園芸部類 | 草花 |
形態 | 自生地では宿根多年草、一部日本では一年草扱い |
樹高・草丈 | 15cm~150cm |
花の色 | 赤、ピンク、白、紫、藤、複色 |
耐寒性 | 一年草弱い、宿根草強い |
耐暑性 | 一年草普通、宿根草強い |
特性・用途 | グランドカバー |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
ヴァーべナは一年草と宿根多年草の2種類があります。そのなかでもほふく性と立ち性があり、品種としては250種以上ととても種類が多い植物です。一年草のヴァーべナは耐寒性が弱く、冬には枯れてしまいます。宿根多年草のヴァーべナは冬に地上部が枯れても根が生きていて、暖地であれば屋外でも冬越しできます。
ヴァーべナはラテン語の「haeba bona」が由来しです。「よい植物」「祭壇用の植物」という意味があります。
リキダポラリスは淡いピンク色のヴァーべナです。宿根性で別名「宿根ヴァーべナ」とも呼ばれます。草丈は30cm~40cmで花の直径は3mm~5mmです。同じリキダの名前をもつリキダベノーサは、薄い紫色の花を咲かせます。
ヴァーべナセンセーションはフォザーギルズという会社が開発しました。センセーションは小ぶりのヴァーべナで、草丈は20cm前後です。宿根タイプで耐寒性があります。花色には白、ピンク、紫などがあり、よい香りが魅力です。
タピアンの元になったヴァーべナテネラという品種は、耐寒性の強い宿根草タイプです。これをサントリーフラワーが品種改良し、耐寒性と病害虫への耐性をより強めたものがヴァーべナタピアンシリーズです。関東以西であれば屋外で寒さ対策なしでも冬越しでき、うどんこ病にかかることもほぼありません。
ヴァーべナベスタとは一年草のヴァーべナシリーズです。花の色は赤、ピンク、白があります。大きくなりすぎずコンパクトで管理がしやすい品種です。ヴァーべナベスタシリーズはタピアンシリーズにくらべて、病害虫にかかりやすいので注意しましょう。
種まき時期 | 3月~4月、9月~10月 |
植え付け時期 | 3月~5月、9月 |
追肥の時期 | 5月~7月、9月~10月 |
剪定の時期 | 夏 |
花が咲く時期/開花時期 | 4月中旬~11月頃 |
ヴァーべナは品種改良されて育てやすい品種ですが、種まきや植え付けは霜が降りる心配がなくなってからにしましょう。寒さが続く年は、種まきは4月、植え付けは5月に入ってからが安心です。暖冬の場合は種まきや植え付けを3月にしてもよいでしょう。
ヴァーべナをプランターや鉢植えにする場合、一番下に軽石を2cm~3cmしきつめます。その上に新しい用土をいれ、苗を植え付けます。60cmのプランターであれば3株が目安です。地植えの場合、元の土に腐葉土と緩効性化成肥料を混ぜ込んでから植え付けしましょう。ヴァーべナは庭植えするとグランドカバーになり、ハンギングバスケットに植えると空間に色どりを与えてくれます。
ヴァーべナは日当たりがよい場所で管理しましょう。室内や日陰でも育ちますが、花が少なくなったり、葉の色が悪くなったりします。ヴァーべナは耐暑性が強い種類が多いので、春や秋は直射日光がしっかり半日以上当たる場所で管理しましょう。真夏のあまりにも強い日差しのときのみ、日中は半日陰に避難させるか、遮光布で保護します。
ヴァーべナは水はけがよい用土を好みます。乾燥気味に栽培するとよいでしょう。プランターや鉢植えにするときは、市販されている花や草用の栽培土を使います。自作する場合は、赤玉土6に対して腐葉土4を混ぜこみましょう。元肥が必要なので緩効性化成肥料も一緒に混ぜます。地植えするときは元の土に腐葉土と、元肥として緩効性化成肥料を混ぜましょう。
ボタニ子
プランターや鉢植えにする場合は、必ず新しい用土を使いましょう。土の使いまわしは病害虫がつく原因になる可能性があるからね。
プランターや鉢植えのヴァーべナには、土が乾いたら下から流れでるほどしっかり水を与えるのがコツです。いつも土が湿っている状態は苦手なので、頻繁に少しずつではなく、たまにたっぷりがよいでしょう。水やりをしっかりすることで、たくさんの花が咲きます。
夏場のプランターや鉢植は水切れしやすいので、土が乾いているようであれば、朝夕2回たっぷり水やりしましょう。地植えの場合は植え付けのときに水やりしますが、それ以降は降雨でしのげます。真夏の日照りが続いて、葉がしんなりするようであれば、様子をみて水やりしましょう。
耐寒性の強い宿根タイプのヴァーべナは、冬に地上部が枯れても地中で根は生きています。からからにならない程度に土の様子をみて水やりしてください。
ボタニ子
水やりするときは花にかからないようにしてね。しぼんでしまうわ。土に直接水やりしましょう。
ヴァーべナは、開花時期がとても長くたくさんの花を咲かせるのにパワーが必要です。花をたくさん長い期間咲かせるためにも、元肥はもちろんですが、鉢植え・地植えともに追肥をしてください。置き型の肥料を1カ月に1回与えるか、10日~2週間に1回水やりの代わりに液肥を与えると花つきがよくなります。
ヴァーべナはうどんこ病にかかったり、アブラムシがついたりします。うどんこ病は風通しをよくすることで予防し、アブラムシは薬剤で駆除しましょう。品種改良されたヴァーべナは病気にかからず害虫もつきにくくなっています。ヴァーべナ・タピアンのシリーズは耐寒性が強く、病害虫に強い種類です。
ヴァーべナは花後、花茎の根元からカットしましょう。咲き終わった順に花がらをカットしておくと風通しがよくなります。そのままにしておくと種ができて、株に負担がかかり花の数が減ることもあるので、たくさんの花を咲かせるためにも花がら摘みはしておきましょう。
ヴァーべナの種まきは3月~4月、9月~10月にします。寒さがゆるんだころと暑さがおさまったころがおすすめです。ヴァーべナの種をまく前に1晩水につけてきれいにあらい、新しい種まき用の用土にばらまきし、薄く土をかぶせます。発芽まで15日~20日ほどかかるので、それまでは水を切らさないようにしましょう。種から育てるのは一年草が多いです。
ヴァーべナの育苗ポットを真上から見下ろしたときに、ポットが見えないくらい本葉がしげったら、プランターや庭に定植します。
ヴァーべナの花が咲き、花がら摘みをしたり横から枝が伸びたりして株の形がくずれてきたら、思い切って切り戻しましょう。1/2~1/3くらいになるまで剪定すると、脇から枝がでて新しい花芽がつきます。
ヴァーべナを育苗ポットからプランターや庭に定植したときに、苗の一番上を2節~3節摘心しましょう。摘芯することで枝分かれがよくなって、花がたくさん咲きます。
ヴァーべナは品種改良で耐寒性が強くなり、冬越しできるようになりました。暖地では屋外でも冬越しできますが、寒冷地では室内の暖かい場所で管理します。
ヴァーべナの増やし方は、種と挿し木です。種は花がらを摘まずにいるとつくられます。挿し木は切り戻した枝を2節~3節にカットして30分~1時間、水あげをしましょう。挿し木用の用土に挿して水気を切らさないように管理すれば、10日~2週間で発根します。
出典:写真AC