耐寒性、耐暑性に優れたリシマキアは、とても丈夫で育てやすく管理も簡単な人気の植物です。店頭で一般的によく見かけられるものはヌンムラリア、キリアータ、オカトラノオといった品種で、どれも湿った環境を好みます。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 多年草、一年草 |
草丈 | 5~100cm |
花の色 | 白、黄色、赤、紫、複色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い~普通 |
特性・用途 | グランドカバー、ハンギング、茶花 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
湿度と耐暑性に優れた植物なので地植えにするのがおすすめです。北半球を中心に200種類の品種があります。這い性と立ち性、またベロニカのように穂状に花を付けるオカトラノオなど、一見別種の植物のように見えますが、性質は同じです。
グランドカバーでおなじみのリシマキア・ヌンムラリアは、這い性のリシマキアです。ライムイエローの「オーレア」の葉色は目にも鮮やかで、庭や寄せ植えの名脇役となってくれます。冬季は葉が枯れて地上部が見苦しくなりますが、翌春には芽吹いて、また明るい葉色を楽しませてくれます。
草丈50cmほどのリシマキア・アトロパープレアは、シルバーリーフにボルドーの花色がシックでおしゃれです。耐寒性は-10℃なので寒冷地での栽培も可能です。半日陰で湿り気のある環境を好むので乾燥に注意しましょう。花後に切り戻すと二番花が楽しめます。
銅葉のリシマキア・キリアータは、カラーリーフとして花のない時期も楽しめます。最初は濃いブロンズ色の葉色ですが、草丈が伸びるにつれて薄くなります。多肥や日陰で育てることが原因で倒れやすくなることがありますので注意してください。
日本に自生するリシマキア・クレスロイデスは、オカトラノオの名で流通しています。地下茎でよく増え、放任でも育つとても丈夫な品種です。草丈は60~90cmほどになり、群生させると見栄えがよいので海外での人気も高まっています。
植え付け・植え替えの時期 | 3~5月中旬、10~11月中旬 |
肥料の時期 | 3~5月中旬、10~11月中旬 |
開花時期 | 4~8月頃 |
リシマキアは夏場にぐんぐん成長します。このことから植え付けや植え替えは、成長が活発になる前の3~5月中旬と、旺盛に育った株を分けて植え替えるのに適した10~11月中旬ごろに行うのが望ましいでしょう。冬季は休眠期なので、根を傷つけると枯れる原因となります。
這い性のヌンムラリアはプランターから垂れ下がるように植え付けると見栄えがします。寄せ植えの場合は、湿った環境を好む、同じような性質の植物と組み合わせるとよいでしょう。
グランドカバーには這い性のヌンムラリアがおすすめです。草丈の出るオカトラノオやキリアータはボーダーガーデンとして群生させると見栄えがよいです。植え付けの際に腐葉土を混ぜこみ、水持ちのよい土で育てましょう。しっかりとした茎に育てるには日当たりが重要となります。
湿度に強く日当たりを好む植物なので、屋外で育てたほうがよいでしょう。
日当たりのよい場所でも半日陰となる場所でもよく育ちますが、しっかりとした茎に育てるには日当たりのよい場所のほうが好ましいでしょう。鉢植えの場合も同様です。乾燥を嫌うので、日当たりのよい場所での水切れには注意してください。
用土は市販の草花用培養土か、赤玉土:6、腐葉土:3、軽石:1の配合土をおすすめします。
水分不足は枯れる原因になります。常に湿った状態になるよう、土の表面をよく見てしっかり水やりをしてください。湿地帯で生育している品種もあるぐらいなので、水のやりすぎで根腐れをおこして枯れることはほとんどありません。またヌンムラリアの場合、日陰で水分が多いと葉色は緑色になり、日当たりがよく乾燥気味になると黄色くなります。
多肥は徒長の原因になるので、植え付けの際に腐葉土をすき込む以外はようすを見ながら与えてください。芽の出始めるころと冬越しの前に追肥を入れると花つきがよくなります。
目立った害虫は見られませんが、キリアータは虫の食害を受けることがあります。オルトラン粒剤などで予防するとよいでしょう。
とくに目立った病気は見られません。病気には強い植物です。
花後の管理としては、花がら摘みが一般的ですが、這い性のヌンムラリアのオーレア種などは、花つきがあまりよくない品種なので、さほど気にしなくてもよいでしょう。立ち性の品種の場合は、咲き終わった花を摘み取ることによって、種を作るエネルギーをこれから咲く花にまわすことができます。
リシマキアは種が流通していないので、ポット苗を購入して育てるのが一般的です。徒長しておらず葉色の濃い、しまった苗を選びましょう。また乾燥を嫌うので、ポット苗の土の表面が湿ったものが好ましいです。
植え替えに適した時期は、生育期の前後となる3~5月と10~11月中旬頃です。ひと夏で大きく育った株は根元が過密になっています。株分けをして植え替えをすることで、リフレッシュさせましょう。
剪定は生育中のいつでも可能です。とくに生育旺盛な夏場は、混んでいる部分をすいたり、株の形を整えるためにも行うとよいでしょう。
簡単な増やし方としては株分けするのが一番です。時期は植え替えや植え付けを行う時期と同様です。リシマキアは生育が旺盛な植物なので、地植えでも2~3年して株元が込み入っているようでしたら株分けを行いましょう。
ヌンムラリアの場合は、土についた部分から発根するので、そのまま根の付いている部位を植え付けましょう。立ち性の場合は、勢いのある茎を切りとり、水に挿して発根したものを土に植えるとよいでしょう。