マンサクとは
マンサクとは、日本が原産地のマンサク科マンサク属の低木です。耐寒性が強いのが特徴です。樹高は5mから10mで、日本各地の山に分布します。学名をHamamalis japonica、和名をマンサク(万作または満作)といい、冬の11月〜12月頃に落葉します。マンサクは耐寒性が強く初心者におすすめの庭木です。「まず咲く」が名前の由来で、マンサクの特徴から「豊年満作」を祝い縁起を担がれてきました。
マンサクの特徴
マンサクの樹は1m~3mの高さに育ち、耐寒性と耐暑性が強く、黄色の花を咲かせます。花が咲くのは早く、いち早く春の訪れを知らせるため、初春の野山ではマンサクの花が咲き誇りとても目立ちます。マンサクの木の枝は水平に伸びるのが特徴で、空に向かってまっすぐに生え、整然とした印象があります。樹は灰褐色で模様があります。
紅葉して赤くなるマンサクの葉
マンサクの葉の形は菱形の卵型で、葉の両面が非対称、長さは5cm~11cmあり葉の先が尖っています。葉の表面と裏面は色の違いがあり、裏のほうが淡い緑で、葉の表面のほうが濃い色をしています。葉はギザギザした触感です。マンサクの葉は、10月〜11月の秋ごろになると葉の色が濃くなり、紅葉を見せます。美しい深みのある赤色に変化し紅葉になって落葉します。
マンサクは薬草でもあり、葉は止血作用があるとされ、葉を干して薬用に用いられます。
春の訪れを告げるマンサクの花
マンサクは、落葉期の2月~3月頃に、葉よりも先に香りのある短冊状の黄色い花を咲かせます。マンサクの花弁の数は4枚で、花弁の形は細長く1.5cmほどあり、ねじれているのが特徴です。花は2本〜4本ほど固まって咲きます。まだ寒い初春に花を咲かせるマンサクの咲き乱れる黄色の花は、豊年満作を祝う縁起の良い花木として親しまれてきました。
マンサクの種類
マンサクは黄色の花を咲かせますが、種類の違いにより、花弁の色が変わってきます。マンサクとシナマンサクの交配品種も多く、花の色は白、赤、オレンジ、ピンクなど多様です。こちらでは、見分けがつきにくいといわれるマンサクの品種の違いを、アカバナマンサク、マルバナマンサクに分けてご紹介します。
マルバマンサク
マルバマンサクは、北海道南部や日本海側に分布する亜種です。マンサクより薄い、よく似た黄色い花を咲かせます。マルバマンサクは、葉の上部がマンサクよりも丸みがあるのが特徴です。マルバマンサクの品種には、花の色が濃く花の付け根が赤いニシキマンサク、花の色まで赤くなるアカバナマンサクがあり、マルバマンサクとは区別されています。
アカバナマンサク
マンサクの種類には、アカバナマンサク(別名、ベニバナマンサク)があります。アカバナマンサクは、マルバマンサクの変種です。本州日本海側と北海道で主に生息します。マンサクは黄色や黄金色のねじれた細長い花を咲かせますが、アカバナマンサクは文字通りの赤い花を咲かせます。紅葉期のマンサクの葉の色も、茶色や赤色の見事な深みのある色に変化します。
次のページでは、マンサクの育て方と基本的なお手入れをご紹介します。
マンサクは成長が遅いのも特徴で、手入れをして狭い場所に植えても育ちます。