マツヨイグサの育て方!種類別の特徴や植え替えの注意点と増やし方 | 植物図鑑

マツヨイグサ(実)
マツヨイグサ(葉)
マツヨイグサ(花)
マツヨイグサ
学名oenothera stricta
和名マツヨイグサ
別名ヨイマチグサ、ツキミソウ、マツヨイソウ、ヤハズキンバイ
英名evening primrose
科・属名アカバナ科・マツヨイグサ属
原産地チリ、アルゼンチン
花言葉温和、協調、魔法

マツヨイグサの概要

Photo byNennieinszweidrei

マツヨイグサは繁殖力が強く、強健な植物で雑草に近いことから、育て方はむずかしくありません。日当たりのよい場所で水はけのよい土で育てます。マツヨイグサの仲間には「ツキミソウ」の名がつくものがありますが、本物のツキミソウはマツヨイグサに押され現在自生していません。マツヨイグサは種を採取して増やしますが、こぼれ種でも増えます。

ボタニ子

ボタニ子

マツヨイグサの仲間「メマツヨイグサ」に押され、現在は数が少なくなっています。

基本情報

園芸部類 草花
形態 一年草、二年草
樹高・草丈 30cm~100cm
花の色 黄色
耐寒性 普通
耐暑性 強い
特性・用途 園芸
栽培難易度 ★☆☆☆☆

特徴

マツヨイグサは江戸時代後期から明治時代にかけて、マツヨイグサの仲間では一番早く南米から渡ってきました。当初は観賞用でしたが、非常に丈夫な性質と繁殖力の強さから野生化した、逸出帰化植物(いっしゅつきかしょくぶつ)です。マツヨイグサは夜に花を咲かせ、朝には枯れてしまうので、「宵を待つ草」からマツヨイグサ、ヨイマチグサなどと呼ばれます。

花の特徴

マツヨイグサの花は明るい黄色で根元が少し赤く、陽が落ち暗くなりはじめた宵の口に咲きます。最初は黄色ですが、夜半過ぎからすこしずつオレンジ色になり、朝枯れるころには赤くなる一日花です。花の直径は3cm~5cmで花びらは4枚、おしべは8本でめしべは先が4本にわかれています。

葉の特徴

マツヨイグサの葉はロゼット状に地面に貼りついて冬越しをし、春になって暖かくなると茎を伸ばします。葉は互い違いに生えてくる「互生」です。濃い緑色で葉の中心に白い葉脈があります。

根の特徴

マツヨイグサの根はゴボウやダイコンのようにまっすぐに下に伸びる直根性です。1度切れると再生しないので、地上部の生育が悪くなります。植え替えは苦手ですが、植え付けるときは根を切らないように注意しましょう。

実の特徴

マツヨイグサの実は熟すと自然にはぜて種を落とす蒴果(サクカ)です。サヤは円柱形で2cm~3cmあり、熟して茶色くなると上から4つにわかれます。種の形は円柱形で両端がとがっている紡錘形(ぼうすいけい)です。

マツヨイグサの代表品種・種類

Photo by Starr Environmental

マツヨイグサは強健な植物で、自然界でも交雑種が生まれることも多く、園芸種と合わせると1,000種類以上あります。

①メマツヨイグサ

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メマツヨイグサは荒地でもよく育つことからアレチマツヨイグサの別名があります。マツヨイグサとよく似た黄色い花を咲かせますが、直径は3cm以下と小さめです。花言葉は「恋に恋するお年頃」です。

②アカバナユウゲショウ

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アカバナユウゲショウは「ユウゲショウ」の別名もありますが、「オシロイバナ」もユウゲショウと呼ぶことから、区別してアカバナユウゲショウの名前になりました。もともとは夕咲きですが、現在の本種は昼間、1cm~1.5cmの花を咲かせます。開花時期は5月~9月です。ときに白い花もまじります。
 

③ヒルザキツキミソウ

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ヒルザキツキミソウは6月~9月が開花時期で、直径4cm~6cmの大型の花を咲かせます。花色は白~淡ピンク色です。花はよい香りがします。

ほかの種類

このほかにオオマツヨイグサやコマツヨイグサ、ヒメツキミソウがあります。オオマツヨイグサは花が8cmと大きく、枯れても赤くなりません。コマツヨイグサは花が小さく、3cm~4cmです。ヒメツキミソウは昼間に黄色い花を咲かせます。

マツヨイグサの育て方①時期

Photo bytakazart

植え付けから開花までの時期

マツヨイグサの植え付け時期は?

