ユスラウメの育て方!枯らさないための管理方法や栽培のポイントを解説 | 植物図鑑

学名Cerasus tomentosa
和名ユスラウメ
別名梅桃、山桜桃梅
英名downy cherry
科・属名バラ科 ・サクラ属
原産地中国、朝鮮半島、モンゴル
花言葉郷愁、輝き

ユスラウメの概要

ユスラウメはバラ科 ・サクラ属の落葉性の低木です。寒さや病気に強く、害虫もつきにくいので育て方が簡単です。樹高も2~3mと高くならず、ベランダや庭植えにも適しています。剪定も伸びすぎた枝を整える程度でそれほど手間もかかりません。観賞用としても果樹としても楽しめます。

基本情報

園芸部類 庭木・花木
形態 低木
樹高 2〜3m
花の色 白、ピンク
耐寒性 強い
耐暑性 強い
栽培難易度 ★★☆☆☆

特徴

ユスラウメは、春になると5枚の花びらを持つ梅のような花が枝一面に咲き誇り、梅雨の時期には1本にたくさんの実をつけます。直径1cmほどの皮が薄くてぷるんとした赤い実は、サクランボのように甘酸っぱいです。生でも食べられますが、ジャムや果実酒にするのもおすすめです。

名前の由来

ユスラウメの語源は、朝鮮語の移徒楽(いすら)です。風に揺れる様子がなまって「ユスラ」、梅の花と似ていることで「ウメ」になったといわれています。英名は葉脈のdownyと果実のcherry、2つの単語を合わせてdowny cherryと名付けられました。

ユスラウメの育て方①時期

植え付けから開花までの時期

植え付け時期 12〜3月
植え替え時期 2〜3月
花が咲く時期/開花時期 3〜4月
収穫時期 6~7月

栽培スケジュールカレンダー

  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え付け
植え替え
               
開花期間                    
肥料                  
成長期          
休眠期              
○は適期、●は最適期

栽培適期は?

ユスラウメの成長時期は4〜10月です。苗木は大型ホームセンターやインターネットで手に入ります。時期によっては葉や枝がついていない場合もありますが、落葉や休眠中のものなので心配無用です。植え付けや植え替えを行う12~3月に合わせて購入するのをおすすめします。

ユスラウメの育て方②栽培環境

栽培方法

ユスラウメの栽培方法は、庭植えや鉢植えです。庭植えの場合は、苗よりもひと回り大きく掘った穴に苗を置いてたっぷりと土を入れます。鉢植えの場合は、鉢に鉢底ネットと鉢底石を置いてから土を鉢の1/3ほど入れ、苗を中心にして周りを土で固定させましょう。

育てる場所

ユスラウメを育てるなら、日当たりと水はけのよい場所を選びましょう。西日が当たって乾燥する場所もベストです。日当たりが悪いと実のつき具合が悪くなってしまいます。また、湿気が多いと病害虫の被害に遭いやすくなるため、水やりしすぎないようにしましょう。

用土と鉢

ユスラウメには、腐植質を混合した通気性と保湿性に優れた用土が最適です。庭植えでは、掘り出した土に腐葉土、堆肥を混ぜて使います。鉢植えでは、市販の果樹用培養土か赤玉土(小粒)6:腐葉土3:川砂1の割合で混ぜた土を入れて植え付けます。鉢は5~10号を選びましょう。

ユスラウメの育て方③管理のポイント

水やり

ユスラウメは湿気に弱いです。庭植えでは雨や地中の水分で水が補給できるので、水やりをする必要はありません。暑い日が続く夏の時期だけは水切れしないように管理する必要がありますが、あとは気にしなくても大丈夫です。鉢植えは土が乾いてから水やりをしましょう。

肥料

ユスラウメは肥料を多く必要としません。葉が枯れ落ちる2~3月にリン酸やカリウムが多めの緩効性化学肥料や堆肥を与えます。鉢植えでは成長を促すために8月にも同じ肥料を与えましょう。また、開花後に「お礼肥」として油かすなどを与えるだけでも効果があります。

ユスラウメの育て方④生育トラブル

病気・害虫対策

ユスラウメの栽培では、ふくろみ病に注意します。雨で胞子が飛散してしまうため、病気になった果実は離れた場所で焼却処分します。葉が枯れ落ちた休眠期にチオノックフロアブルの消毒液や石灰硫黄合剤で予防しましょう。その他の病気や害虫の心配はほとんどありません。

剪定と整枝

ユスラウメの剪定回数は比較的少なめです。間引き剪定では、開花前に混み合った枝、伸びすぎた枝、枯れた枝を切り落とします。整枝では不自然に伸びる枝を1/3ほど切り落として樹形を整えます。日当たりや風通しをよくすることで成長を促し、病気や害虫から守ることが大切です。

ユスラウメの育て方⑤詳しい栽培方法

主な品種

ユスラウメは主に2種類あります。1つは花も実も真っ白な「白実種」、もう1つはピンク色の花の開花後に赤い実をつける「赤実種」です。一般的に実は白実種のほうが大きく、赤実種は白実種よりも実の数が多いとされています。好きな品種を選んで育ててみてはいかがでしょうか。

植え替え

鉢植えの場合、ユスラウメは成長にあわせて植え替えます。苗が成長しすぎると根が鉢底からはみ出て、鉢の中で根詰まりを起こしてしまうのです。また、土の通気性がよくないと成長が妨げられます。詰まった根をほぐし、できれば1年ごとにひと回り大きな鉢に植え替えましょう。

冬越し

冬の間、ユスラウメは休眠期に入ります。植え付け・植え替え、枯れた枝などを切り落とす剪定と整枝、肥料、ふくろみ病への対策などをしっかりと行いましょう。冬越しの管理が翌シーズンのコンディションにつながります。

増やし方

ユスラウメの増やし方は、種まき・挿し木・取り木です。種は売っていないので果実から取り出し、春まで乾燥しないように保存します。挿し木は10~15cmに切り落とした新しい枝でつくった挿し穂、取り木は株から出てくるひこばえを切り落として土に植えます。

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