ミディ胡蝶蘭の育て方！水やりの方法と長く楽しむためのポイント | 植物図鑑

胡蝶蘭の名は、花の形が蝶が舞っている姿にみえることが由来とされています。学名のPhalaenopsis（ファレノプシス）の由来はギリシャ語のPhalaia（蛾）とopsis（似ている）をあわせて花の形が蛾に似ていることだとされています。

ミディ胡蝶蘭とは、花の大きさが8cm前後の胡蝶蘭の総称です。小型の原種から何度も品種改良された胡蝶蘭のひとつで、花の色や形は、さまざまな種類があります。花の数が多く、色や大きさが数多くのシーンにちょうどよいことから、寄せ植えやギフトに大変人気があります。

原種より品種が改良された胡蝶蘭は花の大きさにより大きく3つに分類されています。

• 大輪系（花径10～15cm）
• ミディ（花径6～9cm）
• ミニ（花径4～5cm）

アマビウスは定番の白いミディ胡蝶蘭です。フィリピン、台湾原産の小型の原種から、よりよい花を交配させて長い期間をかけ生まれました。比較的寒さにも強く育てやすい品種です。

ランランは、花茎が枝分かれすして咲くことが特徴的なミディ胡蝶蘭です。かわいらしい花が数多く咲きボリューム感があります。

ファーストラブは、白い花弁に淡いピンクという清楚な花色のミディ胡蝶蘭です。ファーストラブには「幸せが飛んでくる」という花言葉があります。

フォーチュンザルツマンは、黄色の花弁に薄いピンクという個性的な色のミディ胡蝶蘭です。フォーチュンという名には「幸運」という意味があり縁起物としてギフトに人気があります。

ミディ胡蝶蘭は、温度管理をすれば1年のうちいつでも開花します。本来寒さに弱い花なので、寒い時期のミディ胡蝶蘭は置き場所や室温に注意が必要です。プレゼントとしていただいた場合は、ラッピングを必ず1週間以内にはずしましょう。

ミディ胡蝶蘭は鉢植えが適しています。もともと胡蝶蘭の原種は、高い木の表面に根をはる植物なので、地植えには適していません。鉢のほかにプラポット使用したり、流木付けや苔玉に仕立てたりもできます。鉢の種類は水苔には素焼き、洋ランバークにはプラスチックを使いましょう。

ミディ胡蝶蘭は基本的に室内で育てましょう。室温は18～30℃のあいだで、特に寒さに弱いので最低でも10℃を下回らないように注意します。冬は室温が下がりにくい、人が普段生活しているリビングなどに置くのがおすすめです。

ミディ胡蝶蘭を置く場所は、風通しがよく直射日光があたらない明るい所です。直射日光があたると葉が黒く変色します。窓際などに置くときは必ずレースのカーテンなどを利用しましょう。また加湿器や空調の風が直接あたると、乾燥して葉がしわしわになるので注意が必要です。

ミディ胡蝶蘭は、水苔や洋ランバークを使って植えましょう。水苔は保湿性に優れているので、水やりの頻度を減らすことができます。洋ランバークは、腐りにくく病気の心配が減ります。ヤシガラや炭を使うこともできますが、普通の園芸用土は根が腐るので使えません。

ミディ胡蝶蘭は、植え込み材を確認して午前中に常温の水を与えます。水は花や葉にかからないように、根元にかけましょう。受け皿の水は、根が腐らないように捨てておきます。

購入して1年目は必要ありません。ミディ胡蝶蘭は、5月に緩効性化成肥料を置き肥します。そのあと9月まで、週1回程度に液体肥料を施しましょう。花が咲いているときや弱っているときには、逆効果になるので肥料は不要です。

ミディ胡蝶蘭にカイガラムシが付着することがあります。カイガラムシは1年を通して発生し、ミディ胡蝶蘭の養分や水分を吸い取ります。発見したらすぐにこすり落として、カイガラムシの駆除に有効な害虫用薬剤を散布しましょう。

ミディ胡蝶蘭の病気の原因にはカビ（炭そ病など）やバクテリア（軟腐病など）ウイルスなどがあります。病気を防ぐために、風通しをよくして温度や湿度の管理をしっかりしましょう。水やりをしたときに株の中央にたまる水は、清潔なティシュなどで吸い取ります。

ミディ胡蝶蘭の花はしおれてきたら、つみとります。花が咲き終わったら、株が長持ちするように支柱をとりはずして、花茎をなるべく根元で切りましょう。花茎を2～3節目で切るとすぐに新しい花芽が出てきますが、株が弱ってしまうので注意してください。

ミディ胡蝶蘭に特別な剪定は必要ありません。葉の病気や花後の管理に剪定ハサミを使用するときは、病気がうつらないように剪定ハサミを消毒してから使いましょう。

ミディ胡蝶蘭の苗を選ぶときは、葉に色つやがあり、根は太く、新しい茎にしわのないものを選びます。贈答用であれば、左右のバランスがよくある程度つぼみがあるものを選びましょう。

ミディ胡蝶蘭は2年に1回程度植え替えをします。植え替え時期は4月から遅くとも6月までに行うのが最適です。室温が20℃あればいつでも植え替えはできるので、根腐れなど急ぐ必要があればすぐに植え替えをします。

ミディ胡蝶蘭の花芽は最低気温が18℃の環境下で20日程度で形成されます。通常は秋ごろに花芽をつけて、花が咲くのは翌年の春ですが、温室の中で22℃～25℃で管理すると冬でも花が咲きます。

ミディ胡蝶蘭の増やし方は、花茎に芽ができたら根が伸びたところでわける、まれに出るわき芽をわける、株元にできる子株をわけるという方法があります。基本的には増やしにくい品種です。種から増やすことはほぼできません。