胡蝶蘭(コチョウラン)の概要
胡蝶蘭は、開店・開業祝いや結婚祝いなどの慶事、葬儀や法要などの弔事に贈られる人気の花です。大ぶりな連なって咲く花の様子は、群を抜く高貴さと優雅さを持っています。高価な花ですが見栄えも花持ちもよいため、冠婚葬祭に欠かせない花といえるでしょう。
胡蝶蘭の原産国
胡蝶蘭の原産国は、フィリピンや台湾、東南アジアや東南アジアといった亜熱帯~熱帯地域です。気温の高い国生まれの植物のため暑さや乾燥には比較的強いですが、冬の寒さには弱いという一面を持っています。
胡蝶蘭の学名と英名
胡蝶蘭の学名は、「Phalaenopsis aphrodite(ファレノプシスアフロディテ)」です。ファレノプシスとは「蛾のよう」という意味です。英名の「モスオーキッド」は、モス(蛾)に似ているオーキッド(蘭)ということからつけられたといわれます。日本では、花弁の様子を蝶のように表現した「胡蝶」が使用されていています。
ボタニ子
「蛾」よりも「蝶」のほうが優雅な印象だよね!「蛾蘭」にならなくてよかった…。
胡蝶蘭に種類はあるの?
胡蝶蘭には、以下のような種類があります。
- ファレノプシス属…一般的な胡蝶蘭
- ドリティス属…多様な色合いがある
- ドリテノプシス属…上記二つの種の交配で生まれた種類
胡蝶蘭の原種は約50種類と豊富で、それらの種類の特徴をとらえた交配によっていろいろな種類の胡蝶蘭が誕生しています。
冠婚葬祭の贈り物に選ばれる花
抜群の高級感や花持ちのよさが人気の理由!
胡蝶蘭は、冠婚葬祭で用いられる代表格の花です。胡蝶蘭の持つ気品と高級感、加えて花もちのよさが冠婚葬祭の贈り物に選ばれる理由に挙げられます。また香りが強くない点や花粉が散らないという特徴も、贈り物に適している要素といえるでしょう。
ボタニ子
確かに、花のにおいに敏感な人も少なくないよね。香りがきつくないのはプレゼントに選ばれる大きな理由だね。
胡蝶蘭の花言葉【全般】
贈り物にふさわしい花言葉!
胡蝶蘭には、「幸せが飛んでくる」「清純」という花言葉がつけられています。「幸せが飛んでくる」は、お祝いの贈り物としてよい意味合いの花言葉です。名前の「蝶」が、贈られた人に幸運を連れてくるイメージが浮かぶかもしれません。また、亡き人を悼む静かな清らかさを表す「清純」も、お悔やみのシーンに適しているといえるでしょう。
胡蝶蘭の花言葉【色別】
胡蝶蘭は色別にも花言葉がつけられています。ピンクや黄色などさまざまな色の胡蝶蘭があるため、それぞれの花言葉を把握して気持ちのこもったギフトを贈りましょう。
白色の胡蝶蘭の花言葉
白い胡蝶蘭の花言葉は、「清純」「純粋」です。一点の曇りもない清らかな白色から連想された花言葉といえるでしょう。白色の胡蝶蘭はお祝い事はもちろん、葬祭でも使われます。比較的大きな花の胡蝶蘭でも、白色は周囲への圧迫感を与えにくく、どのような場所・場面にもなじみやすいです。
ピンク色の胡蝶蘭の花言葉
ピンク色の胡蝶蘭の花言葉は「あなたを愛します」です。ピンク色の胡蝶蘭は可憐で見栄えもするため、お祝い事の贈り物にぴったりです。愛を意味する花言葉をもつことから、家族の誕生日や結婚記念日、母の日などの愛や感謝を伝える日の贈り物に適していますね。
ボタニ子
普段は伝えづらい愛の言葉も、花言葉なら伝えられるよね!メッセージカードに花言葉を書くだけでOKだよ。
紫色の胡蝶蘭の花言葉