マツヨイグサを植え付けるのは4月~5月がおすすめです。直根性で根が切れると再生しないので、植え付けのときは優しく、傷つけないように注意しましょう。

マツヨイグサの開花時期は?

マツヨイグサの開花時期は5月~9月です。一日花ですが次々と花が咲き、とくに6月頃からさかんになります。

種まき時期 3月~4月
植え付けの時期 4月~5月
肥料やりの時期 3月~8月
花が咲く時期/開花時期 5月~9月
休眠期 12月~1月

栽培スケジュールカレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
種まき
植え付け
肥料
開花時期
休眠期

栽培適期は?

マツヨイグサの栽培適期は3月~9月です。マツヨイグサの根は直根性でできれば植え替えをせずに育てたほうがよいので、3月~4月に種をまいたらそのまま動かさずに栽培します。

マツヨイグサの育て方②栽培環境

Photo byHans

栽培方法

マツヨイグサは強健な植物なので、プランター、鉢植え、地植えのどれでもよく育ちます。プランターは植木鉢よりも大きいので種のまき過ぎに注意しましょう。あまりにも多くまき過ぎると育ったときにこみあってしまい風通しが悪くなります。

育てる場所

室内・屋外

マツヨイグサは地植えでも鉢植えでも育ちますが、耐陰性が弱いので暖かい時期は室内より屋外で育てたほうが花付きがよくなります。冬になり霜が降りる場合は室内で管理しましょう。

置き場所・日当たり

マツヨイグサは風通しがよく、日がよく当たる場所で管理します。

用土

マツヨイグサの用土は神経質になることはありません。水はけのよい用土がよいでしょう。自作する場合は、赤玉土6、腐葉土4をまぜます。市販の草花用の土だと簡単です。地植えする土が粘土質な際は、川砂や腐葉土、軽石などをまぜこんでおきましょう。

マツヨイグサの育て方③管理のポイント

Photo by Starr Environmental

水やり

マツヨイグサの水やりは鉢植えの場合、表面が乾いたらたっぷり与えます。地植えは夏場に日照りが続いて乾燥しすぎたときに水やりする程度で、基本的には降雨のみで十分です。

肥料

マツヨイグサは雑草に近い植物で、やせた土地が自生地なので肥料は与えなくても育ちます。むしろ肥料の与えすぎは枯れや葉ばかりが茂る原因になるでしょう。鉢植えのマツヨイグサに肥料を与える際は、3月~8月の間に緩効性化成肥料を少量にします。地植えの場合は必要ありません。

害虫対策

マツヨイグサにはアブラムシやアカバナトビハムシなどの害虫がつきます。どちらも見つけしだい、殺虫剤を散布しましょう。とくにアカバナトビハムシは、葉をすべて食べつくし、マツヨイグサを枯れさせるので幼虫、成虫ともに駆除します。

病気対策

マツヨイグサはとくに病気の心配はありません。

花後の管理

マツヨイグサは一日花ですが毎日たくさんの花を咲かせるので、花後は花がらをとりのぞきます。

剪定

マツヨイグサはとくに剪定の必要はありません。

マツヨイグサの育て方④詳しい栽培方法

Photo by Starr Environmental

種まき

マツヨイグサの種まきは、あたたかくなった春に行います。マツヨイグサの種は比較的発芽率がよく、発芽温度は25℃以上です。マツヨイグサの根は直根性で折れると再生しないため植え替えを嫌います。最初から大き目の鉢やプランターにまくと植え替えずにすむのでおすすめです。

植え替え

マツヨイグサを植え替えるときは、ポットや鉢から取り出した形のまま土を崩さず、根にふれることなく新しい鉢に植え付けます。4月~5月が植え替え時期ですが、できれば植え替えないようにしましょう。

冬越し

マツヨイグサは耐寒性はありますが、とくに強いわけではありません。霜の降りる地域では防寒シートやワラなどを葉にかぶせます。鉢植えは暖かい場所か室内で管理しましょう。

増やし方

種まき

マツヨイグサの増やし方は種まきです。秋にできた種がこぼれて発芽し冬越しして増えるパターンと、その種を次の春まで冷蔵庫で管理して種まきする増やし方があります。マツヨイグサの種をとる場合、蒴果なので熟してきたら新聞紙や包装紙で受け止めるか、袋をかぶせて採取しましょう。

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