ボンバックスは中米地方の乾燥地帯に自生し、グアテマラを象徴する木とされています。日本では塊根植物として流通しますが、流通量がそれほど多くなく希少な植物です。一般的な観葉植物のように育てると、樹木として縦に育つので、剪定を繰り替えして塊根部を太らせて育てる愛好家が多いです。
園芸部類 | 多肉植物、塊根植物、観葉植物 |
形態 | 多年草、低木 |
樹高・草丈 | 20m |
花の色 | 白色 |
開花期 | 6~8月頃 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 落葉性 |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
ボンバックスは自生地では約20mにもなる大木ですが、日本での栽培下では1~2m程度にしかなりません。トックリ状の塊根部には緑色の模様があり、時間とともにひび割れが入ります。幹からは小枝を複数だし、ハート型の葉っぱをつけます。
ボンバックスは夏型の植物です。成長期は5月~10月頃で、11月~4月までは休眠期となります。気温の低下とともに葉が徐々に枯れ落ちて休眠期に入ります。
ボンバックスは基本的に、鉢植えで育てます。もともと乾燥した場所に自生しているため、露地植えでは雨の影響で枯れやすくなります。
ボンバックスは、暖かい時期はなるべく屋外で育てましょう。しかし耐寒性がないので、寒い時期は室内で育ててください。
ボンバックスは日当たりと風通しのよい場所で管理します。日当たりが悪いと徒長しやすくなり、風通しが悪いと病気や害虫の被害にあいやすくなります。
ボンバックスには、水はけのよい用土が適しています。市販の多肉植物用の用土か、赤玉土2:鹿沼土2:軽石1で配合した用土を使用しましょう。栽培環境によってはほかの土を足して微調整してください。
ボンバックスが成長期の間は、用土が乾いたらたっぷりと水やりをします。休眠期である冬場は1か月に1回ほど軽く水やりをし、1週間に1回ほど塊根部に霧吹きで水を与えましょう。
成長期の初期に、粒状の緩効性肥料を株元にバラまくか、軽く埋めます。その後成長期の間は、1か月に1回程度水やりをかねて液体肥料を与えるのも効果的です。休眠期には与えないでください。
ボンバックスは剪定をしなくても問題ありません。好みの樹形があれば剪定して樹形を整えましょう。また剪定することで、塊根部が太りやすくなります。
丸く太くする剪定方法は?
塊根部を丸く太らせるためには、強剪定を行います。成長期の始めにすべての枝を剪定してしまいましょう。毎年繰り返すことで、徐々に塊根部が太っていきます。
ボンバックスには、カイガラムシやアブラムシなどの害虫が発生しやすいです。少数であればピンセットなどで除去できるので、こまめに観察しましょう。大量に発生した場合は、市販の殺虫剤を散布して対処します。どちらも風通しが悪い環境で発生しやすいので、置き場所に注意してください。
ボンバックスは根腐れ病に注意してください。根腐れ病は、多湿な環境で発生しやすい病気です。特に暑い時期は風通しのよい場所で管理し、水やりをしすぎないようにしましょう。万が一発症した場合は一度苗を抜き取り、腐った部分を切り取って新しい用土に植え付けます。
店頭でボンバックスを選ぶ際は、塊根部にハリがあるかを確認しましょう。成長期にもかかわらず葉が枯れているのは調子が悪い証拠です。また、葉の裏側にカイガラムシやハダニがついていないかしっかりと確認してください。
ボンバックスは、2年に1回ほど植え替えをします。植え替えの適期は4~6月頃です。
ボンバックスの開花後の管理は特に必要ありません。しかし、枯れた花をつけたままにすると見栄えが悪くなるので、摘み取ったほうがいいでしょう。
ボンバックスは、高温多湿な環境が苦手です。風通しがよく、直射日光を避けた場所で管理してください。また水やりを日中に行うと、鉢の中が蒸れやすくなるので、朝夕の涼しい時間に行いましょう。
外気温が10℃を下回るのを目安に、室内に取り込みます。休眠中は水やりを月に1回ほどに減らして乾燥気味に管理しましょう。
ボンバックスの一番簡単な増やし方は挿し木です。ただし、実生した株と違い、塊根部が太りにくくなります。
ボンバックスのもうひとつの増やし方は、種から育てる実生です。
出典:著者撮影