ユーパトリウム・チョコレートは、茶色がかった葉と茎がシックな宿根草です。秋には真っ白な花をたくさん咲かせ、長期間楽しめます。育てやすく、初心者にもおすすめの植物です。属名がアゲラティナ属に変更されましたが、以前はユーパトリウム属であったため、旧属名のまま「ユーパトリウム・チョコレート」で流通しています。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 宿根草 |
樹高・草丈 | 100cm |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | きれいな銅葉 半日陰でも育つ |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
ユーパトリウム・チョコレートの大きな特徴は、茶褐色の葉と茎です。シックな色合いのカラーリーフとして人気です。葉は芽吹いたときには紫がかった茶褐色ですが、夏ごろには次第に緑がかり、晩秋には黄色く紅葉します。秋には小さな白い花をたくさん咲かせます。放任すると大きくなりますが、増えすぎないため管理しやすいです。
紹介する植物は属名が変更され、現在は同属ではありません。以前は同じユーパトリウム属で、葉色や花色が違いますが、とてもよく似た植物です。
ユーパトリウム セレスチナム
参考価格: 330円
ユーパトリウム・セレスチナムは青色フジバカマとも呼ばれ、青い小さな花を咲かせる宿根草です。葉色も花色もユーパトリウム・チョコレートとは異なりますが、形状はよく似ています。ほかに花色が白の、白色フジバカマともよばれる品種もあります。現在はコノクリニウム属です。
サイズ | 7.5~10.5cmポット |
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フジバカマ
参考価格: 763円
フジバカマは「秋の七草」の一つとして、古くから日本人に愛されてきた植物です。以前はユーパトリウム・チョコレートと同じユーパトリウム属(現在はヒヨドリバナ属)で、花の形状がよく似ています。
サイズ | 9cmポット |
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植え付け適期 | 3月~4月 |
剪定の時期 | 6月ごろに剪定。低めにしたい場合は7月下旬にもう一度剪定、花後早めの剪定で再び開花 |
開花時期 | 9月~10月 |
ユーパトリウム・チョコレートの植え付け時期は?
植え付け適期は3月ですが、苗が園芸店やホームセンターでよく流通するのは9月ごろです。9月~10月ごろに苗を植え付けてもかまいません。十分成長しないままの開花ですが、翌年には大きく成長するでしょう。
ユーパトリウム・チョコレートは、鉢植えでも露地植えでも栽培が可能です。花壇に植えるとシックな葉色が花壇の中で映えます。耐寒性・耐暑性がともに強いため、どの地域でも安心して露地植えできます。また、秋の寄せ植えに使うと秋らしい雰囲気を演出できるでしょう。
ユーパトリウム・チョコレートは、日当たりのよい場所からやや半日陰の場所まで栽培できます。ただし、日当たりのよい場所のほうが徒長せず花もたくさん楽しめるため、できるだけ日当たりのよい場所で栽培するとよいでしょう。
ユーパトリウム・チョコレートは、水はけのよい土であればあまり土を選びません。露地植えの場合は、腐葉土と堆肥を混ぜ込んで用土とします。鉢植えの場合は、市販の草花用培養土でかまいません。
露地植えの場合は、ほぼ降雨のみで問題ありません。晴天が続きひどく乾燥する場合は、水やりをしましょう。鉢植えの場合は、土が乾いたらたっぷりと水やりをします。夏場の水切れには特に注意してください。
ユーパトリウム・チョコレートは、あまり肥料を必要としません。生育がよくない場合には、春か秋に緩効性肥料を与えます。
丈夫なユーパトリウム・チョコレートには、病気や害虫の発生はほとんどありません。
花後に早めに剪定しましょう。剪定をすることで再び開花し、再度の花を楽しめます。
生育旺盛なため、鉢植えにした場合は根詰まりを起こしやすく、植え替えが必要になります。鉢底から根が出始めて根詰まりを起こしたら、植え替えましょう。植え替えの適期は3月ごろです。一回り大きな鉢に植え替えるか、株分けをして増やすこともできます。
放任していると草丈が伸びすぎて草姿が乱れがちなことから、6月ごろに切り戻します。草丈の1/3~1/2くらいに切り戻すと、こんもりとまとまった株に育ちます。さらに低めに抑えたい場合は、7月末に再度切り戻すとよいでしょう。
耐暑性が高いことから、特に夏の対策は必要ありません。ひどく乾燥する場合は、露地植えでも水やりをします。鉢植えの場合は、半日陰の場所に置いたほうが水切れや葉焼けの心配が少ないでしょう。
耐暑性だけでなく耐寒性も高いため、冬越しの対策も必要ありません。冬になって地上部が枯れてきたら、地際で切ってしまいましょう。すっかり枯れたように見えますが、春になると芽吹いてくるため心配いりません。芽吹きはほかの植物に比べるとやや遅めです。
増やし方として、挿し木と株分けがあります。種から増やすこともできます。ユーパトリウム・チョコレートはフジバカマと比べて地下茎をあまり伸ばさないので、挿し木が最も手軽でおすすめの増やし方です。
挿し木の適期は6月です。6月の剪定の際に切った枝を利用するとよいでしょう。枝の上部2節ぐらいで切って下葉を取り除き、水揚げしてから挿し木用の土に挿します。明るい日陰で水を切らさないように管理します。
株が大きく成長した場合は、株分けで増やせます。株分けの適期は3月です。植え替えの際に株分けをするとよいでしょう。株全体を掘り起こしたら、地下茎で分けてそれぞれに植え付けます。
出典:筆者撮影