レモングラスはガーデニング初心者の方でも比較的育てやすいハーブの一つです。ポイントをおさえれば誰でも簡単にレモングラスを育てられます。夏にはたくさんの葉を収穫でき、料理やポプリ、癒しアイテムなど様々な楽しみ方ができるのも嬉しいポイントです。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 100~200cm |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 低い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 鑑賞、料理 |
栽培難易度 | ★★★ |
レモングラスは、東南アジアや南インド、スリランカなどに多く生息しています。レモングラスの葉にはシトラールというレモンと同じ成分が含まれ、レモンのような爽やかな風味があります。レモングラスは大きく分けて東インド種と西インド種に分かれ、それぞれ学名は東インド種は「C.flexuosus」、西インド種は「C.citratus」です。
レモングラスはレモンと似たさわやかな香りとジンジャーのようなスパイシーな香りが特徴で、酸味もあるのでハーブティーやスープ、魚料理の香り付けなどに利用されています。
レモングラスはレモンのような香りがするハーブだったことから、「レモングラス」と名付けられたといわれています。
レモングラスの花言葉は「爽快」「爽やかな人柄」「凛々しさ」などです。レモンとジンジャーのような爽やかな香りと、イネ科独特のスッとしたたたずまいのレモングラスにぴったりの花言葉といえるでしょう。
レモングラスの芳香は精神力とエネルギーを高める効果が期待できます。レモンとジンジャーが合わさったような爽やかな香りで、心もリフレッシュできそうです。精油をホホバオイルなどと混ぜてマッサージに使うのもおすすめです。
レモングラスの精油には鎮痛、殺菌、消化促進などの作用が期待でき、虫よけスプレーやアロマテラピーに使われています。ただし子宮を収縮させる効能もあるとされており、妊娠中特に妊娠初期の方は使用を控えたほうがよさそうです。
レモングラスは世界中に数十種類あると言われていますが、大きく分けると西インド種と東インド種に分けられます。西インド種は茎が白く、葉が上に伸びていくのが特徴です。地面に植えると草丈は1メートルを超します。甘いレモンのような強めの香りです。
東インド種は、赤い茎の色が特徴で葉が横に伸びます。また、バラのようなしっかりとした匂いがあります。かつては熱を下げたり感染症の治療に使われていました。現在では西インド種が広く出回っており、レモングラスというとたいてい西インド種の事を指します。現在、家庭で育てるほとんどのレモングラスは西インド種であることが多いです。
植え付け時期 | 4月~9月 |
植え替えの時期 | 4月~9月。鉢植えに葉がいっぱいになったら |
刈り込みの時期 | 4月~9月 |
収穫時期 | 葉が15枚以上になったら根元から10~15センチのところを刈り取る |
レモングラスは6月~10月が栽培適期とされています。真夏は特に勢いよく育つため、1メートル以上伸びてきたら根元10センチから15センチのところを切り取ると良いでしょう。
レモングラスは熱帯地域で多く生息するハーブなので、地植え鉢植えともに日がよく当たり風通しのよい環境でよく育ちます。寒さには弱いので冬は注意が必要です。
レモングラスは種は手に入りにくく、苗から育てるのが一般的です。地植えなら4月~9月が植えつけの時期です。苗より一回り大きい穴を掘り、土が付いたままの状態で苗を穴に入れます。レモングラスは横にも広がって育つので、株の間隔は50センチ以上開けるとよいでしょう。
鉢植えも地植えと同じく4月~9月に植え付けるのがベストです。7~10号の深鉢に苗を一つ、苗の根に付いた土が崩れないよう水はけのよい土に植え付けましょう。秋の終わりごろからは日当たりのいい室内に置いておくと、冬を越すことができます。
