園芸部類 | 草花、山野草 |
形態 | 多年性宿根草 |
樹高・草丈 | 50cm~200cm |
花の色 | 淡い紫~青紫 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 切り花、地植え、鉢植え |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
シオンは多花性で大型の多年草です。管理環境がよければ200cmほどまでのび毎年株を大きくします。茎の先に大量の花をつけた大株のシオンは見ごたえがあるでしょう。日本では平安時代から存在するほどなじみのある植物です。シオンの園芸種は広くでまわっていますが自生種は数が減り、レットデータ絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。
シオンは原産国の1つである中国の呼び方「ジワン」が変化し、紫の花から「紫苑」の漢字があてられました。別名の「オニノシコグサ」は今昔物語に由来し、「ジュウゴヤソウ」は十五夜が見られる時期に満開を迎えるからといわれています。シオンの英名は「タタールの(tataricu)星(aster)」を意味します。シオンの花びらが放射線状にひろがるのが星に例えられたのが由来で、タタールとはモンゴルやシベリアなど北アジアで活動する民族の総称です。
シオンの仲間のアスター属は500種類以上あります。
ミカエルマスデイジーはニューファンブランド島やカナダ周辺、北米に自生していた耐寒性宿根草です。明治時代の中頃に日本に輸入されました。花色は、ピンク、白、藤、青紫、赤紫と多いのが特徴です。花の大きさは2.5cm~4cmで草丈は30cm~180cmになります。一重、半八重、八重と形状も多いです。ユウゼンギク、メリケンコギク、ニューヨークアスターの別名をもちます。
ノコンギクは日本原産の植物で本州から九州まで広い範囲に自生しているシオンの仲間です。花の色は白、薄紫~紫とグラデーションがあります。2cm~2.5cmの可憐な花は一重で、草丈は50cm~100cmです。ノコンギクはコンギクの野生種で、ノギクとも呼ばれます。花言葉は「長寿、幸福、守護、忘れられない思い」です。
クジャクアスターは北米原産の植物で昭和30年代に輸入されました。1.5cm~2cmの小花を枝先に無数につけた姿が、羽を広げたクジャクに似ていることが名前の由来です。別名はシロクジャク、クジャクソウ、クジャクギク、キダチコンギクなどがあります。花色は淡い紫やピンクもありますが、白が一般的です。形状は一重、八重、手毬型などがあります。
植え付け時期 | 3月~4月、10月~11月 |
植え替え時期 | 3月~4月、10月~11月 |
肥料の時期 | 4月~5月、9月~10月 |
剪定の時期 | 6月 |
花が咲く時期/開花時期 | 9月~10月 |
シオンの植え付けや植え替えは春の新芽がでるまえと、秋の花後にしましょう。春の植え付けや植え替えは3月~4月の暖かくなってからにします。シオンは強い植物なので神経質になることはありません。秋の植え付け、植え替えは花が咲き終わった10月~11月がよいでしょう。年によって花が長く咲く場合は、切り花用に刈り込んでからでもよいです。
シオンは草丈が200cm近くになる大型の植物なので、庭植えがおすすめです。株が育つことを考えて、複数植える場合には、株間を20cm~30cmあけましょう。鉢植えにしたい場合は大きめの植木鉢をえらんでください。
シオンは屋外の風通しがよく日当たりがよい場所で管理します。
シオンは日光が好きですが乾燥には弱いので、西日が強く当たる場所や真夏の直射日光は避けましょう。あまりにも日差しが強い場合は、植木鉢は半日陰へ移動し、庭植えは寒冷紗で遮光します。シオンは日が短くなると花が咲きだす短日植物です。夜、街頭の明かりがこうこうとあたる明るい場所で管理すると花が咲きづらくなります。段ボールや遮光布で夜間の光を遮断しましょう。
シオンは水はけのよい用土を好みます。シオンを庭植えする場合、掘り返した庭土に対して3割ほどの腐葉土を混ぜ込んでもどします。鉢植えにするときは、市販の花と野菜の用土を使うと便利です。用土を自作するときは、赤玉土7:腐葉土3で混ぜます。
シオンを鉢植えしている場合は、土がかわいてからたっぷりと、下から水が流れ出てくるくらい水やりしましょう。毎日すこしずつだと土の湿度が高くなりすぎ、根腐れの原因になります。土をみて乾燥したらたっぷり水やりがおすすめです。庭植えは植え付けのときに根張りをよくするためにたっぷり水やりしますが、それ以降は降雨でしのげます。
シオンは強い植物なので肥料をあげなくても枯れずに花を咲かせます。しかし、肥料をあげたほうがより花の数が増えますので、春と秋に緩効性化成肥料を置き肥しましょう。春は4月~5月に新芽が出るタイミングであげます。秋は、花が咲いている9月~10月にあげましょう。
シオンは病気や害虫は心配ありません。しかし、風通しや日当たりがよくない栽培環境の場合は、うどんこ病やアブラムシが発生することがあります。うどんこ病にかかった葉やアブラムシがついた部分をを発見しだいとりのぞき、薬剤や殺虫剤を散布しておきましょう。
シオンはまっすぐ伸びた茎がたくさん枝分かれし、その先端に花を咲かせます。花後は茎ごと花がらを摘みましょう。その際、枯れた茎や葉も一緒に剪定しておくと風通しがよくなります。
シオンの苗は下葉が枯れていない、葉に元気のあるものを選びましょう。耐陰性はありますが、長時間日当たりの少ない場所で管理した苗は茎が間延びする徒長(とちょう)をおこしているので、しっかりした茎の苗を選んでください。
シオンの植え替えは庭植えの場合、3年~4年で株分けもかねておこないます。植え替えの季節は3月~4月か10月~11月にします。株が大きくなるとこみあって栄養がまわりづらくなり、株が弱るためです。鉢植えの場合は1年に1回ペースでの植え替えをおすすめします。鉢の下から根がでてきたら根づまりのサインなので植え替えましょう。
シオンは大型でたくさん花を咲かせるのが醍醐味ですが、200cmまで大きく育つと花がら摘みや枯れた茎の除去など管理がたいへんになります。シオンが40cm~50cmになったら芽の先端を摘心しましょう。2節~3節摘心すれば、大きく育ちすぎることもなく花芽が増えます。
シオンの花が終わったら地面から10cmくらいの場所で地上部を剪定しましょう。地上部は枯れますが、根の部分は生きています。温暖な地域はそのまま防寒なしで冬越しできるでしょう。霜がおりる寒冷地では剪定した枝の上にたっぷりの腐葉土をかぶせて、霜が降りないようにしてください。
シオンの増やし方の1つは株分けです。株分けは2月~3月の芽がでるまえの植え替えのタイミングでしましょう。根についた土を1/3~1/2おとして、やさしくほぐしておくと根がつきやすくなります。
シオンのもう1つの増やし方は挿し木です。挿し木は5月~6月にでてきた新芽の上部をカットして挿すと発根がはやいです。30分程度水あげしたあと、挿し木用の用土に挿しましょう。