フェリシアは、ブルーデージーと同じルリヒナギク属(フェリシア属)の仲間です。学名はフェリシア・ヘテロフィアですが、日本の園芸店では「フェリシア」という名前で流通しています。パステルカラーのブルーやピンクの小さな花がたくさん咲いた姿はとても可愛らしいです。
フェリシアはブルーデージーの別名にもなっているため、宿根草のブルーデージーと一年草のフェリシア(フェリシア・ヘテロフィア)とは混同されがちです。ブルーデージーは花芯が黄色、フェリシアは花びらと同系色と覚えておくとよいでしょう。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 秋まき一年草 |
樹高 | 20~30cm |
花の色 | 青、ピンク、白、濃紫、赤紫 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 弱い |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
フェリシアは、4月~6月ごろにパステルカラーの花を咲かせる一年草です。花芯は、花びらの色を濃くした色をしています。苗は自然に枝分かれして、こんもりとブッシュ状に茂り、一株でたくさん花をつけます。まとめて植えると見ごたえのある風景になります。花苗はあまり出回っていないので、苗が入手できない場合は、秋に種をまいて育てます。
フェリシアは、ラテン語の「felix」(恵まれている、幸福な)という言葉に由来します。宝石のような花の姿や、たくさんの花を咲かせることからこの名前をつけられたと言われています。
フェリシア「スプリングメルヘン」は、種が入手しやすいです。青に加えてホワイト・ピンク・濃青などの種もミックスされています。群生させると花色のグラデーションがとてもきれいです。ごくまれに苗の販売もあります。
パステル調の青い花色の「ザ・ブルー」とピンク色の「ザ・ローズ」の品種がありますが、花苗や種はほとんど出回っていません。春先になると、園芸店やネット通販で販売されることがあります。
種まきの時期 | 9月中旬~10月中旬 |
ポット上げの時期 | 11月頃(本葉が2~3枚になったら) |
植え付けの時期 | 翌年春3月頃から |
花が咲く時期/開花時期 | 4月頃~6月頃 |
種まきの適期は、9月中旬~10月中旬です。種まきが遅くなると苗が充分育たないうちに冬期に入ってしまい、その後の成長に影響します。フェリシアは耐寒性があまりないので、寒冷地の場合は9月中に種まきをしてしっかりとした苗に育ててから冬越しさせます。
フェリシアの苗はあまり出回らないので、秋に種をまいて育てます。発芽から1か月くらいで本葉が3~4枚になったらポリポットなどに植え替えをして、春まで苗を育てます。春になったら、鉢植え・庭植えどちらでも栽培できます。
フェリシアは日当たりを好み、過湿を嫌います。庭植えの場合は、日当たりがよく水はけのよい場所に植えます。鉢植えの場合も、日当たりのよい場所に置きます。耐寒性が低いため、冬の間は霜に当たらない場所で管理します。寒冷地では保温用フレームや屋内での管理となります。
庭植えの場合は、植える2週間前に庭土に苦土石灰を混ぜ込んでおきます。植え込み時に、腐葉土も混ぜ込み水はけをよくします。鉢植えの場合は、草花用の培養土で大丈夫です。
フェリシアは過湿を嫌うので、やや乾燥気味に管理します。庭植えの場合は、よほど乾燥した場合以外は降雨のみでかまいません。鉢植えの場合は、表面が乾いたら水やりをしましょう。
ポリポットなどに植え替えをしてから春の植え付けまでの間は、時々薄めの液肥を与えます。春に植え付ける際には、元肥として緩効性肥料を用土に混ぜておきます。花が開いてきたら1週間に1度くらいの間隔で液肥を与えると長く花を楽しめます。
フェリシアはアブラムシが発生しやすいです。風通しが悪いと害虫が発生しやすいので、株間をあけて植え付けます。また、花後の花がら摘みも予防になります。早期に発見できれば、手でこそぎ落とすだけでも効果的です。
フェリシアで見られる病気は、立ち枯れ病です。過湿によって発病しやすいので、乾燥気味に管理しましょう。
種まき用の土と育苗トレーか種まき用の箱を用意し、重ならないように種をまきます。種が隠れる程度に薄く土をかぶせて、霧吹きでたっぷり水を与えます。発芽までは日陰で管理し、乾燥しないように注意します。発芽したら、日当たりのよい場所へ移動し土の表面が乾いたら水やりをして管理します。多数発芽した場合は間引きをします。
本葉が3~4枚になったら、ポリポットなどに植え替えをします。日当たりのよい風通しのよい場所に置いて管理します。2週間に一度くらい薄い液体肥料を与えてしっかりとした苗に育てましょう。
フェリシアは耐寒性が低く、最低2~3℃程度の気温が必要です。寒冷地では、保温用のフレームや室内の室温が高すぎず日当たりのよい場所で管理します。霜に弱いので、暖かい地域の場合でも霜除けをすると安心です。やや乾燥気味に管理し、根詰まりや肥料切れに注意します。
3月に入り気温が上がってきたら、庭や鉢に植え付けます。庭植えの場合は、日当たりがよく水はけのよい場所を選びます。寒冷地では植え付け後の遅霜に注意が必要です。
フェリシアを増やしたい場合は、花後に種とりをします。花が終わって数日すると綿毛ができますので、綿毛ごと取ります。紙の袋などに入れてしばらく乾燥させて保管しておき、秋になったら種まきをしましょう。
出典:筆者撮影