プレイオスピロスは南アフリカに自生する多肉植物です。リトープスなどと同じメセンと呼ばれる仲間で、成長と共に脱皮をして新葉を展開する不思議な生態の植物です。自生地では年間を通して雨が少ないため、乾燥に耐えられるよう肉厚な葉をもっています。
園芸部類 | 多肉植物・観葉植物 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 2~10cm |
花の色 | 白、赤、オレンジなど |
耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | やや弱い |
特性・用途 | 常緑性 |
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
プレイオスピロスの多くは、半球状で肉厚な葉を対で展開し、まるで石ころのような姿です。これは、自生地の小石が転がる環境にあわせた姿をしていると考えられています。大きさは種類によって3~10cmほどで、春になるとオレンジや赤色の花を咲かせます。
帝玉
参考価格: 1,320円
プレイオスピロスを代表する種類のひとつで、直径5cmほどに成長し、半球状の肉厚な葉を展開します。春になるとオレンジ色の花を咲かせます。寒さにも暑さにも比較的強く、初心者でも育てやすい種類です。
栽培難易度 | ★★★★☆ |
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おすすめ度 | ★★★★☆ |
プレイオスピロス・紫帝玉
参考価格: 1,980円
日本で作出された、帝玉の葉が紫色になる園芸品種です。春になるとピンク色の花を咲かせます。帝玉に比べると葉緑素が少ないので、成長が遅くやや育てにくいです。夏の暑い時期の置き場所など注意が必要です。
栽培難易度 | ★★★☆☆ |
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おすすめ度 | ★★★☆☆ |
プレイオスピロスは冬型の多肉植物です。成長期は9月半ば~6月半ば頃ですが、1月後半~2月頃の厳冬期は、生育が少し緩慢になります。6月半ば~9月半ばの暑い時期は休眠期です。
プレイオスピロスは基本的に鉢植えで育てます。寄せ植えも可能ですが、管理がしやすいように、成長期が冬型のものと寄せ植えをしましょう。リトープスやコノフィツムなど冬型のメセン類との寄せ植えがおすすめです。
プレイオスピロスは蒸れに弱いので、風通しのよい屋外が適しています。耐寒性も比較的強く、短時間であれば凍ってしまっても回復するので、関東以西の地域であれば通年で屋外栽培が可能です。関東以北の地域は、冬場は室内に取り込んだほうが安心でしょう。
プレイオスピロスは日当たりのよい場所に置いてください。高温多湿には弱いので、雨が当たらず、陽が差し込む軒下がおすすめです。日当たりが悪いと徒長しやすくなりますが、真夏の直射日光は避けましょう。また、風通しが悪いと病害虫が発生しやすいので、場所によっては人工的に風を当てるのも効果的です。
蒸れに弱いプレイオスピロスは、水はけのよい用土を使用しましょう。市販の多肉植物やサボテン用の用土であれば、水はけがよいので手軽に栽培を始められます。自分で配合する場合は、赤玉土2:鹿沼土1:軽石0.5:ゼオライト0.5を基本とし、栽培環境にあわせて調整してください。
成長期は1週間に1回程度、用土が乾いてからたっぷりと水やりをしてください。休眠期中は断水し、1カ月に1回程度軽く霧吹きで葉水を与えましょう。
肥料は、植え付け時に緩効性の粒状肥料を用土の中に混ぜ合わせておきます。その後、成長期には液体肥料を既定の濃度に薄めて、1カ月に1回程度与えましょう。休眠期に肥料を与えると成長に悪影響が出るので与えません。
プレイオスピロスには、アブラムシやカイガラムシが寄生することがあります。植え替えの時に、浸透移行性の殺虫剤を混ぜ合わせておくと予防に繋がります。またこまめに観察して、早期発見を心がけましょう。万が一発生してしまった場合は、少量であればピンセットなどで除去し、大量の場合は市販のスプレー式殺虫剤を散布してください。
プレイオスピロスに発症しやすい病気は根腐れ病です。根腐れ病は多湿な環境で発症しやすい病気なので、置き場所に注意をして予防しましょう。万が一発症した場合は、一度苗を抜き、傷んだ部分を取り除いて再度植え替えます。
プレイオスピロスを店頭で選ぶ際は、葉に張りがあるものを選びましょう。葉の裏側や、脱皮した古い葉にはカイガラムシが付きやすいので、よく確認してください。
プレイオスピロスを植え替える場合は、成長期の初期が適しています。成長にあわせて1~2年に1回植え替えましょう。
プレイオスピロスの花の開花後は、種子を採取しない場合は枯れ始めたら取り除きます。そのままにしておくと害虫が寄り付きやすくなるためです。採種する場合はそのままにしておき、採種時期が来てから摘み取りましょう。
プレイオスピロスは高温多湿な環境が苦手です。真夏の直射日光に当たると枯れやすいので、風通しがよく半日陰になる場所に移動させて夏越しさせます。1カ月に1回程度葉水を与えますが、蒸れを防ぐために夕方の涼しい時間帯に行いましょう。
プレイオスピロスは種類によって耐寒性に差があります。帝玉は比較的寒さにも強いので、関東以西であれば屋外で管理しても問題ありません。それ以外の種類では、5℃を下回る頃を目安に室内に取り込みましょう。エアコンなどの暖房の風が直接当たると枯れやすいので置き場所に注意してください。成長期ではありますが、水やりをする際は、鉢内が凍らないように晴れた日の日中に行いましょう。
プレイオスピロスの増やし方は実生が一般的です。種子は自家採種をするか、ネット販売で入手しましょう。
出典:著者撮影