セリの育て方!繰り返し収穫するための土入れや増やし方のコツを解説 | 植物図鑑

学名Oenanthe javanica
和名セリ
別名シロネグサ
英名Water dropwort
科・属名セリ科・セリ属
原産地日本
花言葉貧しくても高潔

セリの概要

出典:写真AC

基本情報

園芸部類 野菜
形態 多年草
花の色 白色
耐寒性 強い
耐暑性 やや弱い
耐陰性 やや強い
栽培難易度 ★★★☆☆

特徴

セリはもともと田んぼの畔や湿地帯に生えている野草です。独特の香りとシャキシャキとした食感が特徴で、春の七草のひとつとして数えられ、食用に栽培もされています。夏になると白い小さな花を咲かせ、秋にはランナーと呼ばれる茎を出して子株を増やしていきます。

セリの育て方①時期

植え付けから収穫までの時期

植え付け時期 9~11月頃
開花時期 7~8月頃
収穫時期 12~3月頃

栽培スケジュールカレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え付け
毎日水やり
トンネル掛け
肥料
土入れ
収穫時期

栽培適期は?

セリの栽培は、9月頃から3月頃が適しています。9月頃から苗の植え付け時期となり、12月以降に収穫期を迎えます。夏場には開花期となるので、食用には向きません。

セリの代表品種・種類

セリは品種として確立されているものがほとんどありません。市販の食用のセリの根をタネゼリとして使用するか、野生のセリを採取して植え付けます。

セリの育て方②栽培環境

栽培方法

セリはプランター栽培、露地栽培のどちらも可能です。プランターで育てる場合も、それほど大きなものは必要ありません。また、セリは刈り取って繰り返し収穫ができるので、プランター栽培でも効率よく栽培できます。

育てる場所

室内・屋外

セリは基本的に屋外で栽培しますが、耐陰性もあるので室内で育てることも可能です。食用としてしっかりとした株に育てるために、なるべく屋外で管理してください。

置き場所・日当たり

セリは日当たりがよい場所でも日陰でも栽培可能です。しかし日当たりがよすぎると、水の乾きが早くなるので、水やりの手間が増えてしまいます。プランターで育てる場合は、適度に日陰になる場所で育てると管理が楽です。また露地栽培の場合は、黒の寒冷紗や遮光ネットを張るのがおすすめです。

連作障害

セリは連作障害がありません。また多年草なので一度植え付けたら数年同じ場所で栽培できます。

セリの育て方③土作り

畝の有無・高さ

セリを露地栽培する場合は、幅100cm、高さ5cmほどの畝を立てましょう。セリは、乾燥しすぎるのを嫌います。畝を高くしすぎると、水はけがよくなりすぎるので注意してください。

用土

セリはpH6.0~6.5の弱酸性の土壌を好みます。酸性に傾いている場合は、事前に苦土石灰を施して酸度調整をしましょう。プランター栽培の場合は、市販の野菜栽培用の用土で問題ありません。

セリの育て方④植え付け・元肥

定植

定植は9月頃から可能です。購入、もしくは採取した親株から伸びるランナーを1~2節(長さ10cmほど)に切り分けて畝にバラまきます。その後ランナーが見え隠れする程度に土をかけ、乾燥防止にワラをかけてたっぷりの水やりをしてください。

株間

セリはランナーで次々と子株を増やします。そのため畑で栽培する場合は、特に株間を気にする必要はありません。プランターで栽培する場合は風通しがよくなるよう、株間を20cmほどあけて定植しましょう。

元肥の必要性

セリの栽培には元肥が必要です。前作の影響で肥料分が多く残っている場合以外は、必ず元肥を施してから栽培を始めましょう。

露地栽培の場合

1㎡あたりに堆肥2kgと化成肥料を100gまいてよく耕しておきましょう。定植直前では苗が傷む可能性があるので、定植の1週間前までに終わらせておきます。

プランター栽培の場合

市販のプランターでの野菜栽培用の用土を使用すれば、あらかじめ肥料が混ぜられているものがほとんどです。そのまま使用して問題ありません。

セリの育て方⑤管理のポイント

水やり

セリはもともと水分の多い環境を好むため、水切れすると枯れやすいです。土が乾燥しがちな9~10月頃は毎日水やりが必要で、それ以外の時期も2~3日に1回水やりをしてください。黒い寒冷紗や遮光ネットをすると乾燥が抑えられ、水やりの回数を減らせます。

