レモングラスとは
料理やハーブティーでもおなじみのレモングラスは、イネ科に属する多年草です。南インドやスリランカ、東南アジアが原産地で、日本でも九州地方や沖縄をはじめとした、温暖な地域で広く栽培されています。ススキやイネに似た細くて長い葉と、さっぱりとした柑橘系の香りが特徴のハーブです。
名前 | レモングラス |
別名 | 檸檬茅(レモンガヤ)、インドバーベナ |
科名 | イネ科オガルカヤ属 |
種類 | 多年草 |
原産地 | 南インド、スリランカ、タイ、ベトナムなど |
色 | 淡い黄色、オリーブ色 |
香りの強さ | 普通~強め |
花言葉は「りりしさ」「爽快」
レモングラスの花言葉は「りりしさ」、そして「爽快」です。気分をすっきりリフレッシュさせてくれる柑橘系の香りからつけられた、さっぱりとした印象の花言葉ですね。ちなみにレモングラスは7月から10月が開花期で、淡いピンク色の小さな花を咲かせます。
レモングラスの効能
すっきりさわやかな香りのレモングラスには、料理や殺菌、虫除けなど、いろいろな効能があります。代表的な効能をご紹介しましょう。
アジア料理に大活躍
レモンの香り成分である「シトラール」を含むレモングラスは、さわやかな風味で料理にもよく使用されます。特にアジア料理やカリブ料理にはなくてはならないハーブで、スープやカレーの香りづけ、肉や魚の臭み消しに役立ちます。日本でも人気のタイ料理「トムヤンクン」にも、レモングラスは使われていますよ。
ハーブティーはリフレッシュに最適
爽快感のあるレモングラスの香りは、ハーブティーとしても人気です。レモンのような香り成分「シトラール」には、眠気を覚ましたり、気分をリフレッシュさせたり、憂鬱な気持ちを和らげたりする効果が期待できます。そのほかにも「シトロネロール」や「リナロール」など、鎮静作用を持つ成分が多く含まれていて、「冷やすハーブ」の異名があるほどです。また、胃の働きを助け、脂肪を分解する作用もあるといわれていますので、食べすぎたあとや胸やけするときにもおすすめのハーブティーですよ。
鎮痛、抗炎症作用にも優れたハーブ
さらにレモングラスには、抗菌作用や殺菌作用もあるとされています。風邪を予防したり、腹痛や下痢の緩和にも効果的です。日本でも特に沖縄では、古くから薬草として用いられてきました。そのほかに血行をよくする作用もあるため、貧血の予防も期待できますよ。
消臭や虫除け対策にもばっちり
レモングラスはデオドラント効果にも優れたハーブなので、ペットやタバコのにおいが気になるときにも活躍します。シトラールの香りに満たされると、部屋の空気がリフレッシュしますよ。また、実はレモングラスは、虫除けスプレーにも広く使われています。レモングラスのさっぱりとした柑橘系の香りが、虫は苦手なのです。乾燥させた葉をクローゼットに入れておくのも、虫除けになるのでおすすめですよ。
レモングラスの栽培方法
レモングラスは病気や害虫の被害も受けにくいハーブなので、初心者でも比較的簡単に育てられます。日当たりや水やりなど、くわしい育て方を見ていきましょう。
レモングラスの栽培方法①日当たり、場所
レモングラスが好きなのは、日当たりと風通しのよい場所です。土質についてはあまり神経質になる必要はありませんが、水はけのよい土が適しています。鉢植えの場合は、ハーブ用の培養土を使うのがいいでしょう。地植えの場合も同様ですが、ほかのハーブがすでに育っているのであれば、その土にそのまま植えれば大丈夫です。
レモングラスの栽培方法②水やり
プランターや植木鉢のレモングラスは、土の表面が乾いたと思ったらたっぷりと与えるようにしてください。地植えの場合は、問題なく根付いたのが確認できたあとは特段水やりはしなくて大丈夫です。晴れの日が続いて土がひび割れたときや、気温の高い真夏の時期だけ注意しましょう。
レモングラスの栽培方法③肥料
