ショートヘアーグラスの育て方！水槽にきれいな芝生を広げるポイントを解説 | 植物図鑑

ショートヘアグラスは水槽の底面を芝生のようにおおう、細く短い水草のひとつです。アクアテラリウムの前景として、パールグラスとともに人気があります。水生生物とも相性がよく、小さなガラスケースにも広い水槽にも向いています。

ショートヘアグラスは水槽に沈めても、ビオトープなどで水辺の植物としても育てられるのが特徴です。抽水性の水生植物として葉の一部を水面に出して育てると、夏頃に小さな白い花を咲かせます。

ショートヘアグラスを育て始めるのは、春〜夏がおすすめです。11〜3月上旬までは休眠時期で成長が鈍るので、植え付けは9月の上旬頃までにすませるとよいでしょう。株分けや植え替えなどの作業は成長期の初めの3〜4月が最適ですが、根をいじらない作業はほぼ通年可能です。

ショートヘアグラスを室内で育てる場合は、水槽やガラスケースが最適です。屋外のビオトープや睡蓮鉢では、抽水性の水性植物としても育てられます。

水槽やガラスケースのアクアリウムで育てる場合は、直射日光の当たらない場所に置きます。日光が当たると夏は水温が上昇しやすくなり、水槽の側面に苔や藻が発生して、見た目も悪くなります。

ショートヘアーグラスをきれいに管理するためには、蛍光灯2〜3本分の光量が必要です。背の高い水草で日陰にならないよう、レイアウトを工夫しましょう。屋外で育てる場合は、半日以上日が当たる場所が適しています。

ショートヘアグラスの用土は、アクアリウム専用ソイルが向いています。砂地のようなやや目の細かい用土の方が、根が張りやすくよく増えます。価格は高めですが機能的なソイルを使うことで、元肥が要らず水質の管理が楽になるのがメリットです。屋外の場合は荒木田土や川砂に植えつけます。

水に浸かった水中葉を購入して植え付ける場合は、水温をあわせてからそのまま沈水して植え付けます。水上葉を水中葉として育てる場合は、根の長さを1cm、葉を5mm〜1cmにカットして、1〜2本ずつ田植えのようなイメージで植え付けていきます。このときに少し斜めに差し込むと、抜けにくくなるのでおすすめです。植え付け後に枯れてきますが、根付いていれば自然に新芽が出てきてやがて隙間なく広がります。

水替えや水足しのタイミングは、夏は1週間〜10日間に1回で約1/3を入れ替えます。蒸発して水位が下がってきたら、元のレベルまで水足しします。ショートヘアグラスの生育適温は20〜28℃、pHは5.5〜6.5の中性に近い弱酸性、硬度はGH3.0・KH3.0以下の軟水で管理するのがポイントです。

ショートヘアグラスのきれいな色合いをキープするには、CO2の添加をおすすめします。CO2の添加は光合成を促進します。液体やブロックタイプもあるので、水量や栽培環境にあったものを選びましょう。

水生生物と共生している場合には、植えつけの元肥以外に追肥を与える必要はほとんどありません。水性植物だけを育てる水草水槽の場合は、成長期に専用の液体肥料や活力液を与えてしっかりと栄養を補います。

ショートヘアグラスは種から育てることも可能です。水上葉から水中葉にするよりも早く、広い面積を芝生のようにできます。種まきにはソイルを使い水質などの生育環境はほぼ同様ですが、温度は25〜30℃と少し高めの方がよく発芽します。種をまく時期は春〜夏が最適です。

1. 水槽やガラスケースにソイルを厚さ3cm以上入れる
2. 水を入れてソイルを湿らせ、種をまく
3. 乾燥防止のため、フタやラップなどを被せる
4. 時々換気をして、ミストで水分を与える
5. 1週間ぐらいで発芽する
6. 10日〜2週間で抽水できる

ショートヘアグラスは購入時に病気や害虫の発生がないかを、よく確認するのが大切なポイントです。組織培養で育てた無農薬タイプの苗は、寒天培地が残っていると雑菌が繁殖しやすくなるため、流水でよく洗い流します。水上葉の苗を水中葉にする場合は、茶色く枯れた部分を丁寧に取り除いてから植え付けましょう。

細く繊細なショートヘアグラスの剪定には、アクアリウム専用のトリミングハサミを使います。植えつけてから茶色く枯れたところをカットする場合に、葉の組織を潰さずに剪定できます。トリミング後は切った葉を回収して、水質を維持するのがポイントです。

ショートヘアグラスの休眠時期は11〜3月上旬です。水槽で管理する場合は冬も18℃以上に水温を保って育てます。

ショートヘアーグラスは地下茎を横に伸ばして、地上葉を増やします。混み合ってくると葉が茶色く枯れることもあるので、春頃に植え替えるのがおすすめです。レイアウトの変更なども同時にできます。

ショートヘアーグラスは地下茎で増えるので、植え替えのタイミングでカットして移植して増やせます。増やし方は株分けと同じようなイメージで、ハサミで分割して増やしたい所に植え直します。