テンナンショウは、アジア全般に分布している植物です。あまり大きくならないため、コンパクトに育てられます。また耐寒性に優れるため冬越しなどの管理が簡単で、初心者でもチャレンジしやすいのもうれしいポイントです。
園芸部類 | 山野草 |
形態 | 単子葉類 |
樹高・草丈 | 15〜30cmほど |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 高い |
耐暑性 | 弱い |
特性・用途 | 毒を持っている |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
テンナンショウの特徴の1つとして「仏炎苞(ぶつえんほう)」があります。仏炎苞はサトイモ科の植物に多い特徴で、中心に立っている肉穂花序を守るために発達した葉です。テンナンショウはサトイモ科の中でも特に大きな仏炎苞をもっています。
(山野草)ウラシマソウ(浦島草) 3号(1ポット)(開花終了 休眠株)
参考価格: 900円
ウラシマソウはテンナンショウ属の代表的な植物で、北海道などに自生しています。古くはアイヌの人々が生薬として使用していたという、長い歴史があります。またあまり市場に出回らないため、手に入れることが難しい植物です。
レア度 | ★★☆ |
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サイズ | 2.5号ポット(直径7.5cm) |
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ムサシアブミ
参考価格: 1,320円
ムサシアブミは、ウラシマソウとは違い関西に自生しています。3出複葉という珍しい葉を持ち、ほかのテンナンショウ属よりも花が短いという特徴があります。
レア度 | ★★★ |
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サイズ | 2.5号ポット(直径7.5cm) |
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植え付け時期 | 2〜3月頃 |
植え替え時期 | 2〜4月頃 |
種まきの時期 | 10〜11月頃 |
肥料の時期 | 10〜11月頃 |
花が咲く時期/開花時期 | 3〜6月頃 |
テンナンショウの栽培適期は、2月下旬〜4月上旬です。この時期にテンナンショウは栄養を多くとりこみ、秋につれてどんどん大きく成長していきます。そのため、この時期は植え付けや植え替えなども、株を傷めることなく比較的スムーズにできます。
テンナンショウは露地やプランターで栽培せず、基本的に鉢植えで栽培します。大きめの鉢に10cmほどの深さで埋めて管理すると、元気に育ちます。
テンナンショウは、春と秋には屋外と室内で栽培できます。しかし夏では直射日光に耐えきれず枯れてしまうので、7月上旬を目安に室内で栽培を始めるがおすすめです。
テンナンショウには耐陰性があるため、あまり日の当たらない場所でも管理できます。半日陰で育てる場合は70〜80%ほどの遮光率がもっとも適切で、株にほのかな光が当たっている程度で問題ありません。
テンナンショウは高温多湿に弱いため、水はけのよい用土を使いましょう。代表的なものでは「鹿沼土」や「赤玉土」で、これらはテンナンショウの根腐れを防いでくれます。
テンナンショウは高い湿度を好むので、用土の表面が乾いたのを確認したら水を与えてください。また乾燥に弱い一面があり、休眠期に入っても用土が完全に乾かないように気をつけましょう。
肥料がなくとも育ちますが、与えるとさらに成長が早まります。冬に肥料をやると「肥料やけ」という状態になり根詰まりを起こす可能性があるため、春か秋に液肥を与えるとよいでしょう。
屋外で管理している場合、カイガラムシやナメクジが寄ってくることがあります。これらの害虫は簡単にテンナンショウを弱らせてしまうため、防虫ネットや定期的な見回りで早めの対策をしましょう。
テンナンショウは、「軟腐病」と呼ばれる病気にかかりやすい傾向があります。軟腐病は細菌によって引き起こされ、とても早く進行します。そのため軟腐病にかかった株を見つけたら、すぐに抜いてください。
テンナンショウは病害虫に弱いため、購入するときには花や茎に害虫がいないかよく確認してください。また、用土にアブラムシなどが潜んでいる可能性があります。あわせて用土もチェックしましょう。
植え替えるときは、用土に埋まっている球根を傷つけないようにしてください。傷がついてしまうと植え替え後の管理がうまくいかないため、鉢から取り出すときは用土と一緒に優しく取り出しましょう。
夏越しをするときは、水やりは午後にしてください。午前中に水を与えると気温が上がり煮えてしまうのです。気温が低い時間帯に水やりをすると夏越しが成功します。
気温が0℃を下回るとテンナンショウは枯れてしまいます。特に気温の下がる夜間は室内に入れてください。屋外や温室で栽培している場合は、屋外用ファンヒーターなどで温度調節をするとよいでしょう。
テンナンショウは「分球」という方法で増やせます。分球は大きな球根から子球を切り離して植えるだけなので、とても簡単です。しかし、発芽に2年かかることもあります。なかなか発芽しなくても気長に待ちましょう。