納豆菌とは?気になるその働き・役割や納豆菌が含まれる食品もご紹介!

納豆菌とは?気になるその働き・役割や納豆菌が含まれる食品もご紹介!

納豆菌は、蒸した大豆を発酵させて納豆にする働きをもちます。納豆菌にはさまざまな役割があり、健康を保つのに重要です。今回は、納豆菌のもつ働きや効果について紹介します。あわせて納豆菌を含む食品もチェックしましょう。ぜひ日々の生活に取り入れてくださいね。

記事の目次

  1. 1.納豆菌とは
  2. 2.納豆菌の特徴
  3. 3.納豆菌の働き
  4. 4.納豆菌が含まれる食品
  5. 5.納豆菌の種類
  6. 6.まとめ

納豆菌とは

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納豆菌は枯草菌の一種で、納豆を作るときに使われる菌です。稲のワラに多く生息しており、ワラ1本に約1000万個の納豆菌が芽胞の状態でくっついています。よく蒸した大豆に少量の納豆菌をふりかけて保温して置いておくと発酵が進み、納豆ができあがります。

基本情報

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分類 細菌
バラシス目
バラシス科
バラシス属
枯草菌
学名 Bacillus subtilis var. natto

納豆菌の歴史

出典:写真AC

明治時代に納豆ができる仕組みは解明されましたが、明治時代以前も納豆は食べられていました。納豆の作り方は大豆をワラに包み、糸を引くまで保温する方法でした。ワラに付いていた納豆菌が大豆を発酵させていたのです。しかし、この方法は雑菌も同時に繁殖してしまうため、衛生的ではありません。その後、明治時代中頃より研究が進められ、大正時代には納豆菌の純粋培養に成功し、製造法が確立されました。

納豆の名前の由来

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納豆の名前の由来には2つの説があります。1つめは、納所と呼ばれる寺の台所で作られたことに由来する説です。肉食が禁止されていた僧侶にとって、納豆は貴重なたんぱく源です。納所で大豆を原料として作られるため、納豆と名付けられました。2つめは、煮豆を神棚に供えたところ、しめ縄に付着していた納豆菌によって納豆になったことに由来する説です。神に納めた大豆から、納豆と名付けられました。

納豆菌の特徴

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納豆菌にはほかの菌にない独特の特徴があり、それが健康を支えるうえで大きく役に立っています。納豆菌の働きを知る前に、納豆菌がどのような特徴をもつのかおさえておきましょう。

糸引き

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納豆菌の大きな特徴は、ねばねばとした「糸引き」です。この糸引きの正式名称は「ムチン」です。糸引きは、納豆菌がたんぱく質を分解したときにできるγ-ポリグルタミン酸と、糖の一種であるフラクタンが絡みあってできています。γ-ポリグルタミン酸は昆布などにも含まれる旨味成分で、納豆のおいしさを支えています。一方のフラクタンの役割は糸引きを安定させることで、フラクタン自体に味はありません。

におい

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納豆は特有のにおいを放ち、人によって好みが分かれる食品です。納豆のにおいは、大豆に由来する揮発成分、大豆を蒸すことで発生する揮発成分、納豆菌がたんぱく質を分解したときに発生する揮発成分が混ざりあってできています。特に、納豆菌がたんぱく質を分解するときは、アンモニア臭や有機酸が一緒に発生します。そのため、納豆特有のにおいが生まれるのです。

熱に強い

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納豆菌は一度過ごしやすい環境が失われると、子孫を残そうと胞子を形成します。この胞子は熱に強いという特徴をもち、100℃で30分加熱殺菌しても生き残るのです。また-100℃でも生き延びるほど低温に強いだけでなく、酸やアルカリにも強いという特徴をもちます。このように、納豆菌は胞子を形成することで、過酷な環境にも耐えうる強い菌です。

生きて腸に届く

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乳酸菌など腸にいい細菌は胃酸に弱く、胃を通り過ぎて腸まで届くことが難しいです。しかし、納豆菌は胃酸に耐性をもつため、生きたまま腸まで届きます。腸に届いた納豆菌は乳酸菌などの腸内細菌のエサとなり、腸内環境を間接的に整える役割を果たします。

納豆菌の働き

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発酵食品は健康にいいといわれるように、納豆菌も健康増進に役立つ働きをします。納豆菌がもつ性質を知って、日々の食事に取り入れてみましょう。

