斑が入っていないアオノリュウゼツランは、本来、リュウゼツランの基本系です。葉の両脇に黄色い斑が入っている種類がアオノリュウゼツランより先に日本に入ってきたので、リュウゼツランと呼ばれています。条件がよければ、株幅が2m~3mになる大型の多肉植物です。
園芸部類 | 多肉植物 |
形態 | 常緑性多年草本 |
樹高・草丈 | 1m~3m |
花の色 | 薄い黄色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 屋上緑化、庭園、公園、ドライガーデン |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
アオノリュウゼツランの葉は幅が15cm~20cm、長さが1m~2mに育ちます。肉厚で縁にトゲが生えており、先端のトゲはより鋭いです。アオノリュウゼツランの葉はロゼッタ状に広がり、20枚~30枚あります。
アオノリュウゼツランの花茎は、原産国では10年~20年、日本でも早ければ20年~30年で出現します。センチュリープラントという別名は100年に1回しか花が咲かないのが語源ですが、実際はもう少し早い時期に開花するでしょう。花茎は1日に10cm近く伸び、最終的に6m~9mまで成長し直径も10cm以上になります。出現したばかりのアオノリュウゼツランの花茎はタケノコやアスパラガスのようです。
アオノリュウゼツランは、花茎が枝分かれした先端に円錐花序(エンスイカジョ)という花束状の黄色い花をたくさん咲かせます。先におしべが6本出て、後にめしべが1本出る雄性先熟(̬ユウセイセンジュク)なのは自家受粉を避けるためです。甘い蜜がたっぷりあるので、原産地ではフルーツバット(オオコウモリ)が花粉を媒介します。
アオノリュウゼツランは数十年成長する間、大きく肉厚な葉にたっぷりと栄養をため込みます。その全てを花にあてるので花後は葉がしおれます。アオノリュウゼツランは開花して実がなった後枯れる、1回結実性です。
アオノリュウゼツランの葉は、中心から1枚ずつ出てロゼッタ状に広がり、花茎も中心から出現します。葉にためた栄養分を全て花に注ぎ込んだあと、花茎がでた場所から再び葉を出すことはありません。葉は光合成をおこなうために必要不可欠です。その葉がなくなれば枯れてしまいます。
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ライジンは葉の縁のトゲが赤く、葉色はブルーグレーでベースボール型です。「数十年に1回咲く神の花を見た人は、雷神様のご加護により幸せになる」といわれています。
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クツゲンノマイオオギは葉の縁のトゲが赤く長いです。葉は青みがかった緑色でトゲの痕の白い粉がとれて模様になっています。
アオノリュウゼツランの成長期は、暖かい時期です。4月~9月末頃にあたるでしょう。冬が休眠期なので、11月末~3月上旬までは成長しません。
アオノリュウゼツランは大型の多肉植物です。株幅は2m~3mまで成長し、丈も1m~2mになります。地植えする場合は、成長後のサイズをふまえて場所に余裕をもって植えましょう。
アオノリュウゼツランは大型の植物ですが、株が小さいうちは大きな鉢に植えると水揚げしづらく過湿になり根腐れして枯れる可能性があります。株にあった大きさの丈夫な鉢に植え付けましょう。
アオノリュウゼツランを屋外で育てる場合は、過湿や蒸れに弱いため日当たりと風通しのよい場所を選びましょう。室内で管理する場合も同じです。アオノリュウゼツランは耐寒性が強いほうで、-7℃ほどまで耐えられます。しかし、寒冷地での庭植えで積雪や霜に長時間さらされると過湿で根腐れをおこしたり、葉が凍傷にかかったりします。積雪や霜の可能性が高い場合は、株の根本をワラやシートで防寒するのがおすすめです。
アオノリュウゼツランは地植えでも鉢植えでも、1日に4時間以上日の当たる場所で栽培しましょう。夏の直射日光にも強いので夏越しの心配はありません。風通しのよい場所で管理します。
アオノリュウゼツランは過湿に弱いので、用土は水はけのよいものを選びましょう。自作する場合は赤玉土や軽石、川砂や鹿沼土などを混ぜます。大きく育てるには、赤玉土を多めにいれましょう。市販されている多肉植物用の用土が簡単です。
アオノリュウゼツランは春~秋にかけてが成長時期で水揚げもよく、土が乾燥したらたっぷり水やりします。過湿を嫌うので、土は表面でなく、2cm~3cmくらいの深さまでか完全に乾燥してから水やりしましょう。
秋になり気温が15℃を下回るようになったら、水やりの回数を減らしましょう。アオノリュウゼツランは冬が休眠期で、水揚げがにぶくなります。冬は0℃を下回るようであれば完全に水断ちし、5℃以上で乾燥していたら、ようすをみて月に1回水やりします。水分が多いと樹液が薄まり耐寒性が落ちるので、冬にしっかり乾燥させて濃度を高めると耐寒性も強く育つでしょう。
アオノリュウゼツランには春~秋にかけて2カ月に1回、緩効性化成肥料を置き肥します。目安は5月~9月頃です。冬は根も休眠するので、10月~翌年4月まで肥料は与えません。
アオノリュウゼツランにはほとんど害虫はつきません。
アオノリュウゼツランは特に病気の心配はありません。
アオノリュウゼツランの種まきは5月頃です。種をまく前に植物用の殺菌剤で種を消毒します。新しい種まき用の用土に種をのせましょう。成長したアオノリュウゼツランは過湿を嫌いますが、発芽に水分はかかせません。霧吹きで水やりし、乾かないようにラップをしたり、透明容器のふたをしたりして明るい日陰で管理します。好光性種子のため土はかぶせません。
アオノリュウゼツランの植え替えは、春~秋の暖かい日にしましょう。ポットから出して土をほぐし、傷んだ根はカットして乾燥させます。鉢底に鉢底ネットをはり、軽石を底石として2cm~3cm敷きましょう。株を入れたら、植木鉢の縁から2cm~3cm下まで用土を入れます。水やりは植え付けてから2日~1週間たってからにしましょう。
アオノリュウゼツランはキジカクシ科のなかでも耐寒性が強いタイプですが、寒冷地で積雪や霜に長時間あたると凍傷を起こしたり根腐れしたりします。鉢植えにして室内での管理がおすすめです。関東以西では地植えでもそのまま冬越しできます。
アオノリュウゼツランの増やし方は種まきと株分けです。種の場合、花が咲くのが20年~30年に一度なので、時間がかかるでしょう。アオノリュウゼツランは株が育ってくると地下茎を伸ばして、頻繁に子株をつくります。植え替えの際に根のついた状態で小株を切り離して植え付けましょう。4月~5月がおすすめです。