ダイアジノン粒剤の特長と使い方!ネキリムシの防除・駆除などに効果的?

ダイアジノン粒剤の特長と使い方!ネキリムシの防除・駆除などに効果的?

畑の常備薬で知られるダイアジノン粒剤は、ネキリムシなどの大切な野菜の根を噛みきってしまう害虫退治にうってつけの殺虫剤です。この記事ではダイアジノン粒剤の効果的な使い方や、どのような作物や害虫に対して使えるのかを見ていきます。あわせて特長もチェックしましょう。

記事の目次

  1. 1.ダイアジノン粒剤とは
  2. 2.ダイアジノン粒剤の特長
  3. 3.ダイアジノン粒剤の上手な使い方①土壌混和
  4. 4.ダイアジノン粒剤の上手な使い方②表面散布
  5. 5.ダイアジノン粒剤の種類
  6. 6.ダイアジノン粒剤の注意点
  7. 7.まとめ

ダイアジノン粒剤とは

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ダイアジノン粒剤は、コガネムシやネキリムシなどの害虫退治におすすめの殺虫剤です。いろいろな野菜に使用できるため非常に汎用性が高いです。困ったときのために手元に置いておきたい、殺虫剤ダイアジノン粒剤の特長や使い方について解説します。

基本情報

製品名 ダイアジノン粒剤
製造会社 日本化薬(株)
登録年月日 1955年
登録区分 殺虫剤
性状 細粒
有効性分 ダイアジノン
(2-イソプロピル-4-メチルピリミジル-6)
-ジエチルチオホスフェート

有効成分

分子構造
Photo byWikimediaImages

ダイアジノン粒剤の有効成分ダイアジノンは、1952年にスイスのガイギー社(現シンジェンタ社)が開発しました。有機リン酸系の殺虫剤で、アセチルコリンエステラーゼ活性に阻害作用があるため、昆虫などの神経伝達を狂わせて死に至らせます。

毒性の低い殺虫剤

ダイアジノンは哺乳類に対する毒性が非常に低いです。開発当時は、パラチオンやメチルパラチオンなどの有機リン酸系殺虫剤があり、これらには優れた殺虫効果がありましたが、人に対する毒性が強く、頭痛や嘔吐などの薬害を引き起こすと問題になっていました。ダイアジノンは毒性が低いため、現代でも世界中で使用されています。

ダイアジノン粒剤の特長

特長①幅広い適用範囲

畑
フリー写真素材ぱくたそ

ダイアジノン粒剤の特長は、60種以上の作物郡に使用できる適用範囲の幅広さです。家庭菜園でいくつも野菜を栽培していると農薬の種類が多くなりますが、ダイアジノンであれば殺虫剤は1種類ですみます。また違う作物同士が隣接している畑でも、適用があれば間違ってかかっても影響はなく安心ですよ。

ボタ爺

ボタ爺

下にダイアジノン粒剤5の適用作物をまとめたぞ。さすがの多さじゃの。

野菜(根菜類) サツマイモ、じゃがいも、
かぶ、だいこん、
はつかだいこん、にんじん、
ごぼう
野菜(葉菜類) キャベツ、ブロッコリー、
カリフラワー、レタス、
はくさい、ねぎ、たまねぎ、
らっきょう、ほうれんそう、
こまつな、みずな、
ひろしまな、なばな、
畑わさび、ふき、食用ゆり、
にら、みつば、
モロヘイヤなど
野菜(果菜類) トマト、ピーマン、オクラ、
いんげんまめ、なす、
すいか、メロン、にがうり、
きゅうり、かぼちゃ、
スイートコーン、いちご、
とうがらし、さやえんどう
果物 ブルーベリー
その他 だいず、えだまめ、
あずき、らっかせい、
たらのき、ごま、
桑、ゆり、
さとうきび、芝など

