スプレー菊とはどんな花?
スプレー菊の特徴
スプレー(SP)菊とは、「茎が途中で、枝分かれして、数輪の花を咲かせる」という特徴がある菊です。日本には昔から小菊があり、(花の大きさが異なるという理由で)、スプレー菊とは区別された頃もありましたが、品種改良が進んだ最近では、区分されずに、どちらも扱われるようになってきました。1970年代に西洋経由で入ってきたため西洋菊とも呼ばれ、日本でも親しまれています。
スプレー菊の開花時期
スプレー菊の花の時期は大輪の菊と同様に秋咲きが多いのですが、春咲きや四季咲きなどの品種も流通しています。そのうえ日照時間によって咲く時期が調節できるので、菊農家の方々が電照を使った育て方で開花時期を調節してくれることによって、苗も切り花も四季を通して楽しめる身近な存在になっています。
スプレー菊の種類
SP菊の特徴というと、花弁が一重のもの、二重のものがメジャーです。ただ一重と一言にまとめても、花の中心部分の花芯の大きさが小さいものもあれば大きいものもあり、花色が赤白黄色とさまざまで、一色だったりストライプが入っていたり、根元から先に向けて色が変わっていったり。花びらの形状が違うものもあるので、本当に多種多様になっています。
ピンポンマム/スプレーマム/スパイダー系
花びらが特徴的な品種を挙げると、花びらどころか花の形がピンポン玉のようにまん丸いピンポンマムや、屋台で売っているかき氷を食べるときに使う、先がスプーンのように広がったストローに似た花びらがひろがる風車系のスプレーマム、花びらが先まで丸まって、イソギンチャクのようにもみえるスパイダー系というものもあります。
仏花以外にも
仏花というと、宗派にもよりますが、白くて一株に一輪だけ花を咲かせるタイプの菊を使うことが多いですね。なぜ菊が仏様やご先祖様にお供えされるのかというと、平安時代頃から菊の香りが邪気を払うと伝えられてきたことや、皇室の御紋に使われているという高貴なイメージ、そして切り花が長持ちするという実用的な理由もあるからです。
殺虫剤の原料などにも利用
逆にいうと仏事以外に使用してはいけないという理由はなく、蚊取線香などの殺虫剤の原料や西洋風のウエディングブーケなど、思わぬところで使われている品種もあるため、お見舞い以外の用途であればいろんなところで使うことができます。
スプレー菊の花言葉
スプレーマムの花言葉は「清らかな愛」
SP菊という品種が作られたのが1940年代とまだまだ新しいため、SP菊自体の花言葉を分けている文献と菊と一緒にしている文献に分かれているのですが、菊とは別とされている場合は「清らかな愛」という花言葉が当てはまります。
菊の一種とみなす場合は、「高貴」「高尚」「高潔」
SPマムを菊の一種とみなす場合は、花言葉も菊と同じ「高貴」「高尚」「高潔」です。平安時代には旧暦の9月9日を重陽の節句と呼び、菊の香りを移したお酒を飲んで邪気を払い長寿を祈るという習わしがあり、菊の模様は吉祥とされてきました。後に後鳥羽上皇をはじめ、何代もの天皇が自らの印として菊をお選びになっていたのが慣例化して皇室の紋となったことが由来です。他にも、菊の花には花色別にも花言葉があります。
赤い菊の花言葉
赤は「あなたを愛します」
赤い菊の花ことばは、「豊かな愛情」「あなたを愛します」です。菊の花の豊かな香りが、古来から薬として使われて長寿を願う象徴となったことから、相手を想う表現の言葉になっていますね。そして赤い色の花には愛を示す花言葉を持つものがいくつもあります。そういったものが組み合わさっています。
黄色い菊の花言葉
黄色は「破れた恋」
逆に、黄色い菊の花言葉は「破れた恋」「軽んじられた恋」です。驚くほど真逆の言葉になっているので、人に贈るときには注意が必要です。なぜこのようなマイナスイメージの言葉が選ばれているのかというと、菊だからというよりも黄色だからという意味合いが大きく、多くの花言葉を生んだ西洋の人々の、黄色に対する「裏切り」「嫉妬」「憂鬱」などのイメージが影響しているのです。
白い菊の花言葉
白は「誠実」
白い菊の花言葉は「真実」「誠実」で、こちらも白という色のイメージが影響しています。英語では澄んだ水のことを「White Water」といいますが、混じりけがないとか、汚れなさ、清らかさを象徴する言葉にWhiteを使う言い回しがいくつもあります。日本でも、純白、白無垢、白湯など、同じようなイメージの言葉に含まれますね。
出典:写真AC