オンシジューム(オンシジウム)とは?
オンシジュームは蝶々のような形の小輪の花を、たくさん咲かせるランです。花茎は細いながらも直立し、枝ぶりもよく、とてもよい香りがします。オンシジュームの生育温度は多少高めですが、適温で育てれば毎年、かわいい花を咲かせます。交配種も多く品種改良がすすんでいるため、花茎の長さや花の大きさや花の色味もさまざまです。
基本情報
学名 | Oncidium |
科名・属名 | ラン科・オンシジューム属 |
原産地 | 中央・南アメリカ |
花色 | 赤・黄・ピンク・複色 |
草丈(茎長) | 10~100cm |
花径 | 1~3cm |
開花時期 | 春・秋 |
生育環境 | 非耐寒性 |
増やし方 | 株分け |
用途 | 切り花・鉢植え |
オンシジュームはラン類の多年草で、中南米広く分布し、原種だけでも300種以上といわれています。ラン科のオンシジューム属に分類されており、名前はギリシャ語の「onkos(こぶ・隆起)」が由来します。花の唇弁(リップ)の基部がふくらみ、こぶ状になっているところから名付けられました。略称はオンシといい、名札の略号は「Onc.」です。乾燥に強く過湿に弱いという特徴があります。
オンシジューム・葉のタイプ別分類
オンシジュームの生育地は中南米と広範囲にわたっているため、おなじオンシジュームという名前でも環境に大きな差があります。自生地の環境の差が、はっきりとわかるのは葉の形状です。手持ちのオンシジュームの株の姿を確認して栽培するとよいでしょう。
A | 薄葉系 | 葉の幅が広く 葉肉が薄い |
湿度が高く 乾季が短い地域 |
B | 厚葉・肉厚葉系 | 厚肉の硬い葉 | Aより乾燥の激しい地域 成長期と休止期がはっきり |
C | 棒状葉系 | 葉が丸まり棒状 | B地域より さらに乾燥した地域 |
D | 剣状葉系 |
葉はAより短く 先端はとがる |
水ごけ植えよりヘゴがよい 湿度が高めがよい |
オンシジュームのバルブとは
オンシジュームの特徴に挙げられるのが「バルブ」です。葉が伸びると、光沢のある丸みをおびたバルブが現れます。ここでは、バルブがどの部分に現れるのか、特徴も見ていきましょう。
バルブはどの部分?
バルブと呼ばれているところは、オンシジュームの茎です。春に出た新芽はぐんぐん伸びて、葉ばかりが見えてバルブは見えません。夏になり成長がもっとも盛んになるころにバルブが見えてきます。上記の写真の葉が出ている下の、ふくらんだ部分がバルブです。
バルブの特徴
夏の終わりから秋にかけての時期、急速にバルブは太り、それと同時に花芽を出します。バルブは水分と養分をためる場所で、花茎を伸ばすためのものです。ほかのラン類と同様に、1年のうちに1~2カ月雨の少ない地域で生活してきた植物の特徴といえます。
ボタニ子
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出典:写真AC