宿根フロックスは、開花期間が非常に長い植物です。約4カ月間、白やピンク、複色の花が茎の先に密集して咲きます。大きいものでは草丈100cm以上にもなることから、ワイルドガーデンやナチュラルガーデンに人気があります。
園芸部類 | 草花 |
形態 | 宿根草 |
樹高・草丈 | 50~100cm |
花の色 | 白、ピンク、赤、紫、複色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | やや強い |
特性・用途 | 庭植え、鉢植え |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
宿根フロックスは、主にフロックス属のパニキュラータ種をさします。世界に約60種を超えるたくさんの仲間があり、種類によって常緑・落葉・一年草・多年草など特徴もさまざまです。草丈のある鮮やかな花が豪華絢爛に咲き誇ることから別名「オイランソウ」、またキョウチクトウに似ていることから「クサキョウチクトウ」とよばれています。
【宿根草】フロックス・パニキュラータ 'シャーベットブレンド'(2ポット1セット)【Aグループ】Phlox paniculate 'Sherbet Blend'
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シャーベットブレンドは、濃い緑色の葉にほんのりピンクが入る花が特徴の品種です。蕾の状態は爽やかな黄緑色で、開花するにつれて白くなっていきます。
【宿根草】フロックス パニキュラータ クレームドマント(2ポット1セット/9cmポット)【Aグループ】Phlox paniculata Creme de Menthe
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クレームドマントは、ピンクの濃淡が美しい花と、爽やかな斑入りの葉が特徴の品種です。
植え付け時期 | 3~5月頃、9~10月頃 |
植え替えの時期 | 3~5月頃、9~10月頃 |
肥料の時期 | 6~10月頃 |
剪定の時期 | 7~11月頃 |
花が咲く時期/開花時期 | 6~10月頃 |
宿根フロックスの植え付けは、3月下旬~5月上旬頃、10月頃が適しています。真夏以外であれば植え付けは通年可能です。しかし休眠期は次の発芽に向けた休息の時期のため、休眠期の植え付けは避けて株を休めましょう。休眠期に株をしっかりと休ませ植え付けると、長い開花期間も元気に花を咲かせられます。
宿根フロックスは、地植え鉢植え共に栽培可能です。鉢植えは比較的コンパクトな状態を保ちます。草丈が長くなるため、地植えでのびのびと栽培するのもよいでしょう。
宿根フロックスは、屋外栽培が基本です。日光を好むため屋外で管理しましょう。
宿根フロックスは、日当たり~半日陰程度の場所で管理します。
用土は、水持ちと水はけのバランスがよいものを選びましょう。市販の草花用培養土は手軽でおすすめです。多湿が苦手なため、水はけが悪いと枯れるなどの弊害がでます。
土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをします。地植えは植え付け後、根付くまでは適宜与えますが、根付いた後は降雨でも十分育つため必要ありません。
肥料は、主に鉢植えの場合に必要です。宿根フロックスは、開花期間が長いため多くの養分を必要とします。開花期間中は1カ月に1回、暖効性化成肥料をあたえましょう。
害虫は、ナメクジ・アブラムシ・アオバハゴロモが発生する可能性があります。ナメクジは、梅雨時期に葉や花を食害し、アブラムシは新芽の時期に発生します。見つけたら早めに薬剤などを使って退治しましょう。アオバハゴロモは、梅雨時期から秋にかけて風通しの悪い場所に発生します。株が混みあっている場所は剪定するなどの対策が必要です。
病気はうどんこ病にかかる心配があります。風通しが悪い、また日照不足などにより葉や茎に白い粉がかかったような状態になります。見つけ次第剪定するなどしましょう。
花後は、花がら摘みを兼ねた剪定をしましょう。枯れた花の下、2節目くらいの場所で剪定すれば、開花期間中新芽が出て再び花を咲かせます。大株のものは群生して花を咲かせるため、期間中は絶えず花がら摘みが必要です。枯れた花を残しておくと蒸れや病気の原因になります。こまめに行いましょう。
宿根フロックスの種まきは、10~11月に行います。土の上に種をまき上からさらに土を優しくかけます。発芽までは土が湿った状態を保ちましょう。発芽したら間引きをして、葉が4枚以上に成長したら鉢などに移し替えて完了です。
苗は、茎がしっかりとして根がよくはったものを選びましょう。茎がしっかりとして根がよくはったものは、植え付け後の定着がしやすいです。
植え替えは、鉢植えの場合1~2年に1回必要です。生育旺盛のため根詰まり予防を目的に忘れずに植え替えましょう。地植えは、株がこみあって来たら、堀り上げて株分けをします。
剪定は、開花後と夏越しの際に必要です。地植えのものは大株になるため、風通しをよくする透かし剪定をしましょう。透かし剪定は、混みあっている茎を間引く剪定方法です。
宿根フロックスは耐暑性に優れていることから、夏越しの作業は特に必要ありません。しかし多湿には弱く、病気や害虫が発生する原因になるため、茎や株が混みあっている場所は剪定しましょう。
宿根フロックスの冬越しは、耐寒性に優れていることから特に必要ありません。冬は、地上部は枯れますが、翌年の春に再び芽を出します。
宿根フロックスの増やし方は株分けです。休眠期によく成長した株を堀り上げ、やさしく株を分けます。あまり細かく分けると株が弱り開花しないなどの弊害がでるため、注意しましょう。
宿根フロックスの根伏せは、3~4月頃に行います。根伏せの方法は簡単で、長く伸びた茎を切り取らずに、土の上に寝かせて茎を土に埋めます。茎の立ち上がり予防のため、ワイヤーやピンなどで固定するとよいでしょう。発根までは毎日水やりをし、発根したら株から切り離して完了です。
出典:写真AC