園芸部類 | 果樹 |
形態 | 落葉低木 |
樹高 | 1~1.5m |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通(真夏の強い日差しは苦手) |
耐陰性 | 普通 |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
ラズベリーは、甘酸っぱい実をつける低木の果樹です。果樹の中では育てやすく、家庭栽培におすすめです。1本だけで実がなり、1~2年後には収穫できます。繁殖力が旺盛で地下茎でどんどん増えます。
ラズベリーの園芸品種は多数あり、実の色によって赤ラズベリー・黄ラズベリー・黒ラズベリーに分類されます。赤ラズベリーが一般的で種類も豊富です。また、ラズベリーには年に1回収穫できる一季なりと、年に2回収穫できる二季なりがあります。そのほか、枝にトゲがない品種もあります。
赤ラズベリー
品種名 | 特徴 |
インディアンサマー | 最も代表的な品種 二季なり、直立性、小粒 |
サマーフェスティバル | 二季なり、直立性、小粒 |
サンタナ | 二季なり、半直立性、中粒 |
グレンアンプル | 一季なり、トゲなし、直立性、大粒 |
品種名 | 特徴 |
ファールゴールド | 直立性、大粒、収穫期が長い |
ジョイゴールド | 二季なり、大粒 |
品種名 | 特徴 |
ブラックキャップ | 一季なり、中粒 |
ラズベリー サマーフェスティバル
参考価格: 1,540円
サマーフェスティバルは、やや細長い実がたくさんなり、収穫の楽しさを味わえます。初心者でも育てやすい品種です。
おすすめポイント | 育てやすく二季なり |
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苗のサイズ | 12cmポット入り |
ラズベリー グレンアンプル
参考価格: 2,519円
グレンアンプルは一季なりのラズベリーです。トゲなしで剪定などの作業がしやすいのが大きな魅力です。
おすすめポイント | トゲなし |
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苗のサイズ | 12~15cmポット入り |
ファールゴールド
参考価格: 1,177円
ファールゴールドは、黄色のラズベリーです。酸味が少なく甘いため、子どもでも食べやすい品種です。
おすすめポイント | 甘くて食べやすい |
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苗のサイズ | 12~15cmポット入り |
ラズベリー ブラックキャップ
参考価格: 1,848円
ブラックキャップは、完熟すると実が黒くなるラズベリーです。甘みとコクのある味わいを楽しめます。
おすすめポイント | 珍しいブラックラズベリー |
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苗 | 一年生苗ポット入り |
植え付け適期 | 11月~3月(落葉期) |
開花時期 | 5月~6月、9月~10月(二季なり) |
剪定時期 | 12月~2月、8月(一季なり) |
収穫時期 | 6月~7月、10月~11月(二季なり) |
植え付けは葉が落ちている時期の11月~3月が適期です。厳寒期を避けた11月と3月が最適な時期にあたります。3月から栽培をスタートする場合は、新芽が出る前に植え付けます。
ラズベリーは、地植えでも鉢植えでも栽培できます。地植えにすると地下茎から多数の枝を出して広がります。周辺に広がってもよいような広い場所を選んで植えましょう。庭が狭い場合は、鉢植えでの栽培がおすすめです。
ラズベリーは半日陰でも育ちますが、日当たりのよい場所のほうが適しています。ただし、真夏の暑さには弱いため、夏には半日陰になるような場所が最適です。鉢植えの場合、夏は半日陰で管理します。また、ラズベリーは耐寒性が強く、冬越しの対策などは必要ありません。
ラズベリーは用土を選びません。しかし、植える前に耕して腐葉土をすきこんでおくとより元気に育ちます。また市販の「果樹・花木の用土」も手軽でおすすめです。
ラズベリーを鉢植えで栽培する場合は、果樹・花木用の培養土を使いましょう。または、赤玉土小粒と腐葉土と川砂を6:3:1で混ぜたものを使用します。
植える場所の土を耕して、腐葉土をよく混ぜ込んでおきます。苗は根を傷めないように軽くほぐしてから植え込みます。植え付け後に枝を1/3くらいに切り詰めて支柱を立てましょう。
鉢底に鉢底石を3cmほど敷き詰めてから、用土を少し入れます。苗の根を傷めないように軽くほぐしてから、鉢の中心に入れます。株元が鉢の縁から3cmくらい下がった位置になるように土を足して植え込みましょう。
地植え・鉢植えどちらの場合も、元肥として有機質肥料または緩効性化成肥料を施します。
