キャベツの黒い斑点が発生する原因
キャベツの黒い斑点が発生する原因は、細胞に壊死よるものです。キャベツの形が結球状のため、内側の空いている隙間に水滴が入ります。寒いとこの水滴が凍結し急速に溶けると同時に、細胞も死んでしまい黒い点になります。また、黒い点には「外葉壊死症状」と「内部黒変症状」と2種類の症状があります。
外葉壊死症状の原因
外葉壊死症状は凍害が原因です。冬場に収穫されるキャベツは、外側の葉が壊死してしまいます。これは、水滴が外側の葉につき、寒さで水滴から氷滴となり、寒さで細胞が死んでしまうからです。
内部黒変症状の原因
内部黒変症状は原因がはっきりとはしていませんが、外葉壊死症状と同じ凍害と考えられています。キャベツの内側の中心部分が凍り、急速に溶ける冷凍焼けです。キャベツの内側の中心近くに黒い点があらわれ、春キャベツにみられる症状です。
黒い斑点の原因
- 黒い斑点が発生する原因は細胞の壊死
- 外葉壊死症状は冬キャベツ、内部黒変症状は春キャベツにみられる現象
キャベツの黒い斑点を防ぐ保存方法
キャベツの黒い斑点を防ぐ方法は、難しい課題です。とくに、はっきりとした原因が分からない内部黒変症状では対策が見つかっていません。できるだけ黒い斑点を防ぐために、新鮮な状態を保つような保存方法をとるのが効果的といえるでしょう。上手に保存すれば、カビやぬめりも防げます。
丸ごとキャベツの保存方法
キャベツの最適温度は0~5℃です。冷蔵庫は野菜室ではなく冷蔵室が適しています。丸ごと保存するときは、乾燥を防ぐためスーパーのビニール袋などに入れます。キャベツが呼吸できるように、袋の口を緩く閉め冷蔵庫に入れましょう。使うときは、外側の葉を使う分だけ1枚ずつはがします。
芯を下に向けて保存
キャベツは芯を下に向けて冷蔵庫に保存します。野菜は育った環境に似た状態で保存すると、鮮度が長持ちするからです。季節により異なりますが、賞味期限は2週間を目安にしましょう。
芯をくりぬいて保存
キャベツを丸ごと保存するときは、芯取りをします。芯を取り除くことで、傷みや乾燥を防げるからです。芯を取り除いたら、その部分に水で濡らしたキッチンペーパーを詰めます。葉の水分が保たれるため、みずみずしい状態のまま保存することが可能です。こまめにキッチンペーパーを替えると、賞味期限が1カ月ほど保たれます。
芯につまようじを挿して保存
キャベツの芯の部分に、つまようじを3本挿すとキャベツの成長が止まります。三角形を描くイメージです。つまようじを挿したままで、ビニール袋などに入れて冷蔵庫で保存しましょう。賞味期限は2週間ほどです。
カットキャベツの場合
カットしたキャベツは断面に湿らせたキッチンペーパーを被せたら、ラップで全体を包み冷蔵庫で保存します。切断面から水分が蒸発すると変色し、そこから傷んでくるからです。賞味期限は1週間ほどですが、なるべく早く使いきりましょう。
ざく切りキャベツの場合
ざく切りや千切りの状態で保存する場合は、レモンか酢を少し混ぜるか、保存容器に入れて水に浸し冷蔵庫に入れます。2日~3日持ちますが、早めに食べましょう。また、冷凍保存すると2週間~1ヵ月持ちます。水気をしっかり切り保存袋に入れ、空気を抜いて冷凍庫に入れましょう。
黒ずみを防ぐキャベツの保存方法
- 丸ごとキャベツは芯をくりぬくか、芯につまようじを挿す
- カットしたキャベツは湿らせたキッチンペーパーを被し、ラップをかけて冷蔵庫に保存
- ざく切りや千切りキャベツは、レモンか酢を少し混ぜるか、水に浸し冷蔵庫へ
新鮮で美味しいキャベツの選び方
美味しいキャベツの見分け方は、品種によって異なります。カットキャベツを選ぶときは、新鮮な丸ごとキャベツの特徴を意識しましょう。また、鮮度が落ちたキャベツの特徴を知ると、新鮮なキャベツを選びやすくなります。
春キャベツと夏キャベツの場合
春キャベツと夏キャベツは、葉の緑色が濃く鮮やかでツヤのあるものを選びます。また、春キャベツの場合、外側の葉の巻き加減がゆったりとし、きれいな丸い形のものを選びましょう。さらに重量が軽く、感触はソフトで弾力があるものがおすすめです。
冬キャベツの場合
美味しい冬キャベツは手に持つと、大きさに関係なくずっしりとした重さがあります。サイズが小さくても、内側の葉が密で、しっかり固く巻かれているからです。また、形状は、きれいな楕円形のものを選びましょう。
カットキャベツの場合
カットキャベツは、葉がツヤと張りのある鮮やかな緑色で、切り口が白いものを選びましょう。また、断面から芯の長さが、全体の大きさに対し2/3程度のものが新鮮です。芯の長さが、それ以上の長さは収穫が遅れたもので、葉が筋張った繊維で硬く苦味があるので避けましょう。
鮮度が落ちたキャベツの特徴
外葉の状態
外葉の色が白っぽいキャベツは、収穫から時間が経っています。虫にくわれていたり、傷んでいたりするので避けましょう。また、外側の葉が取り除かれているキャベツも注意が必要です。鮮度が落ちると、葉がしなびれ、色があせるため外側の葉をはずし売られています。
芯の状態
キャベツの芯は、傷みやすい部分です。そのため、芯を見れば、キャベツの鮮度や状態が分かります。芯の切り口が変色し傷があり、干からびているキャベツは避けましょう。また、芯の直径の大きさが500円玉よりも大きい場合は、育ちすぎのため葉が硬いです。カットキャベツは、鮮度が落ちると断面の芯の部分がふくらんできます。
美味しいキャベツの見分け方
- 新鮮な春キャベツと夏キャベツは、葉が濃い緑色でツヤがある
- 美味しい春キャベツは、触ると軽く弾力がある
- 美味しい冬キャベツは、ずっしり重い
- 新鮮なカットキャベツは、芯の長さが全体の2/3程度
キャベツの黒い斑点の正体を覚えておこう!
キャベツの黒い斑点や葉先の黒ずみは、カビと間違われやすいですが、その正体はポリフェノールです。ポリフェノールなので食べても大丈夫です。細胞の壊死により黒い斑点が発生しますが、まだはっきりとした原因は分かっていません。黒い斑点を防ぐためにも正しく保存し、新鮮な状態を長く保ちましょう。
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