ジューンベリーの育て方！栽培に適切な時期や管理のポイントを解説 | 植物図鑑

ジューンベリーは1年中楽しむことができる樹木です。4月には小さな白い花、花後には新緑、6月には赤い実が熟します。この実が甘酸っぱくてとてもおいしいのです。そして秋には紅葉が楽しめ、落葉していきます。寒さ暑さに強く、害虫や病気の被害にもあいにくいので庭のシンボルツリーとしても人気です。

正式名称はアメリカザイフリボクですが、6月（June）に赤い果実が熟すため、ジューンベリー（June Berry）とよばれています。

ジューンベリーにはたくさん種類がありますが、代表となる品種は「ラマルキー」「ロビンヒル」「バレリーナ」の3品種です。それぞれ花色、樹高、実のなり方などに違いがあります。

ラマルキーはジューンベリの一番出回っている品種です。花数が多く、その結果、実の数も多くなります。ジューンベリーの花や実を楽しみたい場合はこちらの品種がおすすめです。

ロビンヒルの特徴は花がうっすらと紅色がかかっている点です。（ほとんどのジューンベリーの花は白色）つぼみの頃が一番紅色が濃く、開花が進むにつれて白くなっていきます。

バレリーナの特徴は樹高が低く（1m台）、実の大きさが大きいことです。実が大きいため、実の収穫量は少なくなります。大きく育たないため鉢植えで育てたい方におすすめです。

苗の植え付け時期は落葉期の11月〜3月初旬ですが、寒冷地では土が凍結するため3月に入ってからがよいでしょう。また種まきは、実から種を取り出してすぐにまくとよいですが、冷蔵庫で休眠させて秋にまいてもよいです。いずれも春に芽を出します。

ジューンベリーは種から育てることができます。ただし結実までは2〜3年かかります。ジューンベリーは苗木がたくさん出回っていますので、苗木から育てる方が手軽でしょう。大きく育てるには年数がかかりますので、庭木として楽しむには、ある程度育ったものを購入するといいですね。

ジューンベリーは大きく育つ木ですので、地植えが適しています。どうしても鉢植えにしたい場合は小さな苗木の間だけか、あまり大きくならない品種（バレリーナ）を選ぶとよいでしょう。

日当たりのよい場所が適していますが、半日陰でも育ちます。しかし花や実をたくさん楽しむためにはなるべく日当たりのよい場所がよいです。西日が直接当たる場所は避けましょう。

ある程度の湿り気を保持することができ、水はけのよい用土が適しています。

地植えの場合、根がはった後の水やりはほとんど必要ありません。ただし夏の日照りの強い日が続く場合には必要です。

12月〜2月に緩効性の化成肥料などを施します。窒素過多になると、花つき実つきが悪くなり葉ばかりが育ちますので、花つきが悪くなったら、窒素が少なめでリン酸の割合が多い肥料を与えるとよいでしょう。

アブラムシ、鳥の被害にあいます。アブラムシは4〜5月にかけて葉先に発生することがあります。見つけたら早めに駆除しましょう。また6月に赤く熟した実を狙って鳥がやってきます。ジューンベリーの実はヒヨドリやスズメの大好物のようです。実は早めに収穫するか、防鳥ネットをかけるとよいでしょう。

ジューンベリーがかかる病気はほとんどありません。

花が咲いた後、桜のように花びらがちり、葉が出て、実がなります。特に手を加えることは何もありません。

ジューンベリーは一つの実の中に、3〜4粒の種が入っています。種の大きさは5mmほどの長さです。赤く熟した実から取り出した種を洗って、湿らせた赤玉土などにまき、土が乾かないように管理すると翌年の春に芽を出します。

自然に樹形が整う木ですので、強めの剪定は不要です。混みいった箇所や徒長枝（幹や太い枝から上方向にまっすぐに伸びる枝）を剪定します。ひこばえ（樹木の根元から生えてくる芽）は出てくると栄養分を取られて幹の成長が悪くなるので、早めに切り落としましょう。落葉期（1〜3月）か、6月の実を収穫したすぐ後が剪定時期です。花芽は夏頃できるので、花芽を切ってしまうと花つき実つきが悪くなります。

ジューンベリーの増やし方は挿し木がおすすめです。実の収穫時期の後（6〜7月）に新しい枝先を10cm切り取り、挿し穂にします。葉は数枚残し、給水させた後培養土に挿し日陰で管理しましょう。発根したら日のあたる場所に植えかえをします。