アケビは、つる性の落葉低木です。日本全土に自生し、秋には熟すと果皮が割れる楕円形の紫色の実をつけます。昔は子どものおやつとして親しまれていましたが、かわいい鮮やかな緑色の葉とアーチやフェンスに絡まる柔軟性から、ガーデニングの一部として人気があります。
園芸部類 | 果樹、庭木 |
形態 | つる性植物 |
樹高 | 1m~ |
花の色 | 白、薄紫 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
アケビは雄花と雌花を持つ雌雄同株の植物です。可憐な薄紫色や白の花は、垂れ下がるように開花し風情を感じさせます。アケビの名前の由来は、熟した実が割れた様子から人が「あくび」をしているように見える、また「開け実」とよばれていたものが次第にあけびに変化したともいわれています。実は、甘くやわらかいやや果汁の少ない食感です。
ミツバアケビは、葉が3枚あるアケビです。実がとても甘いのが特徴です。
ゴヨウアケビは、葉が5枚あるアケビです。アケビとミツバアケビが自然交配し誕生したといわれています。
植え付け時期 | 11~2月下旬頃 |
開花時期 | 3月下旬~4月頃 |
剪定する時期 | 7月、1~2月頃 |
実がなる時期 | 9~10月頃 |
収穫時期 | 9~10月頃 |
アケビの植え替えは、11~2月頃の休眠期が適しています。休眠期は株自体が水分をそれほど必要としていません。土から堀り上げた際に根が少々乾燥しても、植え付け後も枯れることなく栽培できるため、この時期に行いましょう。
アケビは、地植え鉢植え共に栽培可能です。地植えは長く伸びたつるをフェンスやアーチ、棚などに絡めると葉や実をよく観賞できておすすめです。鉢植えは比較的コンパクトな状態を保つため、庭のないマンションのベランダなどでも楽しめます。
アケビは、屋外栽培が基本です。耐寒性・耐暑性共に強いため通年屋外で問題ありません。
アケビは、日当たりのよい場所で管理しましょう。日によく当たることで実の結実にもつながります。
用土は、水はけがよくかつ水持ちのよい土が適しています。配合する場合は、赤玉土7:腐葉土3がよいでしょう。市販の果樹用培養土は手軽でおすすめです。
水やりは、鉢植えの場合土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷりとあたえます。地植えは植え付け直後に与え、それ以降は降雨でも十分育ちます。水の与え過ぎは枯れる原因にもなるため、注意しましょう。
肥料は、地植え鉢植え共に2月と10月に、有機質の肥料もしくは速効性の化成肥料を与えます。鉢植えは水やりの回数が多い分、肥料が流れ出しやすいため、5月頃にも追加で施します。
害虫は、アブラムシが発生する可能性があります。見つけたら早めに退治しましょう。
病気は、うどんこ病にかかる可能性があります。葉や実が白く粉がかかったようになったら早めに切り取るなどしましょう。
アケビは花が枯れた後に実をつけます。草花同様に枯れた花を摘みとってしまうと実がならないため、花後の管理は特に必要ありません。
苗は、根がよくはり茎がしっかりとしたものを選びましょう。根や茎がしっかりとしたものは、植え付け後の定着がスムーズに行われます。
植え替えは、主に鉢植えの場合に必要です。根詰まり対策と株のリフレッシュを目的に、2~3年に1回収穫後の11~2月頃に植え替えましょう。
剪定は、夏と冬に必要です。つるの成長が盛んな夏は、わき芽が絶えず出てくるため、多すぎる部分は切り取り整理します。落葉している冬は、花芽を2~3芽残して剪定しましょう。強い剪定は花芽を減少させ、翌年の収穫量に影響が出ます。過剰な剪定は注意が必要です。
アケビは耐暑性が優れており、夏越しの作業は、特にありません。しかし、真夏の強い日差しは葉焼けの原因になるため、鉢植えなど移動が可能な場合は、軒下などに移動させましょう。
アケビは耐寒性に優れていることから、冬越しの作業は特に必要ありません。落葉性の植物のため、冬場は落葉しますが、翌年再び芽吹きます。
増やし方は、挿し木が一般的です。新しいつるを10cmほどの長さに切り、切り口を約1時間水に浸して土に挿し根がはるのを待ちます。
アケビの実がならない原因は、受粉にあります。アケビは、自家受粉しにくく1株のみでの結実は困難です。たくさんの実を収穫したい場合は、2株以上植え付け受粉率を高めましょう。
出典:写真AC