血液をさらさらにする

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納豆菌には、血栓を溶かして血液をさらさらにする働きがあるとされます。納豆には、大豆が発酵するときに発生する納豆菌由来の「ナットウキナーゼ」という特有の酵素が含まれます。ナットウキナーゼの特徴は血栓を溶かすことと、ほかの血栓溶解酵素を活性化することです。これらの性質はナットウキナーゼ特有のもので、血液がさらさらになることで血流が改善され、血圧を下げる効果が期待できます。

整腸作用

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納豆菌は胃酸に耐性をもつため、生きたまま腸に届きます。腸に届いた納豆菌は、乳酸菌などのエサになることで、整腸作用を助長するとされています。乳酸菌以外の善玉菌も活性化させ、さらには悪玉菌を抑制する役割も担うのです。結果として腸内細菌が活発に働き、下痢や腸炎の予防だけでなく、便通もよくなり、ダイエットにもつながるといわれています。

生活習慣病を予防して骨を形成する

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納豆菌はビタミンK2を多く精製します。ビタミンK2は、動脈硬化や心臓病といった生活習慣病を予防するといわれています。さらには、骨髄でオステオカルシンという酵素を活性化し、骨の形成を促進するのです。そのため、骨粗しょう症の予防に効果が期待できます。

骨を形成するタンパク質「オステオカルシン」の活性化や、動脈へのカルシウムの沈着を阻害して動脈硬化や心臓病を予防するタンパク質「マトリックスGlaタンパク」の活性化など、非常に重要な働きをしていることが明らかとなり、健康な生活を送る上で不可欠の栄養素です。

納豆菌が含まれる食品

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納豆菌が含まれる食品は増えています。当然納豆に納豆菌はたくさん含まれていますが、近年では納豆以外にも納豆菌が含まれる食品がたくさん開発されています。納豆菌が含まれる食品を知ることで、納豆が嫌いな人でも納豆菌の恩恵を受けられるでしょう。

納豆

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納豆菌はその名のとおり、納豆の中にたくさん含まれています。市販の納豆には1gの中に約10億匹の納豆菌が含まれています。栄養価も豊富で、近年では健康食品として注目を集めています。

ナッツ

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近年では、納豆以外にも納豆菌を含む食品が開発されています。例えば、納豆と同じ豆類であるナッツに、納豆菌をパウダー状にしてふりかけた食品が開発されています。ナッツも納豆と同じく、健康食品として有名です。ナッツに期待されるアンチエイジング・ダイエット効果に納豆菌の働きが加わる、健康志向の非常に高い食品です。

チョコレート

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ナッツだけにとどまらず、納豆菌が入ったチョコレートも存在します。ミルクチョコレートの中に納豆菌を添加しており、板チョコタイプと一口タイプがあります。チョコレートであれば、納豆が苦手な人でも、気にせず納豆菌を摂取できます。

納豆菌の種類

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一言で納豆菌といっても、非常に多くの種類が存在します。種類によってにおいや糸引き、味が異なり、まだ発見されていない納豆菌も無数にいるといわれているのです。日本で代表的な納豆菌は宮城野菌、成瀬菌、高橋菌の3種類で、これらは日本三大納豆菌と呼ばれています。

①宮城野菌

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宮城野菌は、日本全国で多く使われている納豆菌です。大正9年創業の宮城野納豆製造所によって開発された納豆菌で、においが少なく、さらっとした納豆ができることが特徴です。長い歴史を誇る納豆菌であるため日本人にとって馴染み深く、昔ながらの素朴な味と香りが楽しめます。

②成瀬菌

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成瀬菌は、昭和21年創業の成瀬醗酵化学研究所の納豆菌で、日本三大納豆菌の中では扱いやすい納豆菌です。比較的においが少ない納豆ができることが特徴です。納豆のにおいが気になる方は、成瀬菌で作られた納豆を試してみましょう。どの納豆菌を使っているかは、メーカーのホームページなどで確認できます。

③高橋菌

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昭和10年創立の高橋祐蔵研究所によって開発された納豆菌です。高橋菌の特徴は、糸引きが少ないものの旨味がある納豆ができることです。旨味の強い納豆が好きな方は、高橋菌を購入して自分で納豆を作ってみるのもいいでしょう。

まとめ

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納豆は昔から日本人に馴染みのある発酵食品です。納豆を作る納豆菌にはさまざまな働き・役割があり、健康維持に大きく貢献します。日々の食卓に取り入れることで健康増進に大きな効果が期待できます。1日1食、納豆を食べることを始めてみてはいかがでしょうか。

藤本一志
ライター

藤本一志

米農家です。果樹、野菜も多少経験しています。現場から学んだことをお伝えします!

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