地植え鉢植えともに、レモングラスはよく日が当たって風通しがよく、土の水はけのよい場所が栽培に適しています。冬の寒さには弱いので注意が必要です。冬を越させたい場合は鉢植えにし、日当たりの良い室内で育てます。
水はけのよい土が適しています。市販のハーブ用の土を使用するとよく育ちます。自分で土を配合する場合は、赤玉土(小粒)7:腐葉土2:川砂1、赤玉土(小粒)7:ピートモス3の割合で混ぜるとよいでしょう。
地植えの場合は、レモングラスを植え付ける1、2週間前に苦土石灰を土に混ぜておくと良いでしょう。レモングラスはハーブティにしたり料理に使ったりと口に入れることも多いので、有機肥料を選ぶ事をおすすめします。
レモングラスの適切な管理の方法をお伝えします。ポイントさえ守れば、夏の暑い時期にはたくさんのレモングラスを収穫できるでしょう。
レモングラスは乾燥に弱いので、地植えの場合は土が乾いたらたっぷりと水をやります。土にしっかりと根付いたら、毎日水をやる必要はありません。鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷり水を与えましょう。
レモングラスは植え付ける時に緩効性化成肥料か、堆肥を混ぜるのがおすすめです。4月~10月は月に一回程度液体肥料を与えましょう。
レモングラスは比較的害虫や病気に強く、安心して育てられる管理のしやすいハーブです。日光がよく当たり風通しがよく、水はけのよい土を好みます。寒さには弱いので、冬を越したい場合は地植えのものは鉢植えにして冬場は室内に移動させるのがおすすめです。
レモングラスは日本ではめったに花を咲かせません。まれに7月ごろに小さな黄色がかった白い花を見ることができます。レモングラスはイネ科ですが、レモングラスの花も稲と似たような小さく可憐な花が咲きます。
レモングラスの種は中々市場に出回っていません。家庭では苗から育てるのが一般的ですが、ここでは種から育てる場合のコツをお伝えします。
レモングラスの発芽温度は20~25度ですので、4~6月が種まきの適期といえます。種まき用土を育苗ポッドに入れ、湿らせたら深さ1センチほどの穴をあけ、種を2、3粒まきます。土をかぶせたら、水を与え、直射日光の当たらない明るい日陰で管理します。
レモングラスの草丈が5センチから6センチになったら、元気な芽を選び一本残して間引きます。草丈が10センチ以上になったら庭や鉢に植え替えましょう。
鉢植えの場合、鉢いっぱいに葉が茂ってきたら植え替えます。レモングラスを根から掘り上げたら、根を残すよう気を付けながらはさみなどで切り分けます。その後ポットなどに植え替えます。ハーブの中でもレモングラスは比較的簡単に株分けができます。鉢植えで育てていても何年かに一度は植え替えを兼ねて株分けをすると成長もよくなります。
レモングラスは真夏に成長し、地植えで2メートルを超すこともあります。大きく成長することを見越して植え付けると良いでしょう。多すぎる時は適時カットしたり株分けを行ったりしてボリュームを調整しましょう。
レモングラスは比較的暑さに強く管理がしやすいので、問題なく夏を越せるでしょう。乾燥を嫌うので水やりはたっぷりと行います。また、水はけのよい土を使い、風通しの良い場所で育てることがポイントです。
レモングラスは寒さに弱く、霜が当たると枯れてしまいます。原産が熱帯ですので、関東よりも北の地域ではそのままでは冬を越すことができません。長く育てたい時は鉢植えで日当たりの良い室内で冬を越させます。
外で冬を越す方法をお伝えします。10月ごろになるとレモングラスの葉が黄色味をおびてきます。株より10センチ上の葉を刈り取り、冬の間霜がかからないよう藁や腐葉土などで株をおおいます。
レモングラスは株分けすることで増やせます。根っこ部分を落とさないよう注意しながら掘り上げて、スコップやはさみ、刃物などで株を好みのサイズに切り分けます。ポッドなどに植え替えて完了です。レモングラスの株分けは、寒さや霜の心配のない春から秋、4月~10月あたりがおすすめです。
出典:写真AC