支柱の有無・誘引

セリの栽培では、支柱や誘引は特に必要ありません。

マルチングの必要性やタイミング

セリはランナーを伸ばして子株を増やします。ビニールマルチを敷いてしまうと子株が根付けないのでビニールマルチはしません。代わりに敷き藁をして乾燥を防ぎましょう。

追肥の必要性やタイミング

セリの草丈が10~15cmの頃と、20~25cmの頃に追肥を行います。1㎡あたり化成肥料を50g程度を追肥として施しましょう。また、市販の液体肥料を規定より濃度を薄くして、水やりを兼ねて施すのも効果的です。

土入れ

11月中旬と12月の上旬に、土入れという作業を行いましょう。セリの根元に、ふるいにかけたもみ殻を5~10cmほどの厚さになるまでかけていきます。こうすることで葉柄が長くなり、より大きな株に育てられます。

冬越し

セリはもともと日本に自生する植物のため、冬に枯れることはありません。しかし状態よく収穫するためには、対策が必要です。霜が降りる頃になったら、ビニールや寒冷紗のトンネルを掛けて防寒対策をしてください。また、ハコベやホトケグサなどの雑草が生えやすいので、定期的に除草しましょう。

植え替え

プランター栽培の場合は、2年に1回の割合で植え替えましょう。長期間同じ株を育て続けると、生育が悪くなってきます。子株を植え替えることで新陳代謝が活発になり、生育もよくなります。植え替えの方法は、定植するときと同じで問題ありません。

セリの育て方⑥生育トラブル

葉が黄色くなる

セリの葉が黄色く変色する場合は、肥料不足の可能性が高いです。そのままにすると、最終的に枯れてしまいます。対策としては、即効性のある液体肥料を規定の濃度に薄めて株元に与えてください。また、液肥だけでは効果が続かないので、化成肥料も株元にまきましょう。

徒長する

セリはランナーで次々に子株を増やして群生します。あまり子株が増えすぎると、小さな株に光が当たらなくなりヒョロヒョロと徒長していまいます。枯れるわけではありませんが、食味が悪くなるので、適度に間引きをして全体的に光が届くように管理しましょう。

セリの育て方⑦病気対策

セリにはほとんど病気が発生しないので、特に対策は必要ありません。

セリの育て方⑧害虫対策

セリには害虫被害がほとんど発生しないため、特に対策は必要ありません。

セリの増やし方

セリの増やし方の基本は、ランナーを切り取って植え付ける方法です。種子からも増やせますが、種子の流通はほとんどなく、種子から育てる場合は自家採種するしかありません。少し手間がかかりますが、苗から育てるのとはまた違った楽しさがあります。

種まき

種まきは、1cmほどのまき溝を作り、株間1cm間隔で種をまいていきます。種をまいたら、種が軽く隠れる程度に土を被せたうえで水やりをしましょう。プランターで育てる場合は、市販の種まき用の用土を使用すると、発芽後の根張りがよくなり、初期の生育も安定します。

発芽までの管理

種をまいた後は、乾燥させないように注意してください。特にプランターは乾燥が早いので、新聞紙やビニールで覆って乾燥を防ぎましょう。発芽後は徒長の原因となることから、1割程度の種子が発芽しだした段階で新聞紙などは外してください。

育苗のコツ

発芽後は、子葉が生えそろった段階で1回目の間引きをします。互いの葉が触れない程度の間隔に間引いてください。さらに本葉が2~3枚になった段階で2回目の間引きをし、同じように葉が触れ合わない程度に株間をあけましょう。