キャベツの育て方③植え付け
苗の準備ができたら、植え付けをします。植え付けのための準備、肥料の与え方、植え付け方法について解説します。
畑の準備と肥料
定植2週間以上前に定植する畑に苦土石灰(約100g/1平方m)をまいてよく耕しておきます。1週間後に堆肥(約2kg/1平方m)と元肥(約100g/1平方m)を入れて再度よく耕します。1畝に1列の苗を植える場合は50cm、2列なら80cm幅で畝たてします。株間が30~35cmになる植え方ができるよう準備しましょう。
植え付け
苗の本葉が4枚以上に成長すれば定植が可能な時期です。定植する前にポットを水につけて吸水させておきましょう。株間は30~45cmで浅めに植え付けることが植え方のポイントです。植え付けの時間帯は夏の暑い日中は避けて、日差しが弱まる夕方などを選ぶとよいでしょう。
キャベツの育て方④肥料と水やり
キャベツの大きな球を作るためのポイントは、結球がはじまるまでに十分な肥料を施して外葉をできるだけ大きく育て、葉数を多くすることです。立派なキャベツを作るために植え付け後に必要な作業と肥料の与え方をみていきましょう。
追肥
大球のキャベツを育てるために植え付けから収穫までの過程で2回の追肥を行います。植え付け後約2週間、キャベツの外葉が大きくなり、本葉が7~8枚になった時点で1回目の追肥を施します。2回目は葉が丸まって結球をはじめる時期です。外葉が10枚以上になると中心から少しずつ丸くなっていきます。秋まきの春キャベツの場合は、2~3月に1回の追肥を行います。
必要な肥料
キャベツは栄養豊かな肥えた土地を好むので、肥料はしっかりと施します。とくに生育の過程の初期段階で外葉をしっかり成長させて結球を促すことが重要です。窒素だけに限らず、カリの吸収量も大きく、結球期には充分な補給が求められます。
土寄せ
追肥で十分に肥料を与えたら同時に土寄せを行います。キャベツの列の間の畝間の土を浅く耕して根元に土を寄せます。これらの作業の過程で葉や茎を傷つけてしまうと品質の低下や病気の原因となるので、丁寧に作業することが大切です。
水やりのポイント
球が大きく充実する時期に土の湿度が上がりすぎると、キャベツの球がわれてしまう「裂球」につながることがあるので、水やりの量を調整することが必要です。結球を確認したら、雨除けのビニールトンネルを設置するなどし、土が過湿状態になることを防御します。反対に水分が不足すると大きな球にはなりません。
キャベツの育て方⑤収穫
充分に肥料を与えてキャベツが大きく育ったら、いよいよ収穫の季節です。収穫の適期の見分け方や収穫方法をご紹介します。
収穫適期の見分け方
結球して球が成長して大きくなってきたら手でギュッと押さえてみてください。かたくしまった感触が伝わってきたら収穫の時期です。ふわふわとやわらかい手ごたえならもう少し待ってみてもよいでしょう。球が小さく感じてもギュッとしまった感触があれば収穫します。
収穫は素早く
キャベツの収穫時期は同時期にかさなってしまいがちなので、若いものから次々に収穫していきます。収穫が遅れると葉がかたくなる、味が落ちるなどのトラブルにつながるので、適期を逃がさず収穫します。特に秋まきの春キャベツは収穫が遅れると球が割れやすく、収穫時期の見極めは大切なポイントです。
収穫の方法
収穫の時期に到達したキャベツがあれば、外葉を広げて、手でキャベツの球を横方向に押すようにして、根元を持ち上げ、芯の部分を包丁で切断します。収穫後のキャベツの根はすぐに片づけて、畑に残さないようにしましょう。
次のページでは、病害虫対策、発生しやすいトラブルをご紹介します。