特長②さまざまな害虫への効果

ガの幼虫
Photo byLernestorod

ダイアジノン粒剤は土壌中の害虫から実を食べてしまう害虫まで幅広く効果があります。ダイアジノン粒剤が効果的な害虫について、主なものを5つ紹介しましょう。

害虫①タネバエ

タネバエは種を食害する害虫です。土壌中に生息するタネバエの幼虫が、芽を出そうとする種子の周りに集まり、胚芽部分を食べてしまいます。魚かすや鶏糞などの有機質資材の臭いにつられてやってきます。

害虫②ネキリムシ

ネキリムシはカブラヤガ、タマナヤガなどのガの幼虫で、茎葉を食害する厄介者です。葉を食べることもありますが、地際部の茎の食害が大きな被害を生じさせます。夜のあいだに茎をかじるだけでなく食い切ってしまうため、朝方に畑にいくと根元から生育途中の野菜が倒れていることがあります。

害虫③ケラ

ケラはバッタ目のモグラのような手をもった昆虫で、幼虫と成虫が根菜類を好んで食害します。種イモの発芽や生育を阻害したり、じゃがいもやさつまいもに穴をあけて商品価値を下げたりします。

害虫④コガネムシ

コガネムシはアオドウガネ、マメコガネなどの甲虫の通称です。幼虫は土壌から根を食害し、成虫は葉を食べます。野菜をはじめ、バラなどの花類、ブルーベリーなどの果樹と幅広い作物を好んで食べます。

害虫⑤キスジノミハムシ

キスジノミハムシは体長3mm程度の甲虫で、ノミのように飛び上がることが名前の由来です。キャベツやダイコンなどのアブラナ科の野菜のみを食害します。幼虫は根菜類をかじって表面に溝をたくさんつくり、成虫は針で刺したように葉に穴をあけて商品価値を大きく下げます。

特長③散布しやすい形状

ゴマ
Photo byPezibear

ダイアジノン粒剤は2~3mm程度のゴマ大の粒剤で、撒きやすい形状です。液剤と異なり、タンクを背負いながら薬剤をまく必要がないため、気になったポイントだけに使えます。食害された作物をみつけたときには、ダイアジノンをパラリと撒いたり、根元付近に置いたりすることで被害を最小限に防げますよ。

ダイアジノン粒剤の上手な使い方①土壌混和

次のような症状があるときは土壌中の害虫を退治する必要があります。

  • 朝方畑を確認すると作物が根元から千切れていた(ネキリムシ・コガネムシ)
  • いも類に大きな穴が空いてる(オケラ)
  • 豆類の芽立ちが悪く、ハエをみかける(タネバエ)

ボタニ子

ボタニ子

土壌害虫はすこし掘ると見つけられるから耕すときに確認するといいよ。

使い方

土壌中の害虫を駆除する使い方は、根元をかじるネキリムシと種を食害するタネバエで違いがあります。ネキリムシは畑の周辺部から侵入することもあるため、播種前にダイアジノンを畑全面に散布しましょう。タネバエは種子周辺に幼虫が生息します。畝の定植前に、筋状に散布してください。

土壌混和は浅くすること

ネキリムシは土壌中の深度5cm程度の浅いところに生息しています。そのため、土と深く混ぜると薬剤が無駄に広がってしまい、効果が弱まります。また、土中深くにいるミミズなどの益虫を駆除してしまう薬害がでるため、深く位置で混ぜないよう注意してください。

使用量

散布するときは、薬剤の量をしっかりと測っての使用が大切です。下記は面積ごとに必要な散布量の表です。購入の参考にしてください。作条土壌混和(筋状に散布すること)の場合は、全面散布より量を少なくしてよいため、必要量の下限値で問題ありません。

面積あたりのダイアジノン粒剤使用量

  1㎡ 33㎡
(10坪)
100㎡
(30坪)
1,000㎡
(303坪)
ダイアジノン粒剤3 6~9g 200~300g 600~900g 6~9kg
ダイアジノン粒剤 4~6g 130~200g 400~600g 4~6kg
ダイアジノン粒剤10 3g 100g 300g 3kg

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ダイアジノン粒剤の上手な使い方②表面散布

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