スギゴケの育て方!スギゴケが枯れる理由と水やりなどの管理のポイント | 植物図鑑

スギゴケ
学名Polytrichum juniperinum
和名スギゴケ
別名コスギゴケ、ウマスギゴケ、オオスギゴケ
英名haircap moss
科・属名スギゴケ科・スギゴケ属
原産地日本
花言葉母性愛、信頼、孤独、物思い

スギゴケの概要

Photo by salchuiwt

スギゴケ(杉苔)は、小さな杉の木のような形をしたコケ植物です。日本全土に生息しており、岩陰や木陰などやや湿った場所を好みます。地表を這う美しい緑色の葉が盆栽や苔庭に用いられますが、環境があわなければ枯れてしまう栽培のむずかしい植物です。

基本情報

園芸部類 コケ植物
形態 蘚類(せんるい)胞子体
樹高・草丈 2~10cm
花の色 花はつかない
耐寒性 普通
耐暑性 普通
特性・用途 盆栽、苔玉、グランドカバー、テラリウム
栽培難易度 ★★☆☆☆

特徴

特徴①葉と茎

スギゴケは、針のように細く硬い葉と直立した茎が特徴です。茎の上部は緑色ですが、中心部~根元は茶色です。草丈は2cm~10cmほどで、地面を這うように成長します。乾燥して水が足りなくなると葉を茎にくっつくように縮め、水やりをするとパッと広げます。

特徴②花をつけない

スギゴケなどコケ類は、花をつけずに胞子や無性芽によって増えます。黄色い花のように見えるのは「雄花盤(ゆうかばん)」と呼ばれる雄株です。雄花盤でつくられた精子が、水によって雌株の胞子嚢(ほうしのう)について受精します。雌株の細い柄の先にできる胞子嚢が破れ胞子が飛び散り増えていきます。

スギゴケの代表品種・種類

出典:写真AC

スギゴケとは、400種類以上あるスギゴケ科の総称です。主に「コスギゴケ」や「ウマスギゴケ」「オオスギゴケ」などが日本庭園に使われていますが、一般的に品種によって区別せず、すべての品種を「スギゴケ」と呼びます。

①コスギゴケ

コスギゴケ

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コスギゴケは、スギゴケの中でも小型の種類です。5~8mm程度の細い葉は乾燥すると縮れて曲がります。背丈は2~3cmと低く、育てやすいため苔庭に人気の品種です。日当たりのよい土手や神社の境内、公園などに広く群生するのを見かけられるでしょう。

②ウマスギゴケ

ウマスギゴケ

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ウマスギゴケは、スギゴケの中でも大型の種類で、コスギゴケと同様に苔庭に使われる品種です。背丈は5~20cm程度、あまり枝分かれしません。葉は乾燥すると縮れずに茎に引っつきます。日の当たる粘土質の土や湿地、山林の林下などを好みます。

スギゴケの育て方①時期

栽培カレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え付け
植え付け
剪定

栽培適期は?

植え付けの時期は、最低気温が0℃を下回らなくなった3~5月ごろと、暑さが和らいだ9~11月です。植え替えの時期も植え付けと同様に、真夏と真冬は避けましょう。太平洋側の地域は乾燥しやすいため、庭植えの場合は風を遮るフェンスや木の陰になる場所に植え付けます。

スギゴケの育て方②栽培環境

栽培方法

スギゴケは、光合成をするため日に当てる必要があります。しかし、直射日光を浴び続けると枯れてしまいます。庭植えも鉢植えも、明るい日陰で適度に湿度を保てる場所で管理しましょう。また乾燥もスギゴケが枯れる原因です。強い風が当たらない環境が適しています。

育てる場所

置き場所・日当たり

スギゴケを育てる場所は、午前中だけ日が当たる場所がおすすめです。乾燥に弱いため風がよく通る所は避けましょう。庭植えは直射日光を避けて、木洩れ日などやさしい日差しが降り注ぐ場所に植え付けます。鉢植えは、カーテンを引いた日が当たらない場所に置きます。

用土

用土には、保水性と排水性をもった黒土が適しています。黒土に川砂を半分ほど混ぜるか、市販の培養土を使いましょう。また、苔玉作りや盆栽に使われるケト土と赤玉土を7:3の割合で混ぜた土もおすすめです。

スギゴケの育て方③管理のポイント

水やり

水は、葉や土が乾燥しないように1日1回、涼しい時間にたっぷり与えましょう。根腐れしない程度に用土が常に湿っているように保ちます。水やりは水の勢いに注意しホースよりも、じょうろを使ってやさしく水を掛けます。

肥料

スギゴケは、肥料を与える必要がありません。コケ植物は、用土から水分や栄養を吸収する根をもたないため、肥料を与えると枯れてしまいます。葉が変色して枯れているように見えても、慌てて肥料を与えないようにしましょう。

スギゴケの育て方④詳しい栽培方法

植え替え

植え替えは、3~4年に1回行いましょう。植えたままにすると茎と葉の密度が減り景観が悪くなります。植え替えは、株に活力を与え葉色の維持につながります。

剪定

スギゴケは、茶色に変色した茎や伸びすぎた茎を剪定します。剪定の時期は春と秋です。茶色になっている茎を切り取り、伸びすぎた茎は根元から切り取りましょう。剪定をすると株に日が当たり、風通しがよくなるため新しい芽が出やすくなります。

夏越し

夏の水やりは朝と夕方、1日2回行います。日中に水を与えると、水が温まり葉焼けや蒸れの原因になります。日が出ているときは水やりを控えましょう。

冬越し

冬は休眠期のため水やりは必要ありません。冬の間は特に何もせず放置してよいですが、気温が高い日が続き、葉が褐色になってきたら少量の水を軽くかけてあげましょう。

増やし方

まき苔

まき苔とは、小さくほぐしたコケを種まきのように土にまいて増やす方法です。地面に直まきしてもよいですが、雨で流される心配があるためトレイやパックに土をいれてまきましょう。発芽したら、ほかの場所に植え付けます。

はり苔

はり苔とは、コケをマット状にはがし植え付けて増やす方法です。はがすときは土を落とさず、つけたままにして移植します。手やスコップで地面に圧着させ、コケの上に少量の培養土をかけて水やりをしましょう。

移植法

移植法とは、数本の茎を土に挿して増やす方法です。ほかの植物を「挿し木」で増やす方法と同じです。テラリウムや盆栽などに小さな場所にピンセットなどを使って植え付けます。剪定の際に切り取った茎を使うとよいでしょう。

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