大豆の概要と品種
大豆の概要
日本での大豆の歴史
大豆はマメ科の一年草です。原産地ははっきりとはわからずアジア全般と諸説あるようです。日本には弥生時代に朝鮮半島を経由し、大陸からはいったといわれています。奈良時代に中国から、仏教とともに味噌や醤油などの加工法が伝えられましたが、その頃は貴族など時別な人々のものだったようです。一般的に作物として広まったのは鎌倉時代です。
大豆の加工と国内生産量
大豆は「畑の肉」ともいわれタンパク質が多く含まれています。また保存性が高くその加工方法も多岐にわたります。代表的な加工は豆乳を絞って作る豆腐、油脂を多く含むことから大豆油、その搾りかすが醤油に加工されます。また、発酵させることにより味噌を作るなど、日常的に口にする事が多い食品に加工されています。国内自給率は7%。食用に限ると25%で国産大豆の半分が豆腐に加工されています。(国産の大豆はしっかりと選ばなければ食べられないようですね。)
大豆の品種
代表的な栽培品種
大豆は登録されている品種だけでも100を超え、登録の無い各地の品種を含めると500とも言われています。大豆の若枝を収穫し茹でたものが「えだまめ」です。中でも山形の「だだ茶豆」、新潟の「黒崎茶豆」などが有名です。正月に欠かせない黒豆も大豆の一種で「丹波黒大豆」が有名品種としてあげられます。豆腐加工で作付け面積が多いものは「ふくゆたか」「ゆきほまれ」、納豆だと「スズマル」「納豆小粒」などがあります。スーパーなどの売り場で見かけた品種もちらほらありますね。
家庭菜園向きの栽培品種は?
上記に挙げた品種はJAなどの農業団体で栽培が推奨され各地でブランド化された品種です。既述のとおり、大豆にはかなりの品種があります。家庭菜園で栽培する場合は、枝豆もしくは煮豆に使うような品種を選ぶのがよいと思います。家庭菜園向きの品種と明記されている場合もありますので、名前にこだわらず用途に合わせて選定しましょう。
どうやって選べばいい?
大豆はプランター栽培も十分可能で、家庭菜園で小学生で育てられる簡単な育て方の作物ではありますが、その中でも枝豆で収穫する場合は、生育期間が「75日~80日」の早生品種を選ぶと育ちが早く気軽に栽培ができるのではないでしょうか。大豆で収穫する場合は大豆用の品種を選びましょう。育て方は変わりませんが、若干種まきの時期が遅くなるので種の説明を確認しましょう。若どりすれば家庭菜園で枝豆としても楽しめます。
栽培品種選定の裏技
大豆には未登録の品種が多くあります。それは農家のかたが収穫後種を取り栽培し続けてきた品種です。収穫後の大豆は乾燥し来年の種として利用できますので、自然に交配し各地方に合った形に育っています。大豆収穫の時期に地元農家さんに分けていただくと、その土地に合った大豆を手に入れることができます。独自の大豆の育て方や肥料のアドバイスなども聞けるかもしれませんね。
大豆のプランター栽培に必要な資材
何が必要?
プランター栽培に最低限必要なもの
プランター、培養土、ジョウロ。です。プランターは家庭菜園用の幅のあるものが好ましいです。15センチ間隔で植えますので植え付けに必要な数用意しましょう。土は市販の培養土(花と野菜の土など)で良いでしょう。肥料は不要です。ジョウロは水やり用です。ほかの水やり設備があれば必要ありません。最低限これがあれば家庭菜園で大豆栽培はできます。
種をまく場合
プランターに直接種をまくと、植え替え時の根の痛みを防げるのでおすすめです。しかし豆が大好きな動物は都会のベランダにもやってます。ハトやカラスなど。せっかく播いた種や新芽をほじくってしまう。ネズミがかじってしまうなどです。場合によって防鳥ネットなどで保護する必要あります。
発芽までなら
種まき直後のみであれば濡らした新聞紙をかけておくのもおすすめです。芽が出た後は早々にはがさないと、「もやし」になってしまいますので、種まき後3日程たったら発芽は毎日確認しましょう。朝夕の冷え込みがきついようであれば不織布などをかけ保温してあげてください。
便利な種もあります
害獣の予防のために、害獣が食べるとおいしくない味がつけてある薬剤が添付してある種もあります。万が一鳥などが食べても、次の被害に合いにくいという商品のようです。色も毒々しい色が多いですが、決して毒というわけではないようですので、こういった商品を活用してみるという方法もあります。
苗を植える場合
苗を植える場合、移植ごてがあれば便利ですが、柔らかい培養土であれば手で植えることも十分可能です。
大豆のプランター栽培に必要なもの
- プランター
- 培養土
- ジョウロ
- 鳥よけネット (種まき数る場合)
- 防虫ネット (必要に応じて)
土づくりは?肥料は必要?
市販の培養土を使う場合は
肥料の追加土づくりは必要ありません。なぜ肥料が要らないかというと、大豆は窒素肥料分を根に貯めることができます。窒素肥料分のおおい土壌では「つるぼけ」といって葉ばかりが茂り実のならない現象がおこりますので肥料は与えないようにしましょう。
土を再利用する場合
家庭で花や野菜を育てている方は、土の再利用をされることも多いかと思います。大豆栽培でも利用可能ですので、簡単に土の再利用の方法を紹介します。
【土の再利用の仕方】
ブルーシートなどに広げ、ゴミや虫などを取り除き日に当てて殺菌消毒しましょう。広い場所が取れない場合は、黒いごみ袋に入れ、日に当てても温度が上がり殺菌できます。必要に応じて、土の再生材などで、ふんわりとした土に戻しましょう。何度か作物を育てた土には、肥料として緩効性の化成肥料を少なめに施しても良いでしょう。さらに、石灰をまぜ1週間ほど土を落ち着かせましょう。お菓子などの乾燥材の石灰として利用することができます。再利用するときは「連作障害」に注意し、同じマメ科の植物の後には植えないようにしましょう。
病害虫予防のために
大豆はカメムシやアブラムシが付きやすい作物です。害虫の被害を防ぐには防除ネットが有効です。アブラムシだけであれば、薄めた石鹸水や牛乳を霧吹きで直接散布する方法がおすすめです。(子供、小学生と育てる場合、家庭菜園ではできれば農薬はつかいたくありませんよね。)病気は土壌由来のものが多いため、プランター栽培ではあまり注意せずに育てることができます。
大豆の土づくり
- 市販の培養土には施肥不要
- 土の再利用は殺菌と石灰
- マメ科の植物を続けて植えない
出典:写真AC