育てやすいハーブ!ディル(イノンド)の種まきや管理の方法をご紹介! | 植物図鑑

学名Anethum graveolens
和名ヒメウイキョウ
別名イノンド
英名Dill
科・属名セリ科・イノンド属
原産地インド、イラン、地中海地方
花言葉知恵

ディルとは?

Photo byjyliagorbacheva

ディルはヨーロッパなどで食用として人気の高いハーブです。茎葉や種は、香辛料やハーブとして利用され、独特の風味が魚料理などによくあいます。日本ではなじみが少ないハーブですが、北欧料理のサーモンマリネなどには欠かせません。

基本情報

園芸部類 ハーブ
形態 一年草、二年草
樹高・草丈 80~100cm
花色 黄色
耐寒性 強い
耐暑性 弱い
耐陰性 やや弱い
栽培難易度 ★★☆☆☆

特徴

ディルはセリ科の植物で、古くから薬用や食用に利用されてきました。鎮静効果や消化促進作用もあるとされ、料理に使うだけではなく薬効も期待できます。

名前の由来

ディルの英名は、北欧の古い言葉のジーラ「dilla」が由来です。「dilla」には鎮めるという意味があります。ディルにはしゃっくりを鎮める効果があるとされ、「dilla」と名づけられたといわれています。

ディルの代表品種・種類

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ディルは原種や園芸種が登録されていないので、ディルといえばイノンドのことを指します。

ディル(イノンド)

ディルの葉は青みがかった緑色で、細かい羽のような形状です。三回羽状という葉の分類でたいへん細かく、よく枝分かれします。初夏の開花期間に小さな黄色の花をパラソルのように咲かせます。

ディルの育て方①時期

出典:筆者撮影

植え付けから開花までの時期

種まきの時期 春まき3~6月 秋まき9~10月
植え付けの時期 春植え付け4~6月 
花が咲く時期/開花時期 5~7月頃

栽培スケジュールカレンダー

出典:筆者作成

栽培適期は?

ディルの種まきは春と秋にできます。しかし夏の暑さと蒸れに弱いため、秋まきで育てるほうが失敗が少ないです。残暑が終わった頃、9月下旬~10月の種まきが適しています。苗は春には出回りますが、秋にはあまり入手できません。

ディルの育て方②栽培環境

出典:筆者撮影

ディルは耐寒性は高いですが、蒸れをきらいます。根を触れられると枯れることもあるため、日当たりよく乾燥気味の場所を選び、苗を移植せずに育てます。

栽培方法

ディルは草丈が1m前後あり、茎も細めのためあまり風あたりの強くない場所が栽培に適しています。成長して30cmを超えたら支柱を立てると折れにくくなります。

鉢植え プランター65cmに3株、24cm鉢に1株植える
庭植え 株間20cmで植える

プランター・鉢植え・露地

プランター 65cm以上で深めのプランターがよい
鉢植え 直径24cm以上の素焼き鉢が蒸れ防止によい
露地 湿気の少ない場所に植える

育てる場所

ディルは耐寒性が強いため、種まきや苗の植え付けもすべて屋外で管理します。しかし、雪が降る地域では雪の重みで枝が折れることがあります。プランター栽培にして軒下などで育てましょう。

室内・屋外

室内 冬や早春に育苗するとき
屋外 基本的には野外での栽培

置き場所・日当たり

置き場所 西日を避けられる場所
日当たり 午前中から昼まで日当たりが必要

用土

ディルは、乾燥気味で肥沃な用土を好みます。屋外に植えるときは、石灰や腐葉土と完熟たい肥をすきこみ、用土を整えます。プランターや鉢植えは、過湿にならないように鉢底石を入れて、草花用の培養土で育てましょう。

ディルの育て方③管理のポイント

Photo by sorarium

ディルの栽培のコツは、過湿で蒸れないように管理しましょう。また肥沃な用土を好むので、肥料を与えます。病害虫の心配があまりなく、初心者でも楽しめるハーブです。

水やり

ディルは乾き気味に育てるのが基本です。用土が乾いてからたっぷりと水やりをしましょう。露地栽培では、真夏に土が乾きすぎて葉がしんなりした場合に水やりをします。

プランター/鉢植え 用土が完全に乾いたらたっぷりと水やり
露地 植え付け直後以外は水やりは不要

肥料

ディルは肥沃な土を好むので、露地栽培では腐葉土や肥料を植え付ける前にすきこみます。プランターや鉢植えの場合は、草花用の培養土に最初から肥料が入っているため、1カ月後から液体肥料を月に1~2回施します。

プランター/鉢植え 月に1~2回液体肥料を施す
露地 植え付け前に肥料をすきこむ

害虫対策

ディルは、ほとんど害虫がつきません。しかし、春先に「キアゲハ」がきて卵を産み付けることがあります。あまりにもキアゲハがくるときは、防虫ネットを張るとよいでしょう。

花後の管理

初夏に花が咲き、結実するとディルの栽培は終わりです。花後に黄色い花を摘みとり、茶色になるまで乾燥させ種子をとります。

ディルの育て方④詳しい栽培方法

出典:筆者撮影

種まき

ディルの種をまいたら、5mmくらい土をかけます。移植を嫌うので、鉢やプランターに直まきをし本葉がでたら間引きます。

苗の選び方

ディルの苗を選ぶときは、本葉に注目しましょう。本葉がたくさんでて、下葉が黄色になっていない苗を選びます。

夏越し

ディルは蒸れと暑さに弱いので、夏はこまめな水やりが必要です。梅雨明けをめどに葉や花(種)を収穫するのもよいでしょう。

冬越し

ディルは耐寒性が強いので、秋まきの苗は冬越しできます。雪の重みで枝が折れないように管理します。