オンシジュームは、小ぶりで可憐な花をたくさん咲かせるランの一種です。原種は約400種類、交配種は約1000種類もあり、観賞用、贈答用、また装花用として人気があります。花は開花期間が長く、約1カ月間咲き続けます。
園芸部類 | ラン |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 20~40cm |
花の色 | オレンジ、黄色、ピンク |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 常緑性 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
オンシジュームは、着生植物です。原産地に自生しているオンシジュームは、多くが樹木に着生しており、土も水もほとんどない過酷な環境を生き抜くためにバルブといわれる組織をもっています。茎の根元の膨らんだ部分がバルブで、水分や養分を蓄えているラン科特有の組織です。
アロハイワナガは、オンシジュームの代表的な品種です。鮮やかな黄色の花に茶色の模様が特徴的です。
シェリーベービー「スウィートフレグランス」はボルドー色の品種です。ランには珍しくシックな色合いが美しいです。
植え付け時期 | 4月中旬頃 |
株分けの時期 | 4月中旬頃 |
肥料の時期 | 4月上旬~9月下旬頃 |
剪定の時期 | 5~7月頃、10~11月頃、1~2月頃(種類による) |
花が咲く時期/開花時期 | 4~6月頃、9~10月頃、12~1月頃(種類による) |
オンシジュームの植え付け・植え替えは、4月頃が適しています。暖かい環境を好む性質を持ち、植え付け・植え替え自体は暖かい季節であればいつでも可能です。しかし、ラン科の植物は夏場盛んに成長します。夏をむかえる前の4月頃に植え付け・植え替えることで、株が落ち着き成長が旺盛になります。
オンシジュームは、鉢植えでの栽培が基本です。一般的な植物とは異なり、ラン栽培は土ではなく水苔やバーグを使用するため、鉢植えにして栽培しましょう。
オンシジュームは、栽培環境により屋内・屋外どちらでも栽培可能です。耐寒性に乏しいため、11月上旬~4月中旬頃は屋内で栽培をし、4月下旬~10月下旬頃は屋外での栽培がおすすめです。温暖な地域では、通年屋外で栽培できます。
オンシジュームを置く場所は、季節により異なります。耐寒性に乏しく11月上旬~4月中旬頃は、日光がよく当たる窓辺で、4月下旬~10月下旬頃は屋外の風通しのよい軒下などで管理しましょう。
用土は、水苔やバーグを使用します。ラン科に属する植物は、保水と乾燥の両立が栽培の基本です。そのため、用土の代わりに水苔などを使い栽培しましょう。
水やりは、基本的に通年必要です。水苔が乾き始めたらたっぷりと与えましょう。特に夏は乾きやすく、水切れは枯れる原因になるため毎日適量与えます。霧吹きなどを使うとまんべんなく湿らせられておすすめです。
肥料は4月上旬~9月下旬頃までの期間、洋ラン用の液体肥料を週に1回与えます。さらに、4月上旬~7月下旬頃までは有機固形肥料も月に1回あわせて与えましょう。開花期間が長い分、肥料を与える期間も長くなりますが、1回に与える肥料は適量が原則です。
害虫は、カイガラムシとアブラムシがつく心配があります。アブラムシは主につぼみがでる頃に発生します。発見したら早めに薬剤などを使って退治しましょう。
オンシジュームは、病気に強い性質を持つため、病気の心配はほとんどありません。
花後の管理は、花が枯れ始めた頃に行いましょう。花茎を株元から切りとり整理します。早めに整理することで、株に養分が集中し次の新芽の育成につながります。
オンシジュームの苗は、茎がしっかりとしたものを選びましょう。また新芽がでているものであれば、たくさんの花が楽しめるためなおよいです。
オンシジュームの植え替えは、2年に1回程度必要です。4月中旬頃に鉢が窮屈そうになってきたら、一回り大きな鉢に植え替えましょう。
剪定は、花後の管理と同様に行います。花が枯れ始めた頃に、茎を株元から切りとりましょう。適宜剪定することで、新芽の育成につながります。
オンシジュームの夏越しの作業は、特に必要ありません。屋外で栽培している場合は、夏の直射日光に当たり過ぎると株が弱る・花が枯れるなどの原因になります。軒下に入れる、もしくは日陰をつくるなどして管理しましょう。
冬越しは、屋内の日当たりのよい窓辺で行います。寒さに弱く夜間は冷気が当たらないよう窓際からは移動させます。暖房が効いた場所での管理は、翌年の開花に悪影響がでるため避けましょう。
オンシジュームの増やし方は、株分けです。4月中旬頃によく成長した株を使って行います。あまり細かく分けると花が咲かないなどの弊害がでるため、注意しましょう。
出典:写真AC