モミジアオイは北アメリカの湿り気のある土地に分布する草丈の高い多年草です。日本には江戸時代の終わりに渡来し、モミジアオイと名付けられました。紅蜀葵(コウショッキ)とも呼ばれます。大輪の花を咲かせるハイビスカスやフヨウの仲間です。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 1.5m~2m |
花の色 | 赤、白 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 落葉性、シンボルプランツ、花壇 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
モミジアオイの葉は、5つほどに裂けています。その形がモミジ(カエデ)に似ているため、モミジ葉アオイ、モミジアオイと呼ばれるようになりました。茎や葉柄はやや赤みを帯び、草丈は1.5m~2m程度に伸びますが、樹木ではなく宿根草です。葉は秋に色づき、冬には枯れて根のみで越冬します。
モミジアオイの5枚の花びらは、ほかのハイビスカス属の花に比べると幅が細く、重ならないのが特徴です。長い蕊柱(ずいちゅう)の先近くに雄しべ、先端にあるのが雌しべです。開花すると、5つに分かれた雌しべの柱頭が、それぞれ雄しべの方に一日かけて曲がって近づきます。一日でしぼむ一日花ですが、花つきがよく次々に花を咲かせます。
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モミジアオイの白花種は、花びらはもちろん、長く伸びた蕊柱も白く、しべはほんのりクリーム色で全体的に涼し気です。花の大きさや草丈は赤花基本種と同じで、育て方も特に違いはありません。
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タイタンビカスは、モミジアオイと近縁種のアメリカフヨウとの交配種です。葉はモミジアオイに近く、花びらはアメリカフヨウの幅広さを受け継いだ大輪種です。花色はスカーレットのほかに白やピンクなどがあります。草丈は2mほど、同じく一日花ですが花数が多いのが特徴です。
植え付け時期 | 3月~5月 |
追肥時期 | 4月~7月 |
開花時期 | 7月~9月 |
モミジアオイは種まきから栽培できますか?
種まきから育てることもでき、5月~6月が適期です。種まきした年は、苗から育てる株よりも開花が遅くなります。
モミジアオイは草丈が高いため庭植えが適していますが、鉢植え栽培も可能です。鉢植えは、10号鉢以上の大きな鉢に植えると草丈が伸びます。7号鉢程度なら草丈を低めに育てられますが、その分、花数は少なくなります。
日当たりがよく、高く育っても邪魔にならない場所を選びましょう。大輪の緋色の花と緑葉のコントラストが美しく、すくっと自立するため、夏場の元気なシンボルプランツにもなります。白花種にすると涼し気です。
モミジアオイは湿潤な土地に自生しますが、栽培種は水はけと水持ちのよい土壌が適しています。庭植えは、よく耕して腐葉土をたっぷり混ぜてください。鉢植えの用土は、市販の草花培養土か赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜあわせた土を使います。
モミジアオイは水気を好む植物です。鉢植えでは、土の表面が乾きかけてきたらたっぷり水やりします。庭植えは、植え付け間もない頃は乾燥させないように気をつけてください。根付いたあとは基本的に降雨のみで育ちますが、晴天続きのときは水やりしましょう。
植え付け時に緩効性肥料を与えます。追肥は、生育が旺盛になる期間(4月~7月頃)に、1カ月に1回を目安に化成肥料を置き肥します。
特にかかりやすい病気はなく、丈夫に育ちます。寄ってくる害虫もほかのフヨウ属の仲間より少な目で、被害はほとんどありません。ごくまれにラミーカミキリがやってくることがあります。葉を少しかじる程度なら大丈夫ですが、ひどく食害されないように見つけたら退治しておくとよいでしょう。
花は一日でしぼみ、翌日には自然に落ちます。残った萼片と子房を花がらのところから切り取ると種を作らず、株のエネルギーを次の花やつぼみに集中させられます。種を採取する場合は、いくつかをそのままにしておきましょう。
モミジアオイの発芽適温は25℃程度で、5月~6月頃が適期です。発芽率をあげるには、種の表面に少し傷をつけて一晩水に浸しておきます。市販の種まき用土か小粒赤玉土にまき、発芽まで乾かさないように管理しましょう。
苗の形状は、販売時期によって少し異なります。芽吹いて間もなく葉がまだ5つに裂けていない状態、茎が長く伸びてきた状態などです。葉に傷みがなく茎のしっかりした苗を選んでください。
モミジアオイの若い葉がまだ5つに裂けていないのは、自然な成長過程です!
鉢植えは、1年~2年に1回植え替えてください。庭植えは植え替える必要はありませんが、株元が混みあってきたら掘り上げ、株分けをして植え直すとよいでしょう。
暑さに強く、庭植えは特に対策しなくても夏越しできます。乾燥を嫌うため、小さめの鉢植えには、夏場は朝と夕方の2回水やりしてください。
モミジアオイの葉は、秋に色づいて枯れます。落葉する頃に、株元で剪定しましょう。
暖地ではそのまま冬越しできます。中間地や寒冷地では、敷き藁をするか腐葉土などを盛って土を凍結させないようにしましょう。鉢植えは、軒下に取り込んでください。
花後そのままにしておくと、枯れ色の果実の中に種ができます。保管して翌年の5月頃に種まきして、増やしてください。
モミジアオイは株分けによる増やし方も可能です。地上部が枯れた休眠期の晩秋か春が適期です。植え替えのときにおこなうのがいいですね。
挿し木で増やせますか?
あまりおこなわれませんが、挿し木でも増やせます。花後か花のついていない、節が1つ以上ある枝を切り取って挿し穂を作りましょう。
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5.5号鉢(直径約16cm)植えの、茎のしっかりした苗です。価格は、送料別です。植え付け期には、価格の安いポット苗も出回るので、その頃に検索(または問い合わせ)してみてください。
出典:写真AC