タンジンは、中国を原産とするサルビアの一種で、薬用ハーブとしても知られています。サルビアは種類が豊富で、ハーブで知られるセージ(ヤクヨウサルビア)もサルビアの一種です。
園芸部類 | 薬用ハーブ |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 30~60cm |
花色 | 紫 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | やや弱い |
特性・用途 | 薬用(根)、観賞 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
長く伸びた茎には、やわらかい毛があり、紫色の花をライン状に咲かせます。生育がよく大きく育つことから、ガーデニングにも人気です。また、タンジンの薬効は「根」にあります。原産地の中国では古くから薬として用いられてきました。日本では漢方薬に使われ、主に鎮痛作用・月経不順などの婦人科系の疾患・リウマチ・神経衰弱・慢性的な肝炎などに効果があるとされています。
植え付け時期 | 3月下旬~6月頃、9~10月頃 |
植え替え時期 | 3月下旬~6月頃、9~10月頃 |
肥料の時期 | 3月下旬~6月頃、9~10月頃 |
花が咲く時期/開花時期 | 4~7月頃 |
タンジンの植え付け・植え替えの適期は4月~5月です。植え付け・植え替え自体は3月下旬~6月まで可能ですが、3月下旬は霜が降りる可能性があり、6月は梅雨時期に入り多湿になることから植え付け・植え替えにはややリスクがあります。より確実に植え付け・植え替えを完了させるには、4月~5月に行うのがよいでしょう。
タンジンは、地植え鉢植え共に栽培が可能です。鉢植えは大きくなり過ぎずコンパクトな状態を保ち、マンションのベランダなどでも容易に栽培できます。地植えは、よく成長したものは大株となり見ごたえがあります。
タンジンは、屋外での栽培が基本です。地植えにしてのびのびと栽培するのがおすすめです。
タンジンは、基本的に日の光を好みます。真夏以外は日当たりのよい場所で管理しますが、強い日差しは葉が焼ける、株が弱くなるなどの原因になります。植え付け場所を吟味する、真夏は移動するなどの対策をしましょう。
用土は、水はけがよくかつ肥沃な土が適しています。市販のハーブ用培養土などは手軽でおすすめですが、植え付け時にさらに堆肥を混ぜておくとよいでしょう。
水やりは、地植え鉢植え共に土の表面が乾いたらたっぷりとあたえます。タンジンは多湿が苦手で、水やりのし過ぎは枯れる原因になります。しかし真夏の鉢植えは水ぎれを起こしやすいため、忘れずに適宜あたえましょう。
肥料は、植え付け時に暖効性化成肥料をあたえます。開花期間中は月に1回追肥で液体肥料をあたえると花付きがよくなります。
タンジンの仲間のサルビアは、カイガラムジ・オンシツコナジラミ・メイガなどの心配があります。サルビアは全般的に害虫に強く被害にあう可能性は低いですが、発生してしまったら見つけ次第薬剤などを使って早めに退治しましょう。
タンジンは病気に強いことから、特に心配はありません。
花後は花がら摘みをします。咲き終えた茎の根元から切り取り整理しましょう。適宜行うことで脇芽が伸びて二番花も楽しめます。
苗は、根がよくはり茎がしっかりとしたものを選びましょう。根がよくはり茎がしっかりとしたものは、植え付け後の定着がよいです。
植え替えは、主に鉢植えの場合に必要です。鉢植えは根詰まりを起こしやすいため、1年に1回は行いましょう。鉢から出した株がよく成長している場合は、株分けも兼ねて行うと株がさらにリフレッシュします。
剪定は、花後と株が込みあってきたら行います。茎や株が密になっているところは蒸れの原因になります。茎を間引く透かし剪定をして通気をよくしましょう。
夏越しは、強い日差しに注意が必要です。タンジンは直射日光が苦手で鉢植えの場合は半日陰になる場所に移動する、地植えは日陰をつくるなどして直射日光が当たり過ぎないように管理しましょう。鉢植えの場合は水切れを起こしやすいため、適宜水やりが必要です。
タンジンの冬越しは、暖地の場合は特に必要ありません。気温が高いなど条件がよければ常緑のまま冬を越します。寒冷地の場合は、冬季に地上部は枯れますが、翌年の春に再び芽を出します。防寒対策に腐葉土やバーグチップを敷いておくのもおすすめです。
タンジンが属するシソ科アキギリ属の増やし方は、主に株分けです。地植え・鉢植え共に、春か秋によく成長した株を堀り上げて行います。土を軽くほぐして株を分け一回り大きな鉢などに植え付けます。あまりこまかく分けてしまうと、花が咲かないなどの弊害が出る可能性があるため、注意しましょう。
出典:写真AC