枝豆とは
初夏~秋の旬の時期にかけて、おかずの一品として食卓にのぼったり、おつまみとして食べられる枝豆。鮮度が命で、収穫してから時間が経つとどんどん味が落ちてしまいますが、家庭菜園で育てれば、とれたての美味しさを味わうことができます。
枝豆は大豆になる前の未熟な状態
枝豆は大豆がまだ若い、未熟な青い豆の時に収穫したものです。どの品種でも枝豆と大豆、どちらでも収穫が可能です。日本では大豆の収穫適期は晩秋のため、晩生の品種が大豆として栽培され、多くの早生種が枝豆専用として出回っています。
枝豆は品種がいっぱい
枝豆用の品種はたくさんあり、味だけでなく大きさや収穫までの日数が違うものなど、たくさんの種類があります。豆の香りが強くて甘く、人気の高い茶豆はサヤの毛が茶色いタイプ。だだちゃ豆などが有名です。つくりやすいのは、早生種で茶豆系統のものを選ぶのがおすすめです。
早生と晩生で味がちがいます
枝豆の早生種は成長が早く、みずみずしい甘味と香りのよさが楽しめます。晩生の品種は株が大きく、豆が大きめなので、食べごたえがあり、ホクホクとした風味とコクがあります。種まき時期にいろんな品種を使い分けると収穫期がずらせたり、食べ比べもできるのでおすすめです。
主に初夏~夏に旬をむかえます
枝豆は日本各地でつくられていますが、地域によって気温や日照がちがうため、収穫時期にはズレがあります。ハウスやビニールを使わない家庭菜園では4~6月下旬に種まきをします。寒冷地では8月~9月、中間地では7月~8月、暖地では6月~8月の期間が収穫適期となります。
枝豆の収穫タイミング
枝豆はサヤができてからは成長が早いため、収穫のタイミングが命です。農家のなかには「枝豆の収穫適期は3日だけ」と話す人もいるほど!収穫が早すぎると豆が小さくて実が入っていなかったり、遅すぎれば大豆のようにかたくなり、甘味がまったくない状態になってしまいます。
ボタニ子
家庭菜園で育てる場合には収穫時期をむかえてから7~10日以内にとりきるのがおすすめです。
収穫のサインは日数と見た目
美味しい枝豆を収穫するには収穫のサインを見逃さないようにしましょう。収穫の目安は種をまいてからの日数、花が咲いてからの日数、そして見た目とサヤを触った感触、で判断ができます。種をまいた日はいつか、しっかり記録しておくと判断しやすいのでおすすめです。
ボタニ子
小さなコショウの粒ほどの大きさの花が咲いた後、サヤができはじめるのでそれからの見極めは特に大事!!
日数での判断
早生~晩生まで枝豆にはたくさんの品種があります。お店で購入した種の袋には、品種名の続きや裏の詳細欄に、種まきしてからいつ収穫できるか日数が書かれていることがあります。種まきから収穫までの期間がおおよそ70~90日の品種が多く、多くが80~90日と書かれています。
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種まきから70~80日は極早生品種、80~90日は中生~晩生品種です。
気温によって変わっていく収穫適期
枝豆は温度によってどんどん成長します。購入した種の袋に、4月と6月にそれぞれ種をまくと、気温が高い6月の方が種まきから収穫までの日数が短くなりやすいです。仮に80日と書かれていても、気温が高い日が続けば75日で収穫適期となることもあります。
ボタニ子
日数はおおよその目安として、実際に見たり触ったりすることで、収穫のサインを見逃さないようにしましょう。
花が咲いてからの日数でもOK
種まきから収穫までの日数とは別に、花が咲いてからの日数で収穫のタイミングをはかることもできます。どの品種の枝豆も花が咲いてから30~40日で収穫の適期となります。しかしこれも天候や気温によって多少ずれることがあるので、見た目での判断も大事にしましょう。
見た目での判断
見た目での判断では、葉や茎、サヤ全体が綺麗な濃い緑色の時を目安にします。遅すぎると黄ばんだり、葉がとれてしまい、味も落ちてしまいます。ちなみに株全体が黄色~茶褐色になり、サヤの中の豆が充実し、振るとカラカラ、音がするようになると、大豆として収穫適期になります。
