アオノリュウゼツランとは
アオノリュウゼツランは北アメリカ・メキシコが原産地の、リュウゼツラン科の多年草です。漢字表記は「青の竜(龍)舌蘭」で、日本では観葉植物としても人気があります。度数の高いお酒として有名なテキーラは、このアオノリュウゼツランを材料に作られているんですよ。
一般名 | 青の竜舌蘭(アオノリュウゼツラン) |
別名 | センチュリープラント、アガベ |
原産地 | 北アメリカ、メキシコ |
形態 | 多肉植物、多年草 |
花の色 | 薄い黄色 |
開花の時期 | 7月 |
開花までの期間 | 30年以上経過してから(開花・結実後は枯れる) |
用途 | 食用、観葉植物、蒸留酒 |
特徴 | 一回結実性、雨に弱い |
アオノリュウゼツランの特徴
多くの品種を持つ多肉植物
アオノリュウゼツランを含むリュウゼツラン属は、300種類以上の品種を持つ多肉植物です。先端のとがった葉が特徴で、ロゼット状(八重咲きのバラの花びらのような並び方)に広がって育ちます。大きさは品種によってさまざまで、大きな種類では5メートル以上になるものもあります。
暑さや寒さに強く、雨にはやや弱い
アオノリュウゼツランは暑さに強い植物です。原産地であるメキシコに比べると日本の方が気温が高いのですが、問題なく成長します。また寒さにも比較的強く、冬の時期でも屋外で育てることが可能です。ただし原産地で冬場にほとんど雨が降らないことから、乾燥に強いかわりに根腐れを起こしやすいという弱点があります。
名前の由来
日本や中国では「竜舌蘭」
リュウゼツランを漢字表記にすると「竜(龍)舌蘭」となります。その字のとおり、とがった葉の形が竜の舌をイメージさせることが由来です。中国でも日本と同じように竜舌蘭という呼び方もしますが、「世紀樹」や「万年蘭」といった名称の方がメジャーです。
英語では「センチュリー・プラント」
一方英語では、「センチュリー・プラント(century plant)」と名付けられています。これは「100年(1世紀=one century)に1度だけ花を咲かせる」というアオノリュウゼツランの特性にちなんだものです。100年に1回だけというのは大袈裟ですが、開花までに長い期間を要するのも、アオノリュウゼツランの特徴のひとつです。
アオノリュウゼツランの花
アロエのような見た目なので、アオノリュウゼツランが美しい花を咲かせる姿はあまり想像がつきませんよね。アオノリュウゼツランはどんなふうに、何色の花を咲かせるのでしょうか。ここからはほかの植物にはあまり見られないような特性や花の大きさ、開花までの時期など、アオノリュウゼツランの花について見ていきましょう。
花の咲く時期と期間は?
日本でのアオノリュウゼツランの開花時期は、夏の盛りの7月から8月ごろです。開花後はだいたい2週間くらいの期間、その花を観賞して楽しめます。
「一回結実性」とは?
前述のとおり夏に花を咲かせるアオノリュウゼツランですが、実は「一回結実性」という非常にめずらしい特徴があります。30年以上という長い期間を準備期間に使って、アオノリュウゼツランは花を咲かせます。そして開花し、実をつけたあとは、そのまま枯れて死んでしまうのです。その姿は、まるで石化してしまったかのように見えます。せっかく長い期間をかけて開花したのに1度きりで枯れてしまうなんて、はかなくて不思議な植物ですよね。
花の大きさは?
アオノリュウゼツランの花の大きさは、茎も含めるとなんと高さ10メートルにもなります。長い期間をかけて葉に栄養分を蓄えていたアオノリュウゼツランは、「開花期」になると葉から茎へと栄養分を移動させます。そして下の葉が枯れるのと同じ時期に、花茎が急成長するのです。1日10センチというスピードで成長を続け、2ヶ月ほどで開花が始まります。
花の色は何色?
30年以上の時間をかけてついに開花の時期を迎えたアオノリュウゼツランは、茎の下の方から順に花を咲かせます。花の色は薄い黄色をしていて、無数の手のひらが天に向かって伸ばされているような、独特の形です。ちなみに数千ともいわれる非常に多くの花をつけますが、実をつけるのは茎の上の方の2割程度で、残りは人工受粉したとしても結実しません。
花言葉は?
アオノリュウゼツランの花言葉は「気高い貴婦人」です。何十年もの時間をかけてゆっくりと成長することにちなみ、気高く落ち着いた女性の様子が花言葉としてつけられました。また、一生に一度しか花を咲かせない性質から、「繊細」という花言葉もあてがわれています。
アオノリュウゼツランの育て方
アオノリュウゼツランは、観葉植物として広く栽培されています。大きな葉は迫力があって、花をつけるまでの時期も鮮やかなグリーンの姿を楽しめます。開花期に入ると急成長するので、いざというときのスペースだけは確保しておいてくださいね。
アオノリュウゼツランの育て方①日あたり
アオノリュウゼツランは日光が好きです。室内で育てる場合は南向きの窓がある場所や、日当たりのよい窓辺に置いてあげるといいでしょう。地植えの場合も日当たりのいい場所が適しています。水はけもよい場所が好ましいです。
アオノリュウゼツランの育て方②水やり
土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。特に暑い時期に生長が進みますので、夏の水やりは忘れないようにしましょう。冬は根が休眠しますので、水やりは1ヶ月に1回程度の頻度で問題ありません。
アオノリュウゼツランの育て方③越冬
極端に耐寒性に欠ける植物ではありませんが、夏の暑さに比べたら寒さの方がやや苦手です。0℃以下にならないように、温度の調整をしてくださいね。
出典:写真AC