豆苗とは
袋に入った根付きの状態で販売されている豆苗(トウミョウ)は、スーパーなどでもすっかり定番の野菜として見かけるようになりました。茎葉を切り取って食べたあとで再び収穫できるのも楽しく、たいへん人気があります。そんな豆苗のおいしい食べ方や使い方を詳しく見ていきましょう。
エンドウ豆の若葉
豆苗はエンドウ豆の若葉と茎を食用とする緑黄色野菜です。やわらかく、ほんのり豆の香りがあるのが特徴です。エンドウ豆は多くの品種が栽培され、たとえば未成熟の若い実を食べるのがグリーンピースとして、完熟した赤または青エンドウの実はみつ豆や甘納豆などに使われています。さらに、若いさやはサヤエンドウやスナップエンドウとして親しまれています。
歴史
エンドウ豆は紀元前7000年ごろから栽培されてきた古い歴史をもつ豆で、ツタンカーメンのお墓からも発見されています。成長したエンドウ豆の若葉や茎を食材として利用し始めたのは中国で、特別な人しか食すことができない希少な野菜として扱われていました。
日本での栽培
豆苗が日本にやってきたのは、日中国交回復以降の1970年代のことです。1995年ごろから植物工場での栽培が盛んになり始め、現在では一般の人にも手が届く人気の食材となりました。豆を発芽させた状態の豆苗は、水耕栽培のため農薬を使うこともなく、収穫量が天候に左右されることもないので、価格も安定しているのがうれしいですね。
栄養
豆苗に含まれる栄養はβ―カロテン、ビタミンE、K、C、葉酸などで、これらの含有量はほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜を上回ります。緑黄色野菜としてはとても栄養価の高い優秀な野菜なのです。特に皮膚、粘膜、髪の健康維持に欠かせないβ―カロテンの含有量が豊富です。
次ページでは、いよいよ豆苗のおいしい食べ方をご紹介します。