鉢植えは表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。地植えは植え付け時にたっぷりと水やりをして、その後は降雨だけで問題ありません。しかし、夏の猛暑などでひどく乾燥する場合は、水やりをしましょう。
ラズベリーは繁殖力が強く、枝を旺盛に伸ばしすため、支柱を立てるかトレリスやフェンスなどに誘引すると管理しやすくなります。鉢植えの場合は、あんどん支柱やオベリスクで枝を囲むように仕立てましょう。
開花前の5月ごろに、有機質肥料または即効性化成肥料を与えます。二季なりのラズベリーには9月ごろにも追肥します。植え付け2年目からは、寒肥として2月ごろに追肥を与えましょう。
花後しばらくすると、薄緑色の実がつきはじめます。開花から約1カ月で収穫です。全体に濃く色づいたら、手でそっと抜くように引っ張ります。完熟しているとぽろっとはずれて簡単に取れますが、柔らかいため1つずつ丁寧に収穫しましょう。
一季なりの品種は、5~6月ごろが摘心の適期です。その年伸びた新しい枝(一年枝)の枝先を摘芯しましょう。枝が増えて翌年の実を増やせます。
一季なりの二年枝は、夏に実がついた後自然に枯れるため、8月ごろ二年枝をすべて根元から切り取るとよいでしょう。冬の剪定は、枯枝・細い枝を根元から切ります。一年枝が混みあっているようならよい枝を数本残して、それ以外の枝は株元から切り、風通しをよくしてください。残した枝は1mぐらいで切って誘引します。
二季なりの一年枝には秋に実がなるため、5~6月の摘芯は行いません。剪定は冬に行います。二年枝や枯枝・細い枝を根元から切り取ります。一年枝が混みあっているようならよい枝を数本残し、それ以外の枝は株元から切り取りましょう。残した枝は1mぐらいで切って誘引します。
ラズベリーの一年枝・二年枝とは?
一年枝とは、その年の春に伸びた枝をさします。若い枝で、鮮やかな緑色です。一年枝に今後実をつけるため、大切に育てます。二年枝とは、前年に伸びた枝です。枝は茶色に変化しています。二年枝は夏に実をつけた後、冬までに自然に枯れるため収穫後に根元から切ってしまっても問題ありません。
ラズベリーを鉢植えで栽培していると根詰まりを起こすため、2~3年に1回は植え替えます。時期や方法は植え付けと同じです。
ラズベリーの増やし方には、挿し木・株分けなどがあります。挿し木は6~7月が適期で、新しい枝を10cmぐらいで切り取り赤玉土などに挿します。株分けは、地下茎から伸びた新しい株を地下茎から切り離して掘り上げて、ほかの場所に植え付けます。
ラズベリー インディアンサマー
参考価格: 1,340円
インディアンサマーは、ラズベリー栽培では代表的な品種です。赤ラズベリーで二季なりです。安定して収穫できるのもポイントです。
おすすめポイント | 実つきがよくて生育旺盛 |
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苗のサイズ | 12~15cmポット入り |
日当たりが悪い場所に植えると、実つきが悪くなります。また、窒素肥料を与え過ぎると葉ばかりが茂り結実しない場合があります。花芽が付かない場合は、強い剪定が原因かもしれません。花芽は前年に新しく伸びた枝に付くため、その枝を短く剪定しすぎると花が咲きません。
一季なりの場合は、二年枝に花芽がつくため1年目は実がなりません。翌年まで待ちましょう。
植え付けて1~2年くらいの場合は、実が大きくならないことがあります。株が充実すると実も大きく育つようになります。鉢植えの場合は、根詰まりを起こしているかもしれません。鉢からそっと出してみて根詰まりを起こしていたら植え替えましょう。
その年の夏に実をつけたラズベリーの枝は、収穫後自然に枯れてきます。枯れてきたら、根元から切り取りましょう。また、水切れによる乾燥・水のやりすぎによる過湿で枯れる場合があります。
ラズベリーは病害虫の少ない果樹で、無農薬栽培が可能です。しかし、全くないというわけではなく、病気では灰色カビ病、害虫ではモモチョッキリゾウムシ・カイガラムシなどが発生する場合があります。
梅雨の季節に灰カビ病がみられることがあります。枯れた葉や実に付いた菌から発症する病気のため、枯れた葉などは早めに取り除いて予防します。また、多湿にならないように枝を剪定・整理して風通しをよくしましょう。
モモチョッキリゾウムシは、春に発生して新梢や花を食害する約10mmの濃い赤紫色の虫です。食害されると、新梢や花は枯れてしまいます。見つけ次第、すぐに捕殺しましょう。多く発生した場合は、薬剤で駆除します。
カイガラムシは殻を持つ害虫です。茎や葉に付着して樹液を吸汁します。見つけ次第歯ブラシなどでこすり落とします。剪定可能な部分であれば、剪定するとよいでしょう。5月~8月ごろの幼虫には牛乳または木酢液をスプレーで吹き付けます。
出典:筆者撮影