大豆ミートとは
大豆ミートとは大豆を材料に作られた乾燥加工食品です。大豆の成分を100%使用して作るので、高タンパク・低カロリーで健康を気づかう人から注目が集まっています。もともと大豆ミートは菜食主義の人たちの肉の代替食でしたが、大豆特有成分イソフラボンの発見や健康ブームが後押しし、ダイエットや美容に興味がある人からも支持を集めるようになりました。
大豆ミートの定義
大豆ミートの定義は「大豆を圧搾し押し固めて加工した食品」です。定義では大豆を原料とするものとなっていますが、つなぎとしてグルテンがはいっていたり、エンドウマメなど別の豆をミックスしたりして作られているものもあります。主原料は大豆であるとおさえておきましょう。
大豆ミートは形状もさまざま
大豆を主原料として加工・乾燥して作られたものが大豆ミートの定義ですが、形状はバリエーション豊かです。小さな粒状のミンチタイプ、平べったくスライスしたバラ肉タイプ、から揚げに使いやすいブロックタイプなど料理の用途にあわせて豊富な形状の中から選べます。
大豆ミートの栄養・カロリー
原料の100%が大豆の場合、大豆ミート70~80gが丸大豆100g分です。大豆を絞って作る豆腐などは大豆の栄養がロスされてしまいますが、大豆ミートは栄養を余すことなくとれます。低カロリー、高タンパク以外にも栄養豊富です。
カロリーとタンパク質量
大豆ミートは低カロリー・高タンパク質
大豆ミートは圧搾の工程で脂質がカットされているため、100gあたり約110kcalと低カロリーです。上のグラフによると、それぞれ100gあたり牛肉は約400kcal、豚バラ肉は約390kcal、鶏もも肉は約200kcalです。牛肉と鳥バラ肉のカロリーは大豆ミートのほぼ倍もあります(グラフ青棒)。一方、100gあたりのタンパク質量でみると、大豆ミートはほかの肉類と遜色ありません(グラフ赤棒)。
栄養①鉄分
大豆ミートは鉄分も豊富に含みます。大豆100gあたりに含まれる鉄分は9mgで、1日に推奨される鉄分摂取量は男性7.0mg、月経のある女性は10.5mgなので大豆ミートを使えばかなりの鉄分量が補えるでしょう。一方、牛肉は部位にもよりますが100gあたり1.4~2.6mgほどです。
栄養②イソフラボン
イソフラボンは、女性ホルモン「エストロゲン」と似た構造と働きをすることが徐々に明らかになりつつある、大豆特有の成分です。更年期に差し掛かると減少するといわれているエストロゲンですが、生活リズムの乱れや過剰なダイエットによっても減少します。イソフラボンは美肌や骨粗しょう症にも効果があるといわれており、女性の健康に欠かせない成分でしょう。
イソフラボンの1日推奨量は40~50mg
現代女性の健康に欠かせない成分であるイソフラボンの1日の推奨量は40~50mgですが、平均摂取量は18mgといわれています。大豆ミート100gあたりのイソフラボンは50mgでおからの約5倍です。少し大豆ミートを取り入れれば推奨量に届くでしょう。ただし、イソフラボンの過剰摂取は健康被害をもたらすともいわれています。どのような食べ物もバランスよく安全な範囲で味わいましょう。
栄養③食物繊維
大豆ミートは食物繊維も豊富です。大豆ミート100gあたり約5.3gの食物繊維が含まれており、キャベツの約3倍に相当します。1日の食物繊維推奨摂取量男性20g、女性18gに対し、平均摂取量は約15gです。大豆ミートを取り入れれば不足している食物繊維を補えるでしょう。
食物繊維はコレステロールを下げる
食物繊維は消化器官にある脂質を絡めとり、体外へ排出する働きをもちます。脂質は身体を健やかに保つために必要な栄養素ですが、現代の食生活では過剰になりがちです。過剰な脂質はやがてコレステロール増加につながるといわれているため、食物繊維は健康的な食生活を送るのに欠かせない成分でしょう。
ボタニ子
大豆ミートって乾燥していてカサカサで、どんな風に調理するのかよくわかりません。
ボタ爺
調理の仕方は慣れてしまえば簡単じゃよ!肉のように包丁で切り分ける必要もないしの。
大豆ミートのおいしい使い方・食べ方
大豆ミートの基本的な使い方
どのような料理に使うとしても、乾燥している大豆ミートを戻す調理工程が必要です。たっぷりの湯を沸かした鍋に乾燥した大豆ミートを入れ、弱火で5~10分茹でてから、水洗いし水気をよく絞ります。そのあとは通常の肉と同じように料理に使いましょう。しっかり水で洗うことで大豆独特の匂いが減ります。その後水気をよく絞ると少量の調味料で味付けができ、塩分量も少なくてすみますよ。
使い方のポイント①グラグラ煮るのはNG
大豆ミートを戻す際のポイントは、グラグラと煮ないことです。とくに原料が大豆100%の大豆ミートの場合は、つなぎなどが入っていないため鍋でばらけやすいという特徴があります。大豆ミートを戻すときは、弱火にかけることを心がけましょう。
使い方のポイント②使用量
大豆ミートは湯で戻すと乾燥した状態の約3倍になります。肉の代わりに大豆ミートを使うなら、使いたい肉の量と同じになるように戻すとよいでしょう。例えば、肉が150g欲しいのであれば50gの乾燥大豆ミートを戻すと150gの大豆ミートができます。
使い方のポイント③味付け
定番タイプの乾燥大豆ミートは、基本的に味付けされておらず塩分も含まれていません。いつもの料理と同じ感覚で味付けします。ただし、湯で戻したときにしっかりと水分を切っておかないと味が薄くなってしまうので注意しましょう。
画像出典:著者作成