などをヘタと孫づるの間に通して支柱にくくりつけます。キッチンネットなどを使う場合は、メロンを中に入れて吊りましょう。地這栽培では、メロンにフルーツマットを敷きます。
フルーツマットの替わりによく洗った食品トレーを使ってもいいですよ。
収穫
収穫の時期
メロンが熟すまでの日数は、ネットメロンは受粉から55日前後、プリンスメロンなどのノーネット系は45日~50日ほどかかります(品種ごとの日数は、種袋や苗のラベルに表記されています)。
収穫できる果実の見分け方
収穫できる果実は、周辺の葉と玉の上部のヘタ、底の様子で判断します。葉は、マグネシウムが果実にいきわたると黄色く枯れ始めます。ヘタが硬くすぐ取れそうな状態(離層)になり、底にヒビが入りかけたら収穫のサインです。
収穫後の追熟
メロンは収穫後、1週間ほど追熟させると甘くなります。常温で追熟させましょう。ヘタが少し下向きになってきます。食べる数時間前に冷蔵庫に入れて冷やしてください。
ボタニ子
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出典:筆者作成