マンサクは、マンサク科マンサク属に分類される、日本の固有種です。2~3月の冬から初春にかけて黄色い小さな花をたくさん枝に付けます。多くの植物が枯れる冬に、マンサクの花が満開となる様子はじつに美しく、日本の冬~初春を彩る庭木として人気があります。
園芸部類 | 庭木・花木 |
形態 | 落葉樹 |
樹高・草丈 | 低木 |
花の色 | 黄色、赤、オレンジなど |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 鑑賞用 |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
マンサク、耐寒性・耐暑性ともに高く、初心者でも育てやすい庭木の1つです。成長速度がゆっくりで、狭く限られたスペースに植えられます。樹形も自然に整いやすく、剪定の手間も少ない庭木です。
マンサクは落葉樹です。葉を落としたあとに花をつけるため、小さい花ですが非常に目立ちます。葉の落ちた枝にたわわにつく黄色く小さな花は、まさに春を告げる花といえるでしょう。冬に咲かせる花の美しさだけではなく、新緑や紅葉の季節もその葉の美しさで、多くの人の目を楽しませてくれます。
マンサクの花は冬の終わりとともに「真っ先に咲く」ことから、「マンサク」という名がつけられたともいわれています。またマンサクの花の咲き具合でその年の豊作を占ったともいわれており、漢字表記の「満作」はそれに由来します。
シナマンサクは、見た目は日本のマンサクによく似ていますが、中国の固有種です。花の香りが非常に強く、日本のマンサクのように葉が枯れても落葉しません。
マンサクの新品種は、日本のマンサクと中国のシナノマンサクを交配させて作られることが多いです。アカバナマンサクもマンサクとシナノマンサクの亜種が交配して誕生したといわれています。赤い色が大きな特徴で、おめでたい花としても人気があります。
ボタニ子
植え付け時期 | 3月 |
植え替えの時期 | 3月 |
肥料の時期 | 5月、12月 |
剪定の時期 | 3~4月 |
花が咲く時期/開花時期 | 2~3月 |
木や植物を植える際は、「根が動く」前に植えるのが望ましいです。マンサクは冬の終わりには花を咲かせ根が動き出します。そのため、厳冬期を避けた3月や秋の終わりの11月ごろに植え付けるのがよいでしょう。
マンサクは成長スピードがゆっくりではありますが、大きな株へ成長します。鉢植えにはあまり適さず、庭植えとして楽しむのがおすすめです。
マンサクはゆるやかに大きく成長するため、室内での栽培には向きません。寒さや暑さに強い特性から、屋外での管理が望ましいでしょう。
マンサクは日当たりのよい場所を好みます。ただし、極度に乾燥したような土地は嫌うため、日当たりがよく水持ちのよい場所を選びましょう。
マンサクは水はけがよく、ある程度水持ちをする土を好みます。庭植えの際は、地面に穴を掘り、そこに腐葉土や堆肥をすき込みましょう。
ほとんどの場合、マンサクは庭植え(地植え)で育てるため、鉢植えで管理すようなこまめな水やりは不要です。植え付けたばかりで根が地面についていない時期と、夏の暑い時期には朝または夕方にたっぷりと水を与えます。
元肥としては植え付ける際に、土に緩効性肥料を混ぜ込んでおきます。追肥としては5月と12月に緩効性肥料や油粕といった有機肥料を与えます。
マンサクにはこれといって大きな病害虫はありません。ただし、近年、原因不明の病気が発生しており、春先に出てきた葉が枯れるという現象が報告されています。マンサクは花後に葉が芽吹いてきます。その時期は葉をよく観察しましょう。マンサクを台木にした苗は他の品種であってもこの病気に感染する恐れがあります。
花後の管理としては、枯れ枝の剪定があります。花後に新しい葉が芽吹きますが、それが始まるまでに剪定を終えておくとよいでしょう。剪定といっても枯れ枝を落とすだけで十分です。
マンサクは剪定もほとんど必要ありません。ただし、花後に葉が芽吹いてくるまでに枯れ枝を落としておくと順調に成長します。また、株元から「ひこばえ」という徒長枝が出ているときは根元から剪定します。
マンサクは耐暑性も強く、これといった夏越しの準備も不要です。ただし、極度の乾燥には注意が必要です。暑い日が続き、地面が乾燥しているときはたっぷりと水やりします。
マンサクは耐寒性も強いです。特別な冬越しの準備は必要ありません。
マンサクの主な増やし方は「とり木」です。とり木とは、若い枝を選び、その枝の表皮を剥ぎ取り、そこから根出しする方法です。挿し木のように枝を剪定してから根を出すわけではないので、枝を切り取ってしまわないように注意します。
アカバナマンサクのように、マンサクとシナノマンサクの交配種は何種かあります。品種について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。