地植えの場合、レモングラスにはほとんど肥料は必要ありません。プランターや鉢植えで育てるときには、ハーブ用の肥料を与えましょう。頻度は説明書に従ってください。収穫したレモングラスを食用として使うことがある場合は、肥料も有機肥料を選んだほうが安全ですね。
レモングラスの栽培方法④植えつけ
植木鉢やプランターでの栽培も、地植えでの栽培も問題ありません。ただしすくすくと勢いよく育ち、大きなものは1メートル以上の高さにもなるので、プランターや鉢植えよりも地植えの方が窮屈にならずに済むでしょう。成長したときのことを想定して、ほかの植物との間隔は広めに取っておくと安心です。また耐寒性がやや弱いので、寒い地域で栽培する場合は鉢に植えつけた上で、冬場は室内に避難させるといいでしょう。
レモングラスの栽培方法⑤収穫
レモングラスを収穫するときは、株元からカットするようにします。手でちぎっても構いませんが、葉が硬くてけがをしやすいのでハサミを使ってカットした方が安全です。収穫したまま置いておくとすぐに乾燥が始まるので、「使いたいときに使いたい分だけ」収穫するのがよいでしょう。フレッシュなレモングラスと乾燥させたレモングラスは香りがかなり変化するので、比べてみてもおもしろいですよ。
レモングラスの増やし方(株分け)
レモングラスは花が咲きづらくて種の収穫が難しいので、増やし方としては株分けという方法を使います。ひとつの株に3本から5本の根がつくように株分けを行い、それぞれ植えつけます。根がしっかりと張られるまでは、水もたっぷりと与えてください。レモングラスの成長のタイミングに合わせた4月ごろに実施すると、株分け後もぐんぐんと葉を伸ばしてくれますよ。
レモングラスのトラブル
丈夫で育て方も簡単なレモングラスですが、トラブルが発生することもあります。ここからは代表的なトラブルと、その対処法について見ていきましょう。
レモングラスのトラブル①増えすぎた
レモングラスは成長が速いハーブなので、日当たりや水の状態などがよい条件の日が続くとあっという間に鉢いっぱいに葉を茂らせます。たくさん収穫できるというレモングラスのメリットですが、あまりにも葉が茂ると風通しが悪くなって、葉の変色や枯死を引き起こしてしまう可能性があります。増えすぎて窮屈そうだなと感じたら、収穫の予定がなくても間引きを行ったり、ひとまわり大きな鉢に植え替えたりして、通気性を高めてあげるようにしましょう。
レモングラスのトラブル②枯れてしまった
本来であれば成長が進む時期にレモングラスが枯れてしまうときは、栽培環境を見直してみましょう。日当たりは十分か、土が乾燥していないかを重点的にチェックしてください。水やりについても確認が必要ですが、室内栽培の場合は水のやりすぎもよくないので注意が必要です。枯れてしまった葉は根元から10センチほどの場所で刈りこんで追肥をします。
レモングラスのトラブル③病気や害虫
レモングラスは病気や害虫の被害もほとんどありませんが、ごくまれに病害虫で傷んでしまうことがあります。どちらも簡単に防げますので、ポイントを押さえておきましょう。
病気
病気の心配はほとんどありません。ただし湿度が高くなったことによりカビが生えたり、水のやりすぎで根腐れを起こしてしまうことがあります。水の量には注意してください。
害虫
虫除け効果のあるシトラールの香りで虫の発生も少なめですが、ハダニやナメクジ、アブラムシなどがつくときがあります。見つけたらすぐに駆除しましょう。
まとめ
爽快感のある香りが人気のレモングラスは、丈夫で栽培しやすく、増やし方も簡単です。料理や防虫、気分のリフレッシュといろいろな用途に大活躍のレモングラスを、ぜひ育ててみてはいかがでしょうか。収穫したばかりのレモングラスを香りづけに使ったら、普段と同じ料理でもグッとおしゃれな味わいになりそうですね。
出典:写真AC