ウサギゴケはコケと名前につきますがコケではなく食虫植物です。葉や花から虫を取るのではなく、根にたくさんある小さな補虫袋で、水中にいる微生物や小さな虫を水ごと吸い込んでつかまえます。南アフリカの固有種でナタールやケープ地方の標高200m~1200mの湿った岩場に自生しています。ニュージーランドでは侵略種として登録されているほど、繁殖力が強いです。
園芸部類 | 水生植物 |
形態 | 多年草食虫植物 |
樹高・草丈 | 2cm~4cm |
花の色 | 白、青紫 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | ある |
特性・用途 | 園芸種 |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
ウサギゴケは条件があえば夏以外、一年中よく花を咲かせる四季咲性です。1mmほどの花茎が3cm~4cm伸び、その先に5mm~10mmの白いウサギのようなかわいい花が2輪~3輪咲きます。ウサギゴケは白い花が基本種です。花は気温が低いと青っぽくなり高いと真っ白になります。
ウサギゴケは食虫植物ですが、花や葉から虫をとるわけではありません。ウサギゴケの根にはケシの実ほどの小さい補虫袋がたくさんついています。その袋に水中のごく小さなセンチュウのような虫や微生物が触れるとふたが開き、周囲の水ごと吸い込んでこしとります。ウサギゴケの学名の「ウトリクラリア」は「小さな革袋」という意味です。
ウサギゴケの基本種は温度によって多少青みがかった花が咲くことがありますが、ほぼ真っ白です。
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青花のウサギゴケです。青というより青紫色に近い花が咲きます。基本種の白花は6月によく咲きますが、青花は11月によく咲き、白い花は1本の花茎に2輪~3輪咲くのに対し、青花は1輪です。白花よりは多少花付きが少ないでしょう。花の大きさは青花のほうが白花より大きいです。
植え付け時期 | 3月~7月、9月~11月 |
植え替えの時期 | 3月~7月、9月~11月 |
開花の時期 | 四季咲性で夏以外 |
休眠期 | 8月 |
出回る時期 | 通年/通販がおすすめ |
ウサギゴケは四季咲性の多年草です。夏以外の季節は条件がよければ花が咲くので出回る時期は通年ですが、生産者が多くないので売り切れになることもあります。
ウサギゴケの植え付け時期は?
ウサギゴケの植え付けは、夏と冬以外ならいつでもできます。株が混んでくると枯れるので植え替えをかねて植え付けるのがおすすめです。
ウサギゴケの開花時期は?
ウサギゴケは四季咲性です。休眠期の夏をのぞけば温度管理がしっかりしている冬でも咲きます。白花の基本種は6月によく咲きます。
ウサギゴケは岩場の常に湿っている場所に自生します。プランターや鉢植えは腰水が可能ですが、地植えにしようとすると湿地をつくることになるでしょう。大掛かりになってしまうことから、おすすめはプランターや鉢植えです。ウサギゴケは根を浅く張るので平たい鉢や苔玉としても育てられます。
ウサギゴケは室内でも屋外でも栽培可能です。
ウサギゴケの屋外での置き場所は直射日光をさけた、明るい日陰や30%~50%遮光した場所がおすすめです。風通しのよいところを選びましょう。ベランダでも日が直接あたらない明るい場所で管理します。ウサギゴケを置いた場所で観察し、よく葉や花が育つようならそこが気に入った場所です。調子が悪いようなら場所を変えてみましょう。
ウサギゴケの室内での管理場所は、日差しが差し込むレースのカーテン越しがおすすめです。優しい光が差す出窓でもよいでしょう。直射日光が苦手なだけで、けっして日差しがきらいなわけではないので、室内で日が当たらないようであれば、LED電球や植物育成ライトの下30cm~40cmの場所で管理します。
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ウサギゴケの用土は水苔やピートモスがよいでしょう。ピートモスとパーライトを使うときは1対1にします。ウサギゴケは根がやわらかく、補虫袋があるのでふんわりした水苔がおすすめです。
ウサギゴケは水切れをすると枯れます。平鉢や浅い鉢に植えて、腰水しましょう。水はなくなってから補充するタイプと、1日~2日おきに取りかえる方法がありますが、夏場は水が傷みやすいので後者をおすすめします。そのときに水道水をそのまま与えるのではなく、洗剤がのこっていないきれいな器に1日~2日くみおきした水を使うのがよいでしょう。
ウサギゴケを管理している環境によっては、腰水が腐りやすい場合もあります。1週間に1回か10日に1回、腰水をはずして葉の下からたっぷり水を流し込みましょう。鉢の中に入っている水を取りかえるイメージです。
ウサギゴケが自生している場所は湿った岩場が多く、やせた土地でも繁殖できるように進化してきました。そのため肥料は与えなくても育ちます。むしろ肥料を与えると根が傷んで枯れることがあります。また、食虫植物だからといって虫を追加する必要もありません。
ウサギゴケは特に害虫対策の必要はありません。
ウサギゴケは特に病気の心配はいりません。
ウサギゴケの花後は気になるようであれば花がらを摘んでおきましょう。
ウサギゴケはホームセンターや街の小さな園芸店で見かけることは少ないでしょう。通信販売での購入が中心なので、苗を選べないことのほうが多いです。届いたウサギゴケの苗の表面に根が出ているようであれば、室内で光不足に育てられた確率が高いでしょう。すぐに屋外で管理すると日光の刺激に慣れずに枯れることがあります。十分に水を与えて徐々に慣らすようにしましょう。
ウサギゴケは鉢に株が混んでくると地上部が枯れるので、植え替えます。そのまま大きめの鉢に植え替えても、株分けして増やしても問題ありません。植え替え時期は真夏と真冬をはずせばいつでもできます。
ウサギゴケは夏が休眠期です。花は咲きませんが、生きているので水切れをさせず、風通しのよい場所で管理します。30℃以上の暑すぎる場合は室内に避難させましょう。
ウサギゴケは、冬は室内で管理します。日当たりのよいレースのカーテン越し、LEDランプや植物用のライトの下で10℃以下にならないように管理しましょう。15℃~25℃をキープできれば冬でもウサギゴケの花を見られます。
ウサギゴケの増やし方は株分けです。ウサギゴケは1年で3倍~5倍に増えます。鉢がいっぱいになると枯れてしまうので、植え替えのタイミングで株分けがおすすめです。10円玉くらいの大きさにちぎって、水苔に植え付ければ増やせるので、根付いたものをプレゼントするのもよいでしょう。
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ウサギゴケは白花が基本種です。青花もありますが、白花のほうが花付きがよく、育てやすいでしょう。ウサギの耳のようなはなびらに、ふんわり広がったスカートのようなシルエットです。ウサギのしっぽは短いですが、ウサギゴケの花には長いしっぽのような部分があります。
育てやすさ | ★★★☆☆ |
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種類 | 食虫植物 |
生命力が強いから地上部がかれてしまっても根が生きていることがあるわ。気に入った場所で水を欠かさないようにしてると復活することも!