ハオルチアの種類図鑑【硬葉系】㊵~㊿
㊵十二の爪
十二の爪は硬葉系のハオルチアのなかでも代表的な存在の多肉植物です。先が尖った葉はゆるく内側にカーブを描いて展開し、白い点状模様がつながってストライプに見え、ざらざらとした感触がします。十二の爪の選び方は、葉にハリがありしわがなく葉やけして赤や茶色に変色していないものです。
㊶十二の巻
十二の巻は古くから愛されているハオルチアで、濃い緑色に鮮やかに入る白い模様が美しく人気が高いです。内側に向かって葉が展開する十二の爪と異なり、外に向かって展開します。よく普及しているため花屋の店頭でも見かけられる品種で、葉裏の白い模様は触るとざらざらします。
㊷十二単衣(じゅうにひとえ)
十二単衣は葉裏に白い点模様があり、繋がってストライプに見える部分もあります。葉の先は尖っており、成長すると赤い色に染まる個体も少なくありません。十二単衣の葉はゆるく内側にカーブを描いて展開し、厚みがあるのが特徴です。高額ではありませんが、珍しいためレア度高めのハオルチアです。
㊸皇帝
皇帝は葉裏の白い模様が、砂糖菓子のアイシングのように不規則に広がるのが特徴です。葉の色はマットな深い緑色で、白い模様がつながってざらざらしている部分や、点模様のままの部分があります。レア種のため、成長して大きくなると高額で取引されることもあります。
㊹天使の泪
天使の泪は、葉裏に大きな水玉模様があったり、それがつながって縦模様になったりしているのが特徴です。天使の泪は日本で交配されたハイブリッド種で、高額で取引される代表作のような品種です。天使の泪の選び方は、模様がはっきりしていて葉に厚みがあるものがよいでしょう。
㊺鬼瓦(おにがわら)
二グラとコエルの交配種である鬼瓦はワニの背中のような模様で小さい突起が多くあるため、葉の表面、葉裏ともにざらざらした感触です。葉の形は二等辺三角形のようで先が鋭く尖っており、らせん状に展開します。鬼瓦の葉は深く青みがかった渋い緑色で、赤味が差す個体もあります。
㊻黒蜥蜴(くろとかげ)
黒蜥蜴は葉裏に楕円形の点状の模様が、ウロコのようにあらわれるのが特徴です。葉は大きく開らかず重なるように展開し、上へ向かって成長します。群生して長くなると、倒れて横になりさらに長く成長します。黒蜥蜴という名前ですが、真っ黒というよりは暗い赤い色になる個体が多いです。
㊼竜鱗(りゅうりん)
竜鱗は三角形の葉が外側に向かって反り、らせん状に展開します。葉がよく給水したときには、ふっくらとした厚みを持つのが特徴です。葉裏にはざらざらとした突起があり、葉の縁はトゲ状になっています。葉の表面には鋭い葉先にむかって淡い緑色の直線がはしり、その中に四角形の模様があります。
㊽小人の座
小人の座は小型でよく子株を出して増えるため、群生するタイプのハオルチアです。葉は短めで、縁には小さなのこぎり状のトゲがあります。斑や白点などの模様はなく鮮やかな明るい緑色をしています。季節や日の当て方によっては変色したり、透明度が高くなったりと個体差がでます。
㊾青嵐(せいらん)
青嵐はマットな青みがかった緑色をした葉で、わずかに縁にトゲ状のものがあります。葉には斑や白い点のような模様はなく、ざらざらとした感触です。株は広がらずにまっすぐ上へ向かって展開します。葉先が剣のような形をしていて鋭いため、指を刺すと痛く感じる場合もあります。
㊿幻の塔
幻の塔は五重の塔の白斑種で、マットで明るい青みがかった緑に白い斑がストライプ状に入るハオルチアです。幻と名前につくように、珍しいレア度高めの多肉植物です。葉はゆるく回転しながら塔のように上へ伸び、葉先は尖っています。斑が黄色い種類もあり、象牙の塔と呼ばれています。
好みのハオルチアを育ててみよう
ハオルチアは太陽光の当て方によって、ピンクや紫、黒などと色が濃くなる傾向があります。しかし、直射日光が苦手な個体も多く葉焼けすることもあるため、好みのハオルチアの特性をよく知っておくとよいでしょう。多肉植物は花を咲かせて交配することも可能なので、好みの種類をかけ合わせて新しい品種を作ってみるのも楽しいですね。