触って豆が飛び出せば収穫のサイン
全体が濃い緑の株となったら、サヤを確認します。豆のシルエットがくっきりとしていて、粒がそろっていること、うぶ毛がサヤにみっしりとついていることが収穫の目安となります。サヤをもいでみて、指で押さえた時に中から豆が飛び出せば収穫のサインです。
株全体の8割を目安に
株についているサヤ全てがふくらみきるまで待つと、収穫期間が短くなるため要注意です。株全体の8割ほどのサヤがふっくらとふくらんできたら、収穫しましょう。とくに早生種はやや早どりで収穫することが可能です。サヤだけ収穫するなら未熟なサヤはふくらみきるまで収穫を待てます。
早生と晩生でちがう、収穫適期のふくらみ具合
早生品種と晩生品種では、収穫適期の枝豆の状態が少しちがいます。早生種の枝豆はサヤがふくらみはじめたら、収穫可能になります。ちょっと早どりかな?と思うタイミングで豆の甘味が強く感じられおすすめです。晩生の品種の場合は、サヤがよく太り、緑の濃い色が少し抜けたくらいで収穫しましょう。
ボタニ子
早生は豆の甘味を、晩生は豆のコクや風味の強さをそれぞれ強く味わえるのが醍醐味です。
収穫の時間は早朝に
枝豆は夜の間に栄養を溜め込むため、夜明け~早朝に一番糖度が高くなります。日中気温があがると枝豆のエネルギーの消耗も激しくなり味が落ちるので朝涼しい時間の収穫をおすすめします。また収穫後はすぐ茹でたり、冷蔵庫に入れ冷やすことで味が落ちにくくなります。
収穫の仕方
ボタニ子
いつ食べられるかタイミングがわかったら、次はいよいよ収穫です。収穫の仕方を学んで、とれたての美味しさを味わいたいですね!
収穫の仕方は、枝ごと収穫するか、枝からサヤだけはずし収穫する方法の二通りあります。枝豆はサヤだけでなく茎や葉にも細かな産毛があり、チクチクするのでぜひ手袋を着用してくださいね。収穫後に調理するまでの時間や量などによって、やりやすい方法をお試しくださいね。
枝ごと収穫する方法
枝ごと収穫する方法は、すぐ調理して食べない時などに、その後の鮮度を保ちやすいためおすすめです。根っこごと引っ越しぬくのもいいですが、土がサヤについてしまいやすいので要注意です。ハサミでサヤがついているところの下から茎を切ってしまうと後の処理が楽です。
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株元の茎は太くなるので収穫バサミではなく剪定バサミの方が切りやすいです。
葉っぱはもぐことで鮮度維持できます
枝ごと収穫の場合、葉が呼吸してエネルギーを消耗するため、葉はつけ根から、もいでおくことでかさばらず、鮮度も落ちにくくなります。葉はつけ根から下にむけており曲げると簡単にもぐことができます。冷蔵保存して、2~3日中にはやめに調理しましょう。
サヤだけ収穫の方法
サヤだけ収穫する方法は、植えたままの株にまだ未熟なサヤを残すことができるので、余すことなく枝豆を最後まで収穫できるメリットがあります。ひとつひとつサヤを確認しながら収穫するので大変ですが、一番いい状態のものを見極めながら少しずつ収穫できるのがおすすめです。
サヤの端を深めにカットすれば味もしみやすく
サヤだけ収穫する時におすすめしたいのが、ハサミを使ってサヤのつけ根をやや深めに切ることです。収穫したらさっと洗い、塩ゆでしましょう。茹でている時にそこから塩が浸透して、ちょうどいい塩かげんの枝豆として食べられますよ。収穫したらすぐ茹でるのがポイントです。
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虫くいなどが少なくサヤがびっしりついているような場合は株ごと、虫食いが多いなど食べられるサヤが少なそう・・という時はサヤのみの収穫と、臨機応変にしてもいいかもしれません。
まとめ
鮮度が命の枝豆。収穫期間が短く、収穫後はどんどん味が落ちてしまうので収穫のタイミングはとても重要です。サヤがついてきたらこまめに見たり触って確かめることで、ベストな収穫のサインを見極められます。一番美味しい時期に収穫して旬の枝豆を楽しんでくださいね。
出典:筆者撮影