スプレーマムは日本や東南アジア原産の菊が、品種改良されたことで誕生しました。一輪咲きの和菊と比べ、スプレーマムは数多くの花をつけるのが特徴です。
園芸部類 | 菊 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 50cm~100cm |
花の色 | 白、黄、赤、緑、紫、オレンジ、ピンクなど |
耐寒性 | 強い(0℃まで) |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 観賞用 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
スプレーマムは種類も豊富で、色や花びらの形、花の大きさもさまざまです。もともと日本の気候に適した植物で、ポイントを押さえれば初心者でも手軽に花を咲かせられますよ。
秋咲きは10~11月ごろに開花を迎えるスプレーマムです。本来の菊が咲くシーズンでもあるため、秋咲きのスプレーマムは多数の品種がそろっています。
植え付け時期 | 4月~6月上旬 |
植え替えの時期 | 3月~5月 |
挿し木の時期 | 5月~6月 |
剪定の時期 | 4~7月、11月中旬 |
花が咲く時期/開花時期 | 10~11月頃 |
スプレーマムは品種によって夏~冬までそれぞれ開花時期が異なり、栽培スケジュールも変化します。豊富な種類の中から、ここでは特に品種の多い秋咲きの育て方を解説しましょう。秋咲きのスプレーマムは4月に植え付けて夏場に成長期を迎え、11月頃に開花します。
スプレーマムは、鉢植えと地植えのどちらでも栽培可能です。鉢植えの場合、日当たりや気温の変化にあわせて移動しやすいので、より育てやすいでしょう。地植えでも水はけや、冬場の霜対策に気を付ければ上手に栽培できますよ。
鉢植え、地植えのいずれの場合も、日当たりがよい場所を選びましょう。十分な日光を確保できれば開花しやすくなります。また水はけや風通しのよさも重要です。湿気が多い場所では、病気や害虫を発生により枯れる原因にもなりかねません。
スプレーマムの栽培に適しているのは弱酸性の土です。赤玉土や腐葉土などで土作りをするか、市販の培養用土を利用しましょう。菊専用の培養土には育成に適切な養分が入っているので、積極的に取り入れるのをおすすめします。
スプレーマムは湿気を嫌うため、土の表面が乾いているのを確認してから水を与えます。水やりし過ぎると根腐れして枯れてしまうこともあります。株が成長する夏場は水温が上がらない朝のうちに行い、冬は回数を少なめにしましょう。
スプレーマムを植え付けから7~10日ほど経過したのち、肥料を与え始めます。液体肥料なら1週間に1回、緩効性肥料は2週間ごとのペースで追肥していきましょう。開花後は花の状態を観察し、液体肥料を与えてください。
スプレーマムにつきやすい害虫は、アブラムシやハダニ、キクスイカミキリなどです。防虫ネットを利用したり、適切な農薬を使用したりして対策しましょう。気温が上がると虫が発生しやすくなるので、特に夏場は注意します。
スプレーマム栽培で注意が必要な病気は、白さび病や灰色かび病、立枯病などです。カビが原因の病気にかかりやすいため、水はけがよく湿気の溜まりにくい環境で管理しましょう。また開花後、しおれているものを花のつけ根から切り取りってください。花がら摘みはこまめにすることで、病気を防止できます。
種から育てる方法もありますが、基本的に苗からのほうが育てやすいでしょう。ポットから取り出した苗は、根を傷つけないよう丁寧に植え付けます。その後、苗の上から土、もしくはたい肥を2~3cmの高さまで被せてください。
茎が太く、葉の色が鮮やかなものを選びしょう。たくさん育てる場合は、なるべく同じサイズの苗を用意することをおすすめします。大きさをそろえることで、開花した後もきれいに仕上げられますよ。
植え付け後は日に当て過ぎると枯れてしまうため、十分に根付くまで寒冷紗を被せておくとよいでしょう。草丈が高くなってきたら、支柱を立てて支えます。茎に支柱を固定するときは、通気性を保つため、強く締めすぎないようにしましょう。
毎年同じ場所でスプレーマムを育てると病気の発生の原因になってしまうため、春ごろに植え替えます。株よりもひと回り大きな穴を掘り、根を切ってしまわないようにして植え替えましょう。
開花後に根元から10~15cmほどのところで剪定します。また摘心したあとに余分な枝や、細めの枝を切り取っておくと、形が整った美しい株になりますよ。
摘芯をすると栄養が行き渡りやすくなり、花の数が増えます。開花前に1~2回行いましょう。時期は植え付けから14日ほど経ったころと、わき芽が20cmほどに成長したころです。株の頂点についた葉を茎ごと数cm摘み取ってください。
冬場はできるだけ日当たりのよい場所で管理し、霜で株を傷めないよう根元にたい肥を敷いて防寒します。上手に冬越しさせて、次の年もきれいな花を楽しみましょう。冬の水やりは土が乾かない程度にし、特に気温が低すぎるときは控えます。
スプレーマムはわき芽や冬に出てくる新しい芽で挿し木をすれば、手軽に増やせます。挿し木は株の成長期にあたる、5~6月に行いましょう。
茎が太く生育のよさそうな芽を選び、10cmほど摘み取ります。下葉を取り除いたあと、コップの水に入れて2~3時間給水させましょう。その後、育苗ポットに植え付けて管理します。1カ月ほどで植え替えできるほど、しっかりとした根が生えてきますよ。
出典:写真AC