紫色の花弁の胡蝶蘭は、開発から日が浅いため色別の花言葉を持っていません。このような場合は、胡蝶蘭全体につけられている「清純」という花言葉が使用されます。日本では古くから紫色は高貴な色として知られているため、年長の尊敬する人や、敬老の日や長寿のお祝いなどで贈るのがおすすめです。
黄色の胡蝶蘭の花言葉
黄色の胡蝶蘭は、明るくはつらつとした雰囲気を漂わせます。黄色の胡蝶蘭も特別な花言葉は持っていないため、全般の「幸運が飛んでくる」が使われます。黄色には金運をアップのイメージがあることから、開業や移転祝いの贈り物に最適です。
ボタニ子
珍しい色の胡蝶蘭には、まだ色別の花言葉がつけられていないことが多いんだね。
ボタ爺
緑色や青の胡蝶蘭もあるんじゃが、まだ花言葉はつけられていないようじゃの。
胡蝶蘭を贈るときの注意点
冠婚葬祭で胡蝶蘭を贈るときは、マナーを守ってスマートに贈りたいですね。注意点を知っておけば、突然胡蝶蘭を贈ることになっても慌てずにすむでしょう。
お祝い事で贈るときの注意点
お祝い事で胡蝶蘭を贈るときは、基本的に相手の好きな色を選ぶと喜ばれます。珍しいものが好きな方には、紫やグリーンなどの希少なカラーで驚かせるのもよいでしょう。結婚祝いや大切な記念日などは、白い花弁に赤リップの紅白カラーの胡蝶蘭を贈るのもおすすめです。
①適切な大きさであるか
贈る先の店舗や家にあう大きさの胡蝶蘭を選びましょう。胡蝶蘭の花の大きさは、小輪~大輪で違いがあります。また、茎の本数によって「1本立ち」「7本立ち」とサイズが変わります。大輪で本数が多いほどサイズは大きくなり、置くための広いスペースが必要です。大きすぎて空間を圧迫してしまったり、小さすぎて寂しい雰囲気になったりしないよう気をつけましょう。
②開店祝いでは赤色はNG
新装開店した店舗へのギフトは、胡蝶蘭に限らず赤いものは基本的にマナー違反といわれています。赤は炎を連想させるため、縁起がよくないということが理由です。赤系の胡蝶蘭を贈るのは避けたほうが無難です。
弔事で胡蝶蘭を贈るときの注意点
弔事で胡蝶蘭を贈る場合は、カラーと相場に注意しましょう。また相場も把握しておくと、相手に失礼な行動と受け取られることなく胡蝶蘭を贈れます。
①相場を把握しておく
弔事で胡蝶蘭を贈る場合、15,000円~30,000円が相場です。価格的に3~5本立ちの胡蝶蘭が適しています。安すぎるものは失礼になってしまうため、価格には十分に注意しましょう。
②色の組み合わせに注意
弔事では胡蝶蘭の色選びも重要です。慶事にぴったりの赤と白の組み合わせはNGです。故人の生前の希望やその家族が「どうしてもこの色の胡蝶蘭がよい」などのリクエストがあった場合を除き、葬祭時では白色がベターです。
贈り物にはミニサイズもおすすめ
母の日や誕生日などの記念日に胡蝶蘭を贈るなら、小輪や1本仕立ての胡蝶蘭を選んでみるのもよいアイデアですよ。一般家庭であれば、あまりにも大きな花を家の中に置くとスペースをとってしまう可能性があります。そのようなときにミニサイズの胡蝶蘭は邪魔にならず、花の美しさを堪能できます。
すてきな花言葉の胡蝶蘭を贈ってみよう
蝶が舞うような花姿が美しい胡蝶蘭は、冠婚葬祭に使われる王道の植物です。白い胡蝶蘭がポピュラーですが、近年はピンク色をはじめいろいろなカラーが販売されています。豪華な大輪だけでなくミニサイズもあり、贈る相手の状況に適した胡蝶蘭を贈れますよ。冠婚葬祭の特別なときに、胡蝶蘭の美しさを添えましょう。